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  源氏物語「葉」
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|gestocigars|152CHF/10(24CHF/10+¥2200/10)|arr 2019/9/4|
|GAT AGO 12|5.12’ x 55|16.04g|香:3.0~3.5 ave3.2|残9|

 何故か送料無料で発送された。今後課金されるのかもしれない。(後記:初回は断りがあったのですが、2回目だったからか無言で24CHF課金されていました。)タバコ税は156g表記。関税はぎりぎり免れたよう。

 臭みなく無臭でもない、ほどよくあか抜けた香り。着火前の香りを楽しむ場合の対象はこういう物なのだろうとわかりそうになる。たぶん永久にわからないのだが、イメージがまさにこれで、葉巻を嗜まない人にもわかるような感覚だと思う。妙にそそってくるようなところもなく、ロッキングチェアーにて落ち着いて嗅ぎ続ける人がいる。

 吸い込みはリンゲージ55にして堅牢で、難敵らしい。アホみたいに図太い葉脈が何本も入っている。一本ぐらい抜きたいが、ぎちぎちなだけにビクともしない。長時間無駄な格闘をして諦めると、なぜか吸い込みが良くなっている、こんなの初めて。

 懐かしい辛さと懐かしい一口目の緊張香がある。余計に懐かしく感じるのは、それらが単に弱まってもいるからだろうか。
 それから古典的な佳い味わいを期待させる素直なハバナ香があり、上級ブランドの特異さも下級ブランドの荒さも中級ブランドのどうでもよい特異さもなく、かといって香味チャートの中央に位置するでもなく、無個性の個性というのも憚られ、実の住所は極めて端っこに位置しているのかもしれない。
 同じロメオ町内でもときどき強い家があったりまったく弱い家があったりして、へんてこな家が犇く町内だが、すべての家で匂いはどこかしら似ているのかもしれない。いずれにしても『チャーチル系のダブルバンド物』か『エキシビジョン2種』の香味がシンボルなのではないかと思う。

 私が探しているのは偏にポポーである。ロメオの熟成物でのみときどき実るらしい。

 全体的に薄いが、葉の味わいの品質は素朴にして高そうで、カスタードやキュウリ(キュウリは嫌い)など変化も多彩ときて、薄さを抜きにしても他の葉巻とは味が全然異なる。この調子でいくとポポーへの期待値は無ではない。花咲く。

 ポポーの収穫には1年遅かったかもしれない。

 ラム酒を舐めたからか、洋酒入りの乾いたパウンドケーキ。薄いので酒が勝っているようである。それから緑色の何か、この緑はケーキあればミントに見え、普段は雑草、甘い金木犀あればキュウリに見える。

 ナッツ系の芳ばしさとコクが投じられ、ケーキを濃さと湿りで満たそうとする。ややコイーバを思わせる苦味。この時点でこの葉巻は完全に美味しい。ケーキの色が焦茶系に変じる。ついで金木犀もかなり芬芬とする。
 コイーバ香が若くしては出ないのだったら、この熟成はこれで良かったのだが、やはり薄さはある。

 終盤に図太い葉脈を一本抜いた。
 雑な苦味が増し、優雅な香味もなりを潜めたが、パーフェクドローによる掘削よりも味の乱れ少なく、煙量が増えて味の薄さはけっこう改善された。

 最初の格闘のせいで頭に亀裂が入っていて、最後はラッパーがばらけてしまった。

 香味を除いた全体の傾向としてつい先日のロバイナに似ている。点数がまったく同じ。
 最初の一本で今のところ掴み所がないが、掴むべき棒が何本か生えている気がする。アクロバットが生えているのか。
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