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  源氏物語「葉」
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|MES JUL 11|5.6 × 54|coh-hk|$396/10|重量:+1(15.79g)|算出:+2|香味:+3|

 一時期目が麻痺していたが、久しぶりに手に取るとやはり巻きの美しさは群を抜く。空吸いし、こんな空っぽな風味がどんなになるだろうとしばらく思いに耽る。
 初っぱな草。これも懐かしい。最近懐かしい事ばかり。この手の草から始まるとニカラグアの強さを予期してしまう。
 ……非常に落ち着いたまま、丁寧なコイーバの味が高そうではあるものの、格別美味しいものでもない。
 大分経ち、中盤も終る頃、草っぽい金木犀が吹き出すが、草いきれっぽい。
 それだけ。
 それだけとは何事か。しかし「それだけ」に至るだけでも大変なのですなぁ、と思うような善人が果たして此処で重要であろうか。それでも、これほどの丁寧さはこれ以上望むべくもない。岩も静か。何も喋らない達人が、何も喋らないにもかかわらず時代遅れだったと判明する事があるであろうか。むしろ耄碌味が無く、喋るほどに若い。緘黙した達人の周りで若い奴が勝手に喋っておる。達人は健在なのに、達人より若い輩が達人より耄碌している。この文章こそは既にきっと時代遅れだろう。
 ……美味しいか不味いかといえば総じて普通だった。これほど普通だった物は無い。それなのに普通の普通とは訳が違う。驚きが無いという驚くべき葉巻であるのか、只管穏やかな岩に草が生えている。最終盤で荒れるものの、その荒れが荒れる事もなく、まるで平静に荒れる。
 今が夏だからか、夏を少し忘れさせる物でもあった。昨日のパンチの方が断然良いが、抗いえない不思議な多少の魅力がある。冬にこれならばまた趣が違ったか。夏を忘れさせるほどの冬の魅力なのかもしれない。今日は夏が勝った。結局夏を忘れたくない。なんだか今日は売り物にならない文を書く事に疲れている。売り物になる文を書いて葉巻を買う金を稼ごう。
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