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  源氏物語「葉」
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|(ARA SEP02)|235㎜ x 47|COC|($125/5)|重量:+2|算出:+3|香味:+3|

 ボックスコードに確証はないが、というとCOCに失礼かもしれないけれど、信じれば下記五本を10%引きで購入した。
 2 x Sancho Panza Sancho VEL MAY01
 2 x Montecristo 'A' SUA JUN01
 1 x Hoyo Particulares ARA SEP02

 particularesは2002年で終売らしいので信じたくなくても古い物である事に間違いはない。
 香りはほぼ飛んで、洗って干した正露丸の空瓶が転がっている。死んでいるかと思うのだが、着火すると味があるので驚く。
 先ず火薬の香りがピチピチと弾け、同時に新緑と見間違えるほどの新鮮な香りが吹き、オヨーの優しい味わいが追従する。そういうものの通奏低音として葉の苦さが響いている。かなり練れた、コクを感じるほどの苦味で、苦味は強く、音は低い。今までのオヨに足りなかったものがあるらしい。Aサイズらしい不完全燃焼の苦味と紙一重ではある。将又不完全燃焼の苦味と本然の苦味が重なっている。苦味の所為かサンチョスにも似ている。
 正露丸から生えた草のような芳香とオヨそのものである透明で白々した味わいとが中域で戯れている。序盤を過ぎるとこの戯れに花が散る。花は次第に濃くなり、この媼のような翁は衰えを感じさせない。此処まで来るとオヨらしさはあまり感じられなくなっている、わかって吸っているのでそれらしい雰囲気はあるものの。というのもサンチョスと比べればこれは目隠しをしていてもおよそ明らかにホヨーである。だが変化の仕方はサンチョスに酷似している。
 此処まで古い物ははじめてで、年寄りに対して生意気だが、よい歳の取り方だと思う。枯淡にして爽やかで苦い。
 最序盤も捨て難いが、段々華々しく美味しくなってくる。華々とハバナは語感が似ているね。

 全然関係ないが、酒に肴を不要とする私にとって、醤油と山葵が最高の肴らしい。今も醤油を呑んで山葵をつまんでいる。醤油と山葵を付ける何物も無い。実は蒲鉾をつまんでいたのだが、蒲鉾が無くなってしまったのである。飲み物は『奏嵐』という北海道の清酒。他にポールジローやシングルトン12年グレンオードを試したが、この葉巻は飲み物に関係なく淡々と進むらしい。
 それが、シャトードブルイユのカルヴァドスリキュールに替えたらなかなか似合う。枯淡のものにはこういう蜜のように甘いものが腑に落ちるらしい。それにしてもストレートでこんなに美味しいリキュールは他に嗜んだ事がない。梅酒風のカルヴァドスのような。ちなみに梅酒は『木内梅酒』が今までで一番美味しかった。

 最終盤は辛味が出てきて夏の終わりの花火を思い出す。素肌もがさがさとして、寂しくなるところに秋桜が咲いてくれる。この老人は薄らとして根本まで真っ直ぐ衰えなかった。

 coh-hkに在庫が有って、試して美味しかったら箱で買おうと企んでいたのだが、もう無くなってしまったらしい。
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