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  源氏物語「葉」
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 蒸篭で蒸したキャラメルのような匂い。
 臍に着火して燻りたつ煙が既に美味しさを物語っている。

 吸うとやや床屋っぽいところがあるが、青い砂糖のような恍惚的な味わい。半分懐かしくて半分新鮮な、落ち着いたハバナっぽさとそわついた美味しさがある。
 最大径に達すると辛味が収まり葉っぽい味わいが整う。味のあるミディアムボディ。
 芋や栗のような味はないがそういうほくほくした味わい。木土革というよりも純朴なハバナっぽさに僅かな青い芳香が乗っている。というとモンテに似てしまうが、これを吸っているとモンテを思い出せなくなってしまう。木犀は風に乗らない甘さがある。終盤は酒母っぽい。小気味良く、どことなく安定感があって安心できるものだった。

 サロモネスとディアデマは試したことがないのだが、その他のクァバより遥かにいい。しかし、クァバらしさなのか、サイズが違うと味が全然違うというか、それぞれの特徴にしても特別艶やかではないので大物を夢想するにも不適切かもしれず、クァバらしさが小体に凝縮されているという感じはしない。
 日常用の美味し過ぎない物の格がある。毎日もう一歩おいしいものをくゆらせたいとすると結局モンテの五番が最適かもと考え込んでしまう。よくわからないが、三箱ぐらい欲しい。形の可愛さに騙されているのだと思う。
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