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  源氏物語「葉」
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|4 x 30|NextCigar|$21.25/10|算出:+3|香味:+2|

 八本吸ってみて最初の一本は美味しかったものの他は不味かったのだが、久しぶりに吸ったら過去九本中一等おいしい。全部これなら文句なくマストアイテムなのだが、単なる当りなのか熟成によるものかわからない。軽々しい木の、しかも木から生えるはずのない松茸の生えた木で、上品な出汁がでて、えぐみも少なく、薄化粧のような甘味と香、程よい辛味が吸いごたえの確かさになってる。クラシックの土よりもドメインは木、それも湿った木で、松茸とも下駄箱ともいわれぬ特殊な風味に甘味がふんだんに乗っている。小さくて複雑すぎて落ち着きがないが、これならダビドフNo.3を忘れられるかもしれない。忘れようとしてかえって思い出すけれど。ガラリとした変化はないが、ほんのりと花が緩やかに濃くなり続けるのもよい。
 他の酒は試す暇がなかったが、カルヴァドスで互いの特徴を消さず、しかもえもいわれぬ芳香を醸して、二つで三種の香がした。熟れた果実のような煙も感じたが、カルヴァドスのせいかもしれない。美味しいセメダインのようでもある。

 なんて面倒な生きものだろう。葉巻が犬だったら「今日は可愛い」「明日は可愛くない」ということもないのに。人が巻いただけのことはある。小さいながらに変化はあって、最終盤では芋のような旨味を感じた。
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