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  源氏物語「葉」
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|GKI NOV 04|4.9 x 50|coh-hk|($98/5→$0)|重量:+0(11.15g)|算出:+7|香味:+5|

モンテ  13.12g
オヨー  13.86g
コイバ  12.06g
パルタ  12.77g
ロメオ  11.15g
 ロメオというブランドはわざと緩く巻いているように思えなくもない。ショートチャーチルを量っても12.00gどころか11.00gを上った事がない。ロブストを巻くのはたぶん中級ローラーだから、中級にそのような芸当ができればだが、初級でもできるかもしれないし、それは馬鹿な事で、そんな馬鹿な事をする人はいないかもしれない。でも、馬鹿ではないと思う。ロメオは吸い込みが軽くなくてはならないのかもしれない。
 ビニールの梱包に因って照ラ照ラした赤褐色のようなラッパーが先ず目を引き、着火すると昨日のパルタガスの嫌な重々しさと似た香味であるのにどことなく軽やかである。1センチも進むと重さは消える。まさにロメオ特有のフルーツの甘さが充実してくるが早いかカスタードが加わると伝説のポポーという果物はこんな味わいかと思う。ポポーと云う果実は最近テレビで知ったのだが、「森のアイスクリーム」とも云われ、昔は八百屋で売っていたそうだが今や売られず、ほぼこのように伝説と化し、食べたい人は自家栽培しなければならない。葉巻は木の葉のようなものでもあるから、ロメオはポポーに近いと思う。
 でもロメオは箱で買うと飽きやすいブランドである。だからこういうセレクションボックスに入っていても一番不味そうで後回しにしてしまったが、一本だと一本以上に美味しく感じるのである。
 食した事なきあまりのポポー感ゆえ、新鮮すぎて、八年の熟成で枯れたなどという感じはまったくせず、むしろ実った、もともと幽かに枯れた味わいのものが今頃実った。マンゴーは香木の味わいがするが、このポポーはそんなに抹香臭くもない。まさに食べ頃なのである。
 ただ、この特殊な果実感をもってしてもコイーバとモンテクリストの双璧には太刀打ちできないようではある。だがここまで結実すると流石の双璧も揺らぐ。終盤近くなると果実に花が揺らぐのである。その揺らぎに双璧が揺らぐ。ハバナでは珍しいダビドフ状の恍惚感である。
 根元まで雑味も荒さもなく、空気を吸っているような底知れぬ安心感で、只管軽やかで充実して美味しかった。これ以上のものは私の想像力ではロメオにはもう期待しえない。
 オヨーもかなり出来が良かったが、双璧を揺らがせるほどではなかった。オヨーよりも双璧の方が出来が悪かったとしても。

 どうも季節外にて半額で購入したボジョレーヴィラージュも気付かないようなポリフォニーの美味を奏しているらしい。
 予想以上に嬉し美味しい小箱だった。売れ残ってくれて有り難い。余裕ができればもうひと箱購入したい。それからピラミデを二箱。こういう小箱は女性的でおもしろい。ロメオが五本でも良いが、五本では不味くなるかもしれず、三本が良い。ロメオ三本、コイーバ一本、モンテ一本。しかし此処にこそパルタガスとオヨーの効力が陰ながら効いてくるのだと思う。そう思うと陰の美味しさも確かに捨て難かった。
 ロメオだけ薬箱のような感じがほとんどなく、幽かにしかなかった。
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