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  源氏物語「葉」
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 細くごつごつしているが、家具のような落ち着いた焦茶色。赤みや黄みはなく、黒みがかっていて、コイーバでももっとも深い色合いを見せているのではないだろうか。味もそのままで、物凄い上質感と濃厚さだった。篩にかけた土となめした革と養土に植えられた果実を付けない樹木。濃厚だがクリームが曳いてあって滑らか。花や蜜はきわめて薄く、フレンチローストした珈琲のような甘味で、辛味はほとんどなく、よくよく練ったような苦みが深い。珈琲味のチョコのようでもあるがここまでコクのあるそれは食したことがない。山の端の空のように、深くて柔らかい焦茶色の彼方に草がそよいでいる。どちらでもないのでどちらでも良いが、草色と焦茶色のどちらが空でどちらが谷なのかわからない。暗くて見えないが谷底に落ちても死なないような恍惚感の無さである。死ぬはずもない平地で恍惚として死んでしまうダビドフとは正反対の旨さ。
 煙もこのサイズにして豊富で、若干かたい吸い込みもちょうどよいミディアムボディ。雑味はまったく無い。あまりにも美味しいのでこれこそちょうど良い大きさで、凝縮された一時がこんなもの一本で得られてしまう。無駄に長くて太い葉巻を銜えてふんぞり返っている馬鹿は馬か鹿煎餅にしか見えず、ちいさいながら時を選んでしまいそうなのだが、もしこれでも時を選ばなかったら、もう時を選ぶことなどなくなってしまい、八千五百円の葉巻も半分で捨ててしまうに違いないに決まっていると思う。


後記:後日紀伊国屋一階のカガヤでコイーバが並んでいるのを見たが、パナテラはいうほど黒くなかった。黒いアタリでも引いたのだろうか。
バンホーテンの空き缶の中で熟成させている人いないのかな。
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