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  源氏物語「葉」
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|LOE JUN 12|4 3/8 × 40|coh-hk|$176/25|重量:-1(8.85g)|算出:+4|香味:+3|

 重量過多で案の定吸い込みが悪い。一本目同様ややトルペド状に巻かれている。この葉巻はリンゲージが精確に40ならば7g前後が適正だと思う。小さければ小さいほど微妙な重量の差が大きく出るだろう。またトルペドではない物がトルペド状に巻かれるというのはいかにもパツンパツンの証拠で、ヘッドが詰まっているだろうと見当を付け、初めてヘッドに火を点けた。これで後半はスムーズにゆくはず。
 いずれにつけても味自体はかなり安定した葉巻である。ステーキソースのようなこってりした物とパンのような軽い物との組み合わせで、肉はない。それが味覚によってはチョコにもエスプレッソにも感じられる。時々ガラムマサラのように思えなくもない瞬間がある。それにしてもおいしいパンで、菓子パンではないのにカスタードの味がしたりする。そのカスタードの風味にこそコイーバの岩の滋味が染みている。まったくこんなにおいしいパンを誰が何処で焼いたのかわからない、実際にこんなパンは誰も焼いていないのである。
 これは案外朝食に適した葉巻なのかもしれない(日本人がパンを食べるといったら大抵朝食だろうから)。何と深い朝食だろう! まったく夕食のように深い朝で、西洋の夕食が偲ばれる。なんて朝のように軽い夕食なのだろう!
 甘さが加わるとやはり苺ジャムを思い出してくるのである。というより、苺はともかく、甘さが本当にジャムに近いほど甘い。マデューロらしくやや煮詰め過ぎて少し焦げた苺ジャムで、これで草がもう少し乗ってくるといかにも植物性の苺ジャムなのである。苺ジャムに草の味がするわけもないし、苺の蔕までジャムにするわけはないのだが。
 逆さに吸っても逆さに因するような味の違いは感じられない。フットの糊が剥がれるという事もない。但しラッパーはヘッドから多少緩んでくる。ヘッド着火は、確かに吸い込みも段々よくなるし、フィラーをほじくり回すよりはスマートな方法ではないかと思う。しかしながら、終盤に向かうにつれ煙の威力が強くなりすぎるような気もする。葉巻には元々フィルターはないが、ノンフィルター葉巻というような感覚である。もっともこれが逆さに因る現象なのかというと首を傾げざるをえない。そこで突然優しい味わいが訪れたりもする。いずれにしても「葉巻とは美味しい物だなぁ」としみじみ思う新鮮な美味しさなのである。
 この美味しさは不安定の賜物なのかもしれない。不安定をこれまで一度も美味しく思った事はなかったのに、まさに逆さの結果になった。素材が悪ければどうしようもないが、素材が良ければ巻く人の偶然に左右され、(ちゃらんぽらんで気分屋で下手な)それを支配する方法が一つあるという事はたぶん良い事である。原型がトルペドならばもっと違いを楽しめるかもしれない。
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