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  源氏物語「葉」
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|—|153mm x 53|montefortuna|€25/1|重量:+1(16.79g)|算出:+2|香味:+3|計6点|

     

森をほとんど焼き終わったところに覚めるのかと思っていた。一面焼け果てた森に、荒く燠が星のように遍満したところに初めから転がって。ところがコクのある焼き炭を口中に放り込まれて覚めた。懐かしい味わい、幸福な炭の味わい。懐かしさの出所はすぐにわかった。白い光が横切り思い出を二つ裂きにする。これも懐かしい白い光は、往復し、八つ裂きにし、反復の膂力で川を遡行して爽やかな上流へ行く。病的に付かず離れず、後をつけることになって、距離が保ち難くなり、ふわりと上り詰めて花の咲く高原が広がる。開花を幻とする、味気ない絶壁の少し奥、滝壺の真上を浮いてたわめるものもなく落下しつつあった。全く残念なことだ。こんなふうに落下しても、魚だったら死なないのだろうか。滝は階段一段分ぐらいの死なない滝で、旅は矮小化されつつある。空中にて空中の部外者である矮小なパイナップルが口に入ると、以上の行程を繰り返すような気がしていた。気づいた時には繰り返していない。身が軽く浮いていて、燠の焦げた匂いが荒く充満する、最初以前の場面に戻りたい気がしていた。代わりに軽く焦げた茶色の面持ちと追い越さんばかりの緩慢さで高原らしき楽園が下降してくるのであった。いまいち振るわない天国、流石の下降、ふやけた天国を足場に蹴って少し上昇する気がしてきた。耳には夜中にしか弾けないような変なピアノの曲が響いていた。
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