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  源氏物語「葉」
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|TEB DIC 08|6 2/5 x 54|cigarOne|$218/10|重量:+1|算出:+3|香味:+3|

 三年経つまで吸うつもりはなかったのだが、啓示らしきものがあったので6本目を着火した。
 ややスカスカで煙の量も多い。モンテらしさはあるのだが、キャラメルというよりも麦っぽく、大味で鄙びている。
 キューバ物よりも新世界葉巻が好きというなら別だけれど、先日吸ったNo.1の方が断然キューバっぽいしモンテっぽくて美味しい。こちらの方が半年若いが、若さに因る違いではない。
 太いから大味なのか、半分はそれが理由である気がする。だがこれに懲りずにベーイケは56を買う算段をしている。ロブストはあまり好きではないし、ロブストに毛が生えたような52の方が美味しいとは聞いていても、王者を捜しているのだから仕方がない。
 と、あまり美味しくないので無関係なベーイケの事など書いていたのだが、太いだけに進みが遅く、かなり時間をかけて2センチほど進んだところでビクッとするような美味しい変化が来たのである。「美味しいモンテクリスト」を髣髴とさせるだけなのだが。麦はキャラメルにならずにそのまま、しかし木犀と甘味が濃く乗っている。
 それからすぐ、夏だからではなくココナッツの香りがする。葉巻からココナッツを感じたのはたぶんこれが初めて。(オーパスⅩでタイ風ココナッツカレーというのがあったけれど、こちらはスパイシーさはなくもっと単純に甘くて白いココナッツを思わせる)。すると葉の香ばしさも増す。ココナッツはヤンキーの車に似ているし、特別ココナッツに好感を持っているわけではないが、なんだかかなり美味しい。白髯のサーファーにお勧めというか。
 ブラインドでもモンテとわかりそうなものだし、苦みばしった焦茶色の味もするが、かなり白い印象。一瞬、花の香りが立ち混じると、まろやか杏仁豆腐にも感じられる。苦味が消えてそう感じられるのかもしれない。雑味が消えて更に甘くなっている。これだけ美味しくなるのだったら100ドル上がったってもう一箱買いたいと思う。
 確実にモンテにらしくもモンテではない味で、この白い味をブランド展開するのも難しそうだし、いかにもリミターダという感じがして美味しい。たまたま当たったのか、二年半寝かせる必要があったのかは不明だが、300ドル以下ならもう一箱欲しい。兎に角もう一箱欲しくなる。でも毎年七月に1本消費すれば十分という気がするし、ピークが現在だとすれば数本はただの白髪と化しそう。白髪は白髪で良い懐古にはなるだろうけれど。そもそも次を来年の七月まで待てるかわからない。それに2008はもう買えそうになく、2010を一箱買うか二箱買うかで迷うのが関の山らしい。

 中盤が最高で、終盤は麦が復帰して酸味が増して更に雑味も増してくる。香味も微かに洗剤のようになる。美人のシャンプーのようなものは始終感じない。全部中盤だったら+5だったが、中盤があまりにも短い。中盤がもう少し長ければ+4だった。忘れ難いほど束の間の美味。
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