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  源氏物語「葉」
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|TUR JUN 08|6 2/5 x 42|cigarOne|$215/25|重量:0(10.61g)|算出:+6|香味:+4|計10点|

 箱最後の一本。
 なぜかモンテクリストは白カビが付きやすい。ヒュミドールの中で各種モンテクリストばかりに白カビが栄えている。葉の質に特有なのだろうか。
 7年経ち、匂いは減衰しているが、空吸いしていても舌に甘い。ドローはやや固。口から古いものが出てくる予感。
 化粧水に白粉、煙のような花の粉(花のような煙とは違う)。鼻の奥に香り濃密でありながら、その爛熟に枯淡の境地を加えている。枯淡というのは土や革や木といった要素について。土を木と紛うような淡さがある。味わいは粉が舞う軽やかさ。花の色が刻々と変化し、やはり翡翠葛のような青緑色の金木犀に至る。
 起承が急転し、焼きたてのバター・クッキーのような風味、あるいは蜂蜜を塗ったマドレーヌか、素朴なはずの焼菓子のふくらみに異常さを感じ、加えて甘いカラメルが香ばしい。これもカラメルかキャラメルか、どっちつかずで左右に幻惑され、蕩けつ驚きつ、急激に旨みが増している。そこへもって花の切り返しの盛り。凄い。
 おかしなナッツオイルを使った、一個2000円の大人びたケーキの味わい、といえばまさにそんな味わいでしかないのかもしれない。
 終盤は甘やかに濃いハバナ葉のこれでもかという風味が主体となって積み重なり、もっとも花も濃い。
 最後の3センチで緑色の豆が出てきます。可愛い。
 根元まで美味しい久々のもの。
 一体全体読んでいて何処がモンテクリストなのかと言われれれば、「翡翠葛のような青緑」というところにしかないように思う。色域は絶大で、全体を覆うのだが。どのビトラなのかと言われれば、タイトルからしかわからない。でもロンズデールというのはやっぱり一番具合が良い。
 昔のハバナを知らないので、2008年産でも古き佳きものを味わった心地がしてしまう。台風の日。
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