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  源氏物語「葉」
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|5 3/4'" x 52|seriouscigars|$21.50|重量:+2(19.30g)|算出:−1|香味:+1|

 産毛もブルームも無い爽やかなラッパーである。持つとむっちりしっとりとして重い。シグロ6とほぼ同サイズだが、重量を量るとシグロ6では考えられない重量である。どうしてこうダビドフのリミテッドは重いのだろう。着火前の香はいつものダビドフというか、クラシックのように純粋な感じがする。ホワイトエディションという名のように、白くて優しい味わいなのだと思う。

 着火するとやはりいつものクラシックに一番近いと思う。あまりにも純粋なダビドフで、ダビドフ味しかなく、他のブランドが真似しえない香り。少し経つと、少しひねりを効かせた香味が出てくる。それは純粋なダビドフから乖離して平凡な葉巻に近づく事を一面では意味してしまうのである。ダビドフである以前に葉巻なのだから仕方がない。
 草や木が出て、黄色い木がアニベルサリオのようだが、もっと木質は優しい。
 吸い込みは悪くはないが、さすがに進みが遅く、ロブストを一回り大きくしたぐらいの計算で手に取ると眠る時間が無くなりそうである。
 強くなっていくのかなと思っていると、スッと強さが消えて、洋菓子の風味が出る。これほど柔らかく軽い洋菓子ははじめてだ。ずっとこのままならばと思うと、これは長続きせず、樹液や草の汁がしみ出す。再び軽くなり、樹液や草の汁の染みがオブラートでくるんだ金木犀のように香り出す。湯葉で包んだ金木犀のようなクリーミーさも出てくる。しかしこの葉巻がこのように優しく落ち着くのは稀である。辛味がほとんどいつも微かにチクチクと刺す。時計の秒針を破壊したくなるような衝動はドローの所為でもあるのだろう。重量に湿度が溜まってくるような気がしてならない。もっとすんなりと燃えてほしいと思うのである。
 微かにつんとした化粧を感じるが、全体的にクラシック寄りだと思う。
 灰は白く軽やかで、持ちが良くも、叩けば綺麗に落ちる、理想的な灰である。
 それにしても進みが遅い。湿気が溜まるというより、今度は乾いてきている。咽が渇いてきているのである。しかしこれ以上はもう酒を飲めない。雑味があるので飲物が必要なのに。
 お茶を飲み始めた。あまり関係ないが、カルヴァドスと中国茶は相性が良いのではないかと思う。
 残7センチでダウン。軽いのに負けた。

Wrapper : Dominican Origin : Dominican Republic
Binder : Peruvian Filler : Dominican
バインダーのペルーがどんな味を示しているのかわからない。

 後記:酒にも葉巻にも負けて眠ったのだが、睡眠中に酔いが醒め、約4時間後、半睡状態で残7センチが美味しい夢の論理を2時間も見続けさせられた。こんなにたくさん葉巻の夢を見たのははじめてで、葉巻ではない何かの論理の秘密にシンクロしているようだった。何だったのだろうというより、起きれば何だったのだろうという羽目に陥る事を知っていて、必死にそれを書き留める夢だった。
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