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  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

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 同11本セット。香木のような、黴臭くないタイプの古人形のような古びた味わい。焦茶色のマデューロだが、チョコなどではなく、深そうな木の味わい。これ見よがしな黒ではなく、経年で黒ずんだ茶色。香木は伽羅ほどではない。私はいつか、金閣寺を燃すように蘭麝待を丸ごと燃したい。ラッパーが至る所で脆く、それさえ繊巧な利点と思えてしまう魅力が醸し出されている。朱の剥げた仏像のように。
 甘味がそこはかとなくある。静かなミディアムボディ。半分日本で作られたような風味に香るような夜の寺、パァッと燃え上がりそうな。片燃えは強め。灰も崩落しそうな歪。こういう比喩の反面、葉巻独特の魅力には欠けるかもしれない。美味しい葉巻によくある小便臭い風味がなくはない。それからトースト。トーストというと葉巻レビューっぽくなる。よく焦げた食パン。苦みは穏やかで、コーヒーやカカオではなくて焦げ。ではなくて、というとレーモン・クノーの文体練習を思い出す。ではなく、といっても意味はなく、焦げは結局はじめから寺を焼くだけなのである。金閣寺や正倉院を焼くほどではない、もっと近所の寺。古いカルヴァドスに似た、深くも案外爽やかな、しかしやはり爽やかでないところがある。爽やかさは焼け跡の爽快さかもしれない。家畜臭はまったくしない。饒舌はたいして美味しくない証拠だけれど。
 最後の最後でベリーを乗っけたチョコのようになる。ベリークリームではなく、カカオ100%に近い。半月が抉られている。
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