忍者ブログ

  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

|MES AGO 11|6.5 × 56|cigarOne|$508/10|重量:+2(19.41g)|算出:+4|香味:+4|

 真新しい小さい草がちろちろとはえている。コイーバの不穏が、この小さい草を含めて一口で感じられる。
 大らかな波のように一口一口が押し寄せ、波が崩れないまま去っていく。
 非常に大きい岩、瑪瑙のように磨かれた、滑らかな肌の茶色い岩。
 乳のように滑らかで、しかし乳のしつこさはなく、非常に甘いが、瑪瑙の素材そのものの甘さである。非常に甘いといっても蕎麦が非常に甘いというのと似て、砂糖などに比べるとまるで甘くない。
 未だにちろちろとしかしない草は金木犀の花を一粒ずつ点けたり消したりしている。
 はっきりと花が咲き始めると、波を乗り急ぎたくなる。だが花は消えるのである。
 非常にゆっくりと、しかしはっきりと波が濃くなる。此処で甘さは素材を離れ、砂糖を加えるようになる。と突然、綿の花が爆発するのである。
 爆発はしない。しかし綿のようで、ダビドフ・クラシックの当りのような羽毛の恍惚感が一瞬掠った。
 体躯に負けない大らかさと厚みはラフマニノフ/ピアノコンチェルト2番の出だしが永久に続くかのようである。もっとも展開部を俟たずして葉巻の花は咲くのであり、展開部もが最初の律動に併呑されたまま進む。ラフマニノフももしやこの併呑をこそ、この併呑の一瞬の連続をこそ表出したかったのかもしれないが、残念ながら音楽は時間に解体され初期の律動は後の花に沈潜してしまう。もっとも「一瞬に全てが宿る」かのように宣ったこの葉巻文芸も音楽を共犯として葉巻に導き入れたのでしかない。また勿論この葉巻は影と日向が逆である。ラフマニノフでは日向色の花が翳る。茶色は翳りある色だが、葉巻は日向の影の色である。
 細い物の変化はしない、あくまでも大らかに、変化を覆い隠している。これは要するに、基本的な美味しさの分厚さで、純粋にコイーバの味しかしない。
 序盤では草から金木犀がBHK52のように大仰に、56なのでそれが更に大仰に吹き出すかと思われたが、そうではなかった。金木犀もあまり咲かない。

 今は夜で、今日はたまたま昼にコイーバのロブストをも嗜んでいて、ややハズレではあったのだが、あまり時間をおかずに比べてみると、コイーバのコイーバたる特質に於いて圧倒的にBHKの方が品質が上で、瑪瑙の岩が確かである。全く以てコイーバであり、その他の風味は一切無いとしてしまいたくなる。
 6000円(日本価格)とか$75(cigarOne(値上げした))の表記を見ると吃驚するが、実際の購入価格$508/10(4500円ぐらい)は簡単に腑に落ちる。しかしながら、ブックとか、より限定的な葉巻はどんな味がするのだろう、気になる。
PR

忍者ブログ [PR]