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  源氏物語「葉」
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|UBE SEP 11|4 4/5 x 50|coh-hk|$62.90/10|重量:0( 10.97g)|算出:+5|香味:+3|

新緑が風に散るような甘い葉の香ばしさが、ひっくり返した珍陀の澱のように浮き、液状の甘味も山本山のようにまだ浮き、まだ澱は甘味を邪魔しないのだった。俄に粘土質の粘りつく匂いを嗅ぎ取ると、白地に赤地をかさね文字を白く透かし彫りにしたその文字を蔑ろにし、文字を囲う点綴の金襴に人手で巣を移植された蜜蜂のように目を止まらせ、無花果の果皮と粘りつく果肉と種子を思うのだった。甘味はグリセリンの跡だになく、水に溶いた砂糖よりも純の砂糖のようで、味気ないはずの甘やかさが、さらさらと細波もなく蓮池に舫う廃舟の感情を満たすのである。舟が、あるいはこの感情がどこから池に来たのか知られぬ。池は砂糖水のように淀みなく甘そうに澄明に空を映して静まりかえっている。蓮花が無花果の傾いだ重みにたわみ、眠気を冷ましもし呼びもする雑味を誇って頬のうちに触れる。夢も物語もない、つまりつまらないとりとめのないもの、したがって永久に続くもの、つまらないので続いて欲しからぬもの、すわぶらせ、終わりのあるものを煙は煙たい人に強いたのである。
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