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  源氏物語「葉」
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|UBE SEP 11|4 4/5 x 50|coh-hk|$62.90/10|重量:0( 10.96g)|算出:+3|香味:+2|

 このサイズの重量は10.96gで好適らしい。好適の内の下限か。吸い込みさえ良ければ上限はないが、10.90〜12.10gぐらいが適当だと思う。
 前回よりも雑味が多いが、大体同じもの。甘さが弱い分、フルーツも充溢しない。葉の感じはあり、ロメオの葉の感じはこれはこれで独特だと思う。薄味なのにしっかりしているというか、けっして醤油が濃くて出汁が薄い関東と出汁が濃くて醤油が薄い関西とに喩えられない。出汁と醤油という二種の比率ではなく、一種の葉がまるで関西風なのである。出汁の味がするという意味でなく。(「出汁」という記述は日本の葉巻レビューでよく見るけれど、私は気分に固執するあまり、葉巻に鰹を見たくないらしい。)こんな括弧事を書いていたら雑味がまるで下手な出汁の雑味のように感じられてきた(出汁を採った後の鰹を噛んだようだ)が、そこを花が救ってくれた。
 関西というのは水々しいという事なのかもしれない。水々しい葉の感じがフルーツ感を増幅するのかもしれない。とはいえ新緑が水々しいのではなく枯葉が水々しいのだからなんとも言葉の選び方に窮するのである。しかもその水々しさは薄さをも意味し、かといって薄くはなくしっかりしている。こうも面倒になると、吉田健一に葉巻の批評をやらせたら良いと思う。死人に口無しだから、偉そうに命令できるが、あの文体は確かに煙い。煙たさの中にしか鮮やかさがない。それよりも、たとえば金沢を葉巻に近づけてしまった吉田健一よりも、葉巻を金沢に近づけてしまった吉田健一を読みたいのである。
 花がフルーツを呼ぶ。木から花が咲くのは納得できるが、花からフルーツが咲くのはなぜか納得できない。生きた植物ならそれこそ納得どころか当然であるのに、葉巻は死物なのか、花からフルーツが納得できず、その納得できない感が美味しい。花がフルーツになる葉巻は実に美味しくて珍か。
 ロメオには旨味がないが、ロメオは旨味の欠如を感じさせない。フルーツだから芋やナッツは不要なのである。こんな事を書いているとミルクっぽい旨味が香る。
 ワイン用の葡萄品種でいうとピノノワールのような物だろうか。何本飲んでもワインをほとんど知らない私は「フルボディ」と書かれたピノノワールに何度騙された事か。ピノノワールは全部「ライトボディ」という表記にしてほしい。騙し屋のピノノワールにしても最近憶えたのである。
 今日も、ピノノワールではないが、それに似たワイン(シャトー・カロン・サンジョルジュ・サンテミリオン 2007)に騙された。フルボディと書かれていたのに、ピノノワール的な軽やかさなのである(ピノノワールとは書かれていなかった)。ロメオに似ているワインがロメオに合うというわけでもない。単体で美味しい物同士を合わせてこその相性なのか。できれば葉巻単独で味わいたいが、雑味がある場合などは特に水では役不足で、美味しければ美味しいほど美味しい飲み物が欲しくなる。
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