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6 × 52|AtlanticCigar|$8.55|+4|+3
今朝突然湿度が80%台になっていたので、ヒュミドールの蓋に少し隙間を作って出掛け、夜に帰ってから点検したら、隙間も虚しく依然湿度は80%台だったが、どの葉巻も丁度良い手触りだと感じられた。手触りが良ければ良いというものでもないというか、70%前後で手触りが良いと感じられるように触覚を矯正しなければならないのだが、この1本を手にしたらベトベトしていることに気付き、気付けば途端にこれ1本だけが非常に重く、水浸しの過加湿かと思って吃驚した。ヒュミドールにもこの葉巻の下にだけ染みが移っている。その後すぐに湿度を70%に戻したけれど、同じ1992のトルペドやシックスティはこんなに時化ていなかったような。でもたぶん過加湿の所為で重いのではない。パドロン1964モナルカの隣で寝ていたが、同様の水害を蒙ったパドロンはじめじめしておらず、持った感じも軽くて、高級藁半紙の風合いをより高級に保っていた。
水害でもないのに馬鹿げているが、乾いている物を執拗に乾かすようにしてほぼ十日後に火を点けた。ライト。この軽さは異常かもしれない、紙巻きと同じ吸い方が平然とできてしまう、しかもダビドフワンに同程度の軽さである。過日の過加湿でやられたのだろうか。燃えても未だにラッパーにしとしとした感触がある。べとべととは感じられなくなった。
土の味わいも薔薇を育てたくなるような湿った土で、薔薇といっても薔薇の花より茎の香がする気がする。刺すような香りがあるが、軽さの為か棘も優しい。香味からはライトという感じが漂っていない。引き付ける香りがしっかりとある。スパイスが不思議で、稀少だった時代の胡椒を思い出す。少しずつほくほくした感じが出てきて、雨上がりの日向に干した丸太が転がってくる。丸太ですか、と問うと、違う、と答える。丸太のような馬鹿げた木の味はない。刺激的でもあるのにそこはかとなく滑らか。刺激が雑味ではないのだろう。他のサイズ(トルペド、シックスティ)の1992はこんな軽くなかったはずだが、吸口が細かったり太かったりして気付かなかっただけかもしれない。どことなく美味しく、魅力的で、千夜一夜物語のような異国の感じが薫っている。併せた清酒まで異国味が出て、片燃えもなくずっとしとしとしている。葉巻本体も煙もしとしとしている。異国の見知らぬ作法を見てそれが品の良さだと判ってしまうような夢に似ている。甘さも異国の和三盆をほんの少し振りかけたふうで、砂糖を葉に振りかけるともいえず、砂糖どころか葉を吸うというよりも香味を吸っている。甘くはない。唇が熱くて吸えなくなるまで軽かった。短編小説ぐらいの喫煙時間だが、意識が完結するそれよりも遥かに長い。
恍惚とも違うし葉巻っぽさとも違う。ニコチン酔いなど明々後日の話だが、葉巻を吸ったという満足感からも遠離っている。一年に一回で良いと思えてしまうぐらい、寝かせ易い静かさがあった。読み終えた本のように埃を着せたくなる。五十年ぐらい寝かせて、老人となってから思い出したい。
冬に梅雨を思う時に最適なようで、実際の梅雨は暑すぎてじめじめとしているが、これを冬に吸っていると本当の梅雨を忘れてしまい、梅雨が恰も爽やかな季節に感じられる。今が寒い冬なので、思いは秋雨ではないらしい。
今朝突然湿度が80%台になっていたので、ヒュミドールの蓋に少し隙間を作って出掛け、夜に帰ってから点検したら、隙間も虚しく依然湿度は80%台だったが、どの葉巻も丁度良い手触りだと感じられた。手触りが良ければ良いというものでもないというか、70%前後で手触りが良いと感じられるように触覚を矯正しなければならないのだが、この1本を手にしたらベトベトしていることに気付き、気付けば途端にこれ1本だけが非常に重く、水浸しの過加湿かと思って吃驚した。ヒュミドールにもこの葉巻の下にだけ染みが移っている。その後すぐに湿度を70%に戻したけれど、同じ1992のトルペドやシックスティはこんなに時化ていなかったような。でもたぶん過加湿の所為で重いのではない。パドロン1964モナルカの隣で寝ていたが、同様の水害を蒙ったパドロンはじめじめしておらず、持った感じも軽くて、高級藁半紙の風合いをより高級に保っていた。
水害でもないのに馬鹿げているが、乾いている物を執拗に乾かすようにしてほぼ十日後に火を点けた。ライト。この軽さは異常かもしれない、紙巻きと同じ吸い方が平然とできてしまう、しかもダビドフワンに同程度の軽さである。過日の過加湿でやられたのだろうか。燃えても未だにラッパーにしとしとした感触がある。べとべととは感じられなくなった。
土の味わいも薔薇を育てたくなるような湿った土で、薔薇といっても薔薇の花より茎の香がする気がする。刺すような香りがあるが、軽さの為か棘も優しい。香味からはライトという感じが漂っていない。引き付ける香りがしっかりとある。スパイスが不思議で、稀少だった時代の胡椒を思い出す。少しずつほくほくした感じが出てきて、雨上がりの日向に干した丸太が転がってくる。丸太ですか、と問うと、違う、と答える。丸太のような馬鹿げた木の味はない。刺激的でもあるのにそこはかとなく滑らか。刺激が雑味ではないのだろう。他のサイズ(トルペド、シックスティ)の1992はこんな軽くなかったはずだが、吸口が細かったり太かったりして気付かなかっただけかもしれない。どことなく美味しく、魅力的で、千夜一夜物語のような異国の感じが薫っている。併せた清酒まで異国味が出て、片燃えもなくずっとしとしとしている。葉巻本体も煙もしとしとしている。異国の見知らぬ作法を見てそれが品の良さだと判ってしまうような夢に似ている。甘さも異国の和三盆をほんの少し振りかけたふうで、砂糖を葉に振りかけるともいえず、砂糖どころか葉を吸うというよりも香味を吸っている。甘くはない。唇が熱くて吸えなくなるまで軽かった。短編小説ぐらいの喫煙時間だが、意識が完結するそれよりも遥かに長い。
恍惚とも違うし葉巻っぽさとも違う。ニコチン酔いなど明々後日の話だが、葉巻を吸ったという満足感からも遠離っている。一年に一回で良いと思えてしまうぐらい、寝かせ易い静かさがあった。読み終えた本のように埃を着せたくなる。五十年ぐらい寝かせて、老人となってから思い出したい。
冬に梅雨を思う時に最適なようで、実際の梅雨は暑すぎてじめじめとしているが、これを冬に吸っていると本当の梅雨を忘れてしまい、梅雨が恰も爽やかな季節に感じられる。今が寒い冬なので、思いは秋雨ではないらしい。
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