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  源氏物語「葉」
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4 1/2 × 46|Milan Tobacconists|$14.00|+4|+3|

 大したことないかな、メーカー名が余計においしく感じさせているかなとも思ってみるのだが、いつのまにか引き込まれて、どうして何がこんなに旨いのだろうという疑問にかわっている。あまり似ていないが焙煎中のコーヒー豆。特別特徴があるわけではない。何かに過保護に包まれている。吸うときに火種が赤ではなく黄色く光っているのがちらりと見えた。鼻には少しだけ凍みる、でも柔らかい。飴色に揚げた薩摩芋のコロッケの、決して食さない香、煙というより何かの湯気のような、コロッケを薫製にしたような。そうではなく、思い出に引っ掛かる香味があるのだが思い出せない。それがときたま強く香る。と思っていたら、中盤以降、その味にガラリとかわってきた。この味は絵の具だ。 絵の具のかおりに色はないが、火種の黄色のような暖色だった。絵具に加えて、湯のような香りがあるのである。温泉ではなく、薬缶のような。温かい絵具など嗅いだ事がないから思い出しにくかった。また、桜餅を巻く葉のようにコロッケを巻く葉のような、シナモンと山椒の中間のようなスパイスが始終あるが、再終盤でそれが強まって原型を崩さないままおわる。
 このマデューロは製造数が少なそうだけれど、確かにクラシックやミレニアムのほうがよりおいしい。製造数の少ないもののほうをプレミアムにしてしまうメーカーとは異なっている。おいしいものこそたくさん作ってくれたほうが有り難いのに。かえって有り難みが失われるなんてことは馬鹿にしかわからない方便だろう。勿論、これの有り難みは失われているのだが、失われた有り難みのような味わいがあるのである。

 コイーバのエクスクイジトスと同じ点数だけれど、600円〜1300円という大雑把な枠組みのせいで、1300円に近いこれよりも600円に近いコイーバの方が価格では断然有り難い(これは|+3|+3|に近く、コイーバは|+5|+3|に近い)。それに、14ドルも出せばNo.2が買えてしまう。そもそもコイーバのエクスクイジトスと比べるのに丁度良いのはダビドフNo.3だから、ダビドフNo.3が|+5|+3|になりそうな期待がある。このようにもう二度とこれを買う事がないとしても、記憶に残る経験だった。これと一緒にDavidoff maduro Robustoも1本だけ買ってある。しばらくあっためておこう。

 Milan Tobacconistsはカートに商品を入れる度に送料が上がったりして怖いが、届く状態が非常に良いように思える。梱包は、1本ずつ包まれた上、絶妙な保湿剤が入り、それらを大袋で包んである。当たり前なような気がするが、これをなかなかやってくれない店舗は多い。段ボールにきっちり詰って、緩衝剤は入っていない。
 これまで酷いカッターばかり掴まされていて、安物買いの銭失いどころか割と高いモノを買ってもまともにカットできたためしがなかったのだが、『Montecristo Signature Double Guillotine Cutter』を購入して、15.95ドルの最良の切れ味かと思った。「sharp double cut from blades crafted of the finest Japanese steel」
という文言に惹かれて正解だった。本当は関とか堺とかの包丁で切りたいけれど。

 全然関係ないけれど、物欲はきりがなく、ダビドフのシガーシザーはジノのシザーに落とすとして、ここの灰皿欲しい()。ボーンチャイナの1本用と2本用の青い硝子。道具を揃えたくさせるような味だったのかもしれない、絵具を揃えるような。
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