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  源氏物語「葉」
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|Atlantic Cigar|$10.48/1(+¥500/1)|2019/6/7・arr 6/19|
|—|6 1/2 x 55|重量:20.78g|香:1.6~3.5 ave--|残0|

 夏休みの初めに買って、夏休みの終りに燃やした、それぐらいの長い間隔しか眠らせていません。
 トロとなっているものの、何故か吸口がベリコソ風に窄まり、またアンカットになってラッパーからフィラーがはみ出ているぶん長く、ふつうトロとされる物よりも巨大で太く黒々しているため、きわめて手強そうに見える。計量すると異常な重さであり、真っ黒な肌に筋肉が詰め込まれたガチガチの肢体で、ドローは悪い。

 初っ端からかなり甘くて強い香草が来る。藁などは一切感じない。香草は深層で花のような洗剤のようなといった変身願望を沸々ともたげる。ラッパーが無い部分なのに、油で黒光りするラッパーを既に燃やしているような濃い味わい。
 そろそろラッパーが来る。
 茫茫とあちこちへ向いて分散してもいた濃密な香草の分子がすぅっと低空飛行の直線上に纏まる。先日のプラチナムに感じたミネラルによる抑揚に近い感覚である。風味はほぼ変らず、低空飛行に落ち着いただけで、特殊な香草はそれから延々と通っている。フィラーの香草成分がラッパーにたじろがないほど強靭ということだろうか。

 ラッパーはコロラドとなっている。先日のプラチナはオスクーロとなっていた。プラチナも確かに黒かったが、どちらかといえばこちらがオスクーロに見える。実際の作業工程を知らずの目では判断できないということらしいのだが、このリベレイションの方がてらてら湿っているせいでより黒く見えるのかもしれない。リベレイションの方が赤みは強く、一方プラチナは均一色で斑のない乾いたラッパーだった。黒というよりもダークグレーのようで、油分を落としたオスクーロとでもいうものだった。コロラドとオスクーロの間がマデューロになるわけだが、味はリベレイションのほうがマデューロマデューロして、スパイスごとこってり煮詰めた味がある。しかも一切藁を感じない。ただしほぼ香草であり、たとえばデミグラスソースで煮詰めるに、煮詰められる香草ばかり山盛りで、汁が足りない。といって、乾いているわけではないのである。

 中盤でドローが気になり始め、愈々葉巻掘削機パーフェクドロー(PerfecDraw)をスクリュー方式で使用したら、葉が必要以上にごっそり絡め取られて出てきてしまって、ドローは一発でスカスカに、味も訳がわからないほど激変してしまった。絡め取った際、火の点いた葉まで引き摺り出したものと思う。それで煙道が雑味だらけになったのかと。雑味の登場だけでなく、どうしてかそれ以前の風味が微塵も感じられなくなってしまった、ドライで荒くれた紙巻きたばこ味になった。更に悪いことに、燃焼がおかしく、葉巻全体が異常な熱を帯びるようになった。やや大袈裟に言って、葉巻を指で持てないほど熱い。
 一気呵成にドローを改善したい気持ちもあるが、スクリュー方式で葉を絡め取ることはしない方が良いらしい。火種から遠い入口部分をちまちまと削り取るので我慢しなければならないらしい。
 愈々駄目かと思い、5分ほど放置してみて(火種が消えない程度に)再度手に取ってみたら、マデューロ風味が復活してくれた。それでも、すでに終盤だし、中盤の人工的な嵐の名残とで、美味とはいかず、タバコっぽいまま、あの極めて特徴ある香草も消失している。

 ともあれ、ほじくった後はしばし休ませるべしではある。
 おそらく、引きずり出した火種部分が煙道を焼いて行ったのではないかと思う。だから葉巻が熱くなったのかと。しばらく煙道に酸素を通さずに煙道の鎮火を待てば良いらしい。(本当にこうだろうか。引きずり出された数枚以下の僅かな葉っぱの火が煙道に着火するなどありえようか。その煙道も、スカスカとはいえ周りの葉で圧力が掛かっていないではないのである。しかしこうでなければ、葉巻全体が熱を帯びたことを説明できない。)

 序盤の香草はとにかくたっぷりふんだんで甘く濃密で面白かった。思い返せばシャルトリューズ酒のようで、ドローがまともな物で再度試したい魅力あり、中毒性も存外高そうなのだが、やや天国感のあるプラチナムの優勢は揺るぎない。

Wrapper Type Ecuadorian Habano
Color Colorado
Binder / Filler Nicaragua / Nicaragua, Honduras
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