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|箱伝不明|5 1/2 × 52|Cigars of Cuba|$186/10|+5|+4|
買ったはいいけれど、他に吸うものもなくてずいぶん消費してしまい、これで七本目。今は少し選べる状態なのだが、大晦日らしいものといったらこれしかなかった(ルシタニアスもあったけれど)。バラツキはあるが、ほぼ毎回ステーキを食している気分になる。焦げ目とソース(野菜と果実と醤油を煮詰めた感じ)はほとんど本物のまま、しかし肉は草か又は肉に添えるクレソンのようでもあり、肉は無くソースと野菜だけで、さらに籠の中にバターの旨味とパンの軽さがある。コイーバらしい岩味もあるのだが、草とステーキソースに霞んでいる。それでも岩が縁の下で悠々と支えているらしく、岩を蔑ろにするようでもあるけれど、コイーバが新しいものを作るとしたらこうなるしかなかっただろうと思わせる迫力がある。ステーキソースの濃厚さは他のブランドが醸し出しても美味しくなさそう。フィラーを見ると凄い模様で、黒、焦茶、茶、黄土、緑、橙、茜……物量投入の色合いがある。
序盤を過ぎると強烈に染みているのにステーキソースよりも軽い木の風味が出てくる。シグロ六のような滑らかさはまったくなく、むしろ軽い雑味がある。灰には灰を売り物にするような頼もしさがあって落ちにくい。ぽろりと落ちてしまったほうが可愛いかもしれないのに。灰が若々しく元気で折れ難いので老練な感じもせず、一度落とすと案外短小な葉巻になってしまう。
終盤になるにつれ膨らんでくる木と木犀、それから干草や糒が意外なのだった。葉巻を超えようとして結局葉巻に落ちざるをえないもどかしさ。「葉巻なのに葉巻」というか。その滑稽さが愉快かもしれない。イカロスのようにマイナスが葉巻らしさに帰着するというか、マイナスが存在しない良さがある。
超葉巻であるかのようなステーキソース味とは裏腹にどこからともなく現れる爽やかさが軽薄なのだが、夜中に吸い終わると翌日まで満足感が残るほどの濃さがある。
完成度は低いと思うのだが、コイーバでしかありえないマデューロの凄みだけで+4にせざるをえない。雑味も剛のものにあっては存在感が薄らいでしまう。薄らいでも煩いものは煩いので、雑味を帳消しにしてしまう不思議な飲み物でもあればよいけれど。どのコイーバよりもコイーバのラムが合う気がする。
どう解釈しても不味い葉巻とは格段の違いがあるけれど、こういう挑戦的なものの一方でロブストの完璧さが際立ってしまう。翌日に残らないキレのよさまでロブストにはあったかと思えてしまう。
チョコはほぼ感じなかったが、ステーキソースにチョコが混じっているかもしれない。端から重厚なので「最終盤」といったようなフィナーレもなく、より軽やかに花が咲いてステーキの重厚さがやや戻ってきて終わる。雑味がスパイスに転化されたようでもあった。
翌日に満足感だけが残るような、時間差のある葉巻。
以下、6本目までの走り書き
3ヶ月も経てば良くも悪くも我家の味に落ち着いてしまうだろう。なんだかコイーバロブストに似てきたような。美味しいが、こうなるとかえってマデューロである事によって足を引っ張っているようにも感じられる。醤油味の薄荷というか。草が芳醇な旨味とともに揮発めいている。飽きがちなしつこさがある。足を引っ張る何ものかがある。
砂糖で出来た沙漠の砂で水の代わりに醤油を与えて育てた草が原料になっている。そういう自然な植物の感じがある。
後半には茎っぽさやそれに酷似した粘土っぽさも出てくる。逆立ちしているような頭に血が上ったような感じ。
コイーバのマデューロだと知らずに吸ったらとんでもなく美味しく感じるかもしれない。単純にマデューロが嫌いというだけの事なのかもしれない。
肉料理を想定して赤ワインを合わせると合わない。
ロブストに飽きた人むけ。
革や土は一切思いつかなかった。
ポルトガルのヴェラス・ロレートという蠟燭専門店で買った蜂蜜の蠟燭とそっくりの香りが火種から漂う。
濃厚だが、あまり飲み物を必要としない不思議な優しさがある。味には特別優しさを感じないが。
