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  源氏物語「葉」
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|BRU SEP 10|6 2/5 x 42|coh-hk|$184.50/25|重量:+1(13.53)|算出:+4|香味:+3|

 ロンズデールにして13.53gの重量過多、前回のダリア13.93g以上の固さだけれど、最近パイプを真面目に喫んでいるので、パイプと同じ扱いをすれば固さも災難には感じない。葉巻工場は『ドロー測定器』で測定するより単純な『重量計』で測定した方が早いのではないかと思うけれど、パイプの経験はこんな助言など捨ててしまうほど葉巻に於いて実に寛容で小さい。
 固く詰っているだけに味も濃い気がするし、スプーン一杯の煙を啜る感じがクールといえばクールである。一体に三時間も持ちそうなこそばゆさがある。
 こうやってちょろちょろやっていると、葉には、ハバナ葉らしさの内にも、熟成バージニアのような熟成感と甘味とを感じてしまう。チョコで湿らせたような、塩昆布から塩を抜いたような、湿った旨味である。熟れを感じながらも、やはりこの葉巻はベガスロバイナらしく揮発性の樹が出易い。「揮発性の樹」は一体に褒め言葉ではない。ベガスロバイナを美味しく感じる時にはこの揮発性が収まり、もっとホコホコとしてくるのである。地下鉄から地上に出た際の銀座の歩行者天国の足音を思い出した。
 なにはともあれ何でこんなに巻きが窮屈なのだろう。真面目にパイプをやっていなかったら、吃驚して二つ折りしてしまうところである。多少ストレスは残るものの、お固いキューバシガーをやる人は絶対にパイプに馴れておいた方が良いらしい。

 葉巻では紙巻の消費量は減らなかったが、パイプ煙草を買い込んでからは紙巻の量が減った。
 葉巻の直後に紙巻を吸っても多少紙臭いぐらいで特別不味くなかったが、パイプ煙草の直後に紙巻を吸うと紙臭いというより葉自体を不味く感じる。

 思惑どおり、パイプを噛む時には煙に巻かれはせず、別の事に集中できている。パイプの事を考えるのも、葉巻の時なのである。
 パイプがつまらないかというとそうではなく、音楽とか煙とか風邪とかが備える神的な惹起をうまい具合に引き離している物だと思う。煙にして煙の対極である。
 何事に集中したいのかといえば、パイプと葉巻の中間の事に集中したかった。何故というに、其処にノーベル文学賞と一億円が見えるからである。取ろうと思って取れるなら、取らない手はない。これこそ半ば煙たい事なのである。

 結局二時間で了。遅いからといって火種が凹む事も無く、固ければ固いほど火種は凸に成り易い。根っからのクールスモーカーなら三時間に伸ばせたのかもしれない。しかしその三時間はノーベル賞からかけ離れた三時間なのである。つまり1時間得して、1時間損した。パイプは長ければ長いほどノーベル賞に近いのであるが。


 だがまだ四センチ残っている。ナッツが目立ってきて、これまで香らなかった花も咲いた。最終盤に至って極上である。最終盤に特有の雑味もあまり乗らず、まるでモンテクリストの序盤のような色濃くクッキリとした爽やかさ。ただ火種の近さが熱い。固いモノ特有の出来事なのかもしれない。
 最後の葉巻らしい美味しさがパイプを根絶やしにしそうだが、残二センチを切り刻んでパイプに詰めてみたのである。今までは切り刻まずにそのまま煙突のようにパイプに嵌めただけだったが。
 これが、恐ろしいほど辛く、火が点きにくく、不味い。
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