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  源氏物語「葉」
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|4 1/2 x 38|NextCigar|$11.80|重量:−1|算出:+6|香味:+4|

 粉挽きの、静穏に煎られた木のコクに始まる。新鮮白木の芳香などはなく、金属音なども全くせず、濃さが地層のように深い。遠くで寝かせた土というか、それが純粋で、表面的で、化石などが出土しない。すぐに甘さが加わり、ピリピリした辛味が加わり、白いコク(乳ではなくラムネのような)が加わり、香水が加わる。白いコクとピリピリした辛味でニッキ飴が閃き、香水と木のコクで初見に特有のまどろみが齎される。他のダビドフとは別の味で、初めてダビドフを嗅いだ時の揺らぎが再燃する。初見の感動を再現するには同じ物を二度求めるのではなくダビドフがまったく別の物を作れば良かったのである。
 ニッキ飴の辛いシナモンはかなり効いていて衰えない。香水は消え、基本的な木土の質は残る。これがこのシリーズの特徴なのか。
 序盤1センチでめくるめき、中盤は少しつまらなくなる。と思う頃に花が咲き始める。花が咲き、しばらく経つと香りが強烈な甘さを伴うようになる。ここでこそスパイスが際立ち、ニッキが胡椒を粉黛する。最終盤では粘土臭さ(ダビドフマデューロに似た)を掘り当て、粘土らしく金属音はしない。
 煙は軽い(終盤でもタール20ミリ以下の煙草ぐらいの軽さ)のに味は濃い。灰は非常に脆い。
 小さい為か急いで変化するところがまことにミニマムらしくて可愛い。小は大をそのまま小さくしなければならぬ、という巻き手の拘りを勝手に読んでしまう。小特有の味がしては駄目なのである。
 私はたぶんダビドフではクラシックシリーズとこのヤマサシリーズを一等好む。クラシックとは全然違うのに、どことなくクラシックに似ている。どことないのに良く似ている。サブライムのリンゲージがそのままNo.1,2だからか。
 プロドロのラッパーはヤマサラッパーと命名されているのだが、どうしてヤマサなのだろう。常日頃醤油を呑むので醤油のようで好感が持てる。
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