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  源氏物語「葉」
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|7" x 48|seriouscigars|$226.95/8|重量:+1(15.93g)|算出:+5|香味:+4|

 三ヶ月経ったので落ち着いただろう、と思って2本目に火をつけると残6本。いつもの調子で三ヶ月だの六ヶ月だのとやっていると最終的に2本足りなくなる。
 ダビドフにしては土っぽいコクが目立つ、非常に柔らかい高品質の漉したような土。土に湿り気がなくさらさらとしているが、上空を舞う事なく、どことなくしっとりとして、土なのでコクがある。前回はクラシック寄りの感覚だったのだが、この土はアヴォ寄りかもしれない。
 その土にレンゲの蜂蜜のような、アカシアの蜂蜜に比べて若干煩いような草っぽい香があり、土をほんのりと湿らせている。どちらかといえば嫌な緑と黄で、甘さが薄い蜜のように垂れてくるとかえって蜂蜜を忘れたような心地よい花が咲く。
 草はしぶとい。それから灰を思わせるケムリが生き生きとしてくる、灰が生きてもらっては困るのだが、灰が生き生きとしている。
 優しそうで優しくないところはクラシック以外のダビドフに通じている。土から徐々に松茸が生え始める。松茸は筍のように立派に育ったりはしないのだが、竹薮の香に似てもいる。蚊に食われそうな怖さがある。美味しいが、優しくない。
 ふと松尾芭蕉を想う。芭蕉はウナコーワだの虫ペールだのの無い時代の人物で、古人の不思議な智慧で虫を除けはしたかもしれないが、それ以上に蚊のいる処が好きだった人であり、現代人の百倍は蚊に喰われた事がありそうなのに、一言も蚊に喰われたなどという愚痴を零さない人物である。というのも私はゴールデンウィーク開けに芭蕉庵を訪れて、今年一番の蚊に喰われたのだった。庵内の竹薮に時節にあるまじき薮蚊が沢山飛んでいるのを見て、風流そっちのけで退散したのである。まるで虫が人ペールを纏ったかのようだった。
 想い出を周遊しているとふとこの葉巻から素朴な煙が燻り立つ。久方ぶりに和室で寝転んだかのような。それでいて和室の壁は焦茶色の古びた木材である。それらに夏の蒸した感覚もある。今宵は涼しく、明らかに十二時間前の夏日に影響されたのではない感覚であり、ケムリ自体がその雰囲気の味、夏を俟たない夏の味である。日本の夏に比べるとやや乾いた夏。
 惚けていつの間にか終盤に至り、気付けばつくづく感傷的な味わいである。それから粘土(乾いた粘土)っぽくなったり、緑色の雑草が消えたり、花が退廃的に咲き誇ったり、土が完全に木を育てたりして、葉巻よりも吸っている人のほうが消え入りそうである。
 始終日本酒を呑んでいた。べつに日本酒が合うという事はない。
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