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  源氏物語「葉」
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|SAR MAR 12|5 1/2 x 54|cigarOne|$76/5|重量:+1(16.17g)|算出:+3|香味:+3|

 初っ端から何かほかほかな芋のような味わいが薄らと口の中で膨らむ。その口の中に少しずつ花弁を入れられて、砂糖の粒も一粒ずつ入れられて、なんだか口をぽかんと開けているだけで味が増えていくような自動的な心地よさである。葉巻が太いというのがその原因かもしれない。久しぶりにパルタガスのパルタガの字まで感じる、それも一等穏やかに。
 序盤をすぎるとパルタガだった味わいがパルぐらいに短くなった。
 「何やってんの?」
 「パルッテル」。
 「蛍光灯がクルッテル?」。
 「そうなんだ、ああ唄い出したくなるようなんだよ」。
 「口にサイレンサーでも付けておいたほうがいいよ」。
 私は漸くの思いでサイレンサーを取り外した。雑味の喧しいトンネルを抜けるとそこはパルタだった。そのデルタ地帯には花のような香のワインがワルツのように流れ、私は鶴羽(ツルワ)を畳んだ鶴の気分で三角関係を感じたのだった。四から二へ、二から三へ満つる三角関係であった。それにしても三角の何処が魅力なのだろう。デジタル臭い四角四面のほうがまだ心地よい気がしなくなかった。
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