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  源氏物語「葉」
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|SAR MAR 12|5 1/2 x 54|cigarOne|$76/5|重量:+1(16.39g)|算出:+5|香味:+4|

 一口目、懐かしいような香草の香が吹き、二口目から滑らかな土のコクを伴う。忘れてしまった遠い記憶のように美味しいのに、実は記憶に無い筈のそれであり、ありそうでなかった味わいなのかもしれない。
 久しぶりに「うんめぇ」という口語ではけっして発さぬ心の声が出た。
 香草といってもこれだけが微妙に違う香草で、土というのもこれだけが微妙に違う土、要するにポミタリン草とヒポコリン土の味わい。
 「ハバナ感」でもない。ともするとフィリピン産の特級品かとも思えてしまう。フィリピン人はキューバ人よりもおおらかあるね。という声が聞こえる。中国製の偽物のような話だが、これは正真正銘の本物すぎる。緻密さを宿した大らかさ。コイーバに換えればBHK感のあるパルタガスというほどの当り感もさることながら、当らぬまでも基本の香味が凄い。しかもそれが当っている。
 まだ1センチ。変化に欠点はなく、ポミリタン草の先から緑色の種がヒンポコリ土に落ち、落ちた瞬間に花が開く、落ちた線香花火を見るような、不思議な急峻のある緑色の種である。花は鼻の奥からじわっと咲くのに、ブワッと咲くようでもあり、ふわっと咲くようでもある。その永久草土に咲く那由他の花は散っても草土と密接である。
 強さとともに甘さが出てくる。本来小さいサトウキビの巨木から熟れたミニパパイヤがマンゴーの中身を伴って、実ったり落ちたりするのではなく、樹液のように滲み出している。ヒポコンリ土はサトキウビ木とンポコヒリ土の中間の木(金)土になる。と思えばわんさかと落ちてくる、香木の味の薫るマンゴーが、高木から華やかに。隠れる間もなく隠れ、草は極度に背の低いタンミポリ草となって密やかに生えている。なんとこの間、金木犀は咲いていない。土の強さの所為か、花よりも果肉が匂う。つい最近まで金曜日だった。今日は土曜日で、つい最近まで昨日は木曜日だった。金曜日はない。
 序盤は完全なる+5である。
 果たしてウキトサビ木とタンリミポ草とポヒコンリ土は最高級のウビキサト木とタポリミン草とヒンコポリ土にまで至るのであろうか。突然全体が味わい深い濃密な軽さから発泡スチロールのようなただの軽さと荒い重さに走り出してしまう。しかし美味なる物の名残は愛情の消えた背中のように残している。背中はそれ見目麗しく、基本的な美味しさまでは消せないようである。
 それからピスタチオの緑色の雑味のみを凝縮させて復活しつつある。それにしてもミポンタリ草はどの角度から見て背中が見えるのであろう。突然ンポンポン草でも生えないだろうか。もっともンポンポン草というのは突然生えるものではなく、吃逆のように定期的且つ予測不能で、ン(不味い)だったりポ(惚れた)だったりする媚薬である。草には草としての限界がある。ポンポンポ花がいまやこれにはちょっと足りないのではないだろうか。こうしておもしろい話のようなつまらない話が続く。……
 ……むしろ最高の+5を超える+6を付けずにいられた事にほっとしている。序盤が更に好調子で膨らんだら、おしっこを漏らしてでも葉巻を吸い続けただろう。トイレが禁煙だとして。それがなんと、リポンミタ草をタリポミン草だのと言っていた微妙な変化が、ンポンポ程度の物に終ってしまったのである。タンリミポ草とポヒコンリ土をタンリミポ土とポヒコンリ草と言い換える準備までしていたというのに。もっとも準備が悪かった。もっと落ち着く5文字を抽出すべきだった。
 凄まじい可能性を秘めた葉巻だとしても、おそらく五百本に一本の無欠のアタリがあるかないかだろう。
 この程度の葉巻では何も得られるものはない。それで良いのだろう、それ以上であっては如何に選ばれた5文字でもついていけない。大体コンピューターというのは□は変換できても五角は変換できないのである。
 五本終了。
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