変化云々より、凄さ一辺倒。凄さはわかるが纏まっていない。荒くれた美味しさというか、強烈に美味しい事は確かだし、翌日まで旨味が残るのはこの葉巻ぐらいなのだが。何故か軽みまでもある。ロブストにステーキソースを塗ったような。余計に味付けしたような。押しも引きも強い。
1700円の価値は余裕であるなぁ。
セクレトスは「まったくフルーティーではない質朴な赤ワインのタンニンの美味しさ」といった感じがあった。ヘニオスには苺ジャムを煮詰めたような甘さがある。セクレトスの方が素朴にチョコっぽかったような。ヘニオスは蔕を取っていない苺。
葉巻に求める魅力よりも食事に求める魅力に近い。
買ったはいいけれど、他に吸うものもなくてずいぶん消費してしまい、これで七本目。今は少し選べる状態なのだが、大晦日らしいものといったらこれしかなかった(ルシタニアスもあったけれど)。バラツキはあるが、ほぼ毎回ステーキを食している気分になる。焦げ目とソース(野菜と果実と醤油を煮詰めた感じ)はほとんど本物のまま、しかし肉は草か又は肉に添えるクレソンのようでもあり、肉は無くソースと野菜だけで、さらに籠の中にバターの旨味とパンの軽さがある。コイーバらしい岩味もあるのだが、草とステーキソースに霞んでいる。それでも岩が縁の下で悠々と支えているらしく、岩を蔑ろにするようでもあるけれど、コイーバが新しいものを作るとしたらこうなるしかなかっただろうと思わせる迫力がある。ステーキソースの濃厚さは他のブランドが醸し出しても美味しくなさそう。フィラーを見ると凄い模様で、黒、焦茶、茶、黄土、緑、橙、茜……物量投入の色合いがある。
序盤を過ぎると強烈に染みているのにステーキソースよりも軽い木の風味が出てくる。シグロ六のような滑らかさはまったくなく、むしろ軽い雑味がある。灰には灰を売り物にするような頼もしさがあって落ちにくい。ぽろりと落ちてしまったほうが可愛いかもしれないのに。灰が若々しく元気で折れ難いので老練な感じもせず、一度落とすと案外短小な葉巻になってしまう。
終盤になるにつれ膨らんでくる木と木犀、それから干草や糒が意外なのだった。葉巻を超えようとして結局葉巻に落ちざるをえないもどかしさ。「葉巻なのに葉巻」というか。その滑稽さが愉快かもしれない。イカロスのようにマイナスが葉巻らしさに帰着するというか、マイナスが存在しない良さがある。
超葉巻であるかのようなステーキソース味とは裏腹にどこからともなく現れる爽やかさが軽薄なのだが、夜中に吸い終わると翌日まで満足感が残るほどの濃さがある。
完成度は低いと思うのだが、コイーバでしかありえないマデューロの凄みだけで+4にせざるをえない。雑味も剛のものにあっては存在感が薄らいでしまう。薄らいでも煩いものは煩いので、雑味を帳消しにしてしまう不思議な飲み物でもあればよいけれど。どのコイーバよりもコイーバのラムが合う気がする。
どう解釈しても不味い葉巻とは格段の違いがあるけれど、こういう挑戦的なものの一方でロブストの完璧さが際立ってしまう。翌日に残らないキレのよさまでロブストにはあったかと思えてしまう。
チョコはほぼ感じなかったが、ステーキソースにチョコが混じっているかもしれない。端から重厚なので「最終盤」といったようなフィナーレもなく、より軽やかに花が咲いてステーキの重厚さがやや戻ってきて終わる。雑味がスパイスに転化されたようでもあった。
翌日に満足感だけが残るような、時間差のある葉巻。
以下、6本目までの走り書き
3ヶ月も経てば良くも悪くも我家の味に落ち着いてしまうだろう。なんだかコイーバロブストに似てきたような。美味しいが、こうなるとかえってマデューロである事によって足を引っ張っているようにも感じられる。醤油味の薄荷というか。草が芳醇な旨味とともに揮発めいている。飽きがちなしつこさがある。足を引っ張る何ものかがある。
砂糖で出来た沙漠の砂で水の代わりに醤油を与えて育てた草が原料になっている。そういう自然な植物の感じがある。
後半には茎っぽさやそれに酷似した粘土っぽさも出てくる。逆立ちしているような頭に血が上ったような感じ。
コイーバのマデューロだと知らずに吸ったらとんでもなく美味しく感じるかもしれない。単純にマデューロが嫌いというだけの事なのかもしれない。
肉料理を想定して赤ワインを合わせると合わない。
ロブストに飽きた人むけ。
革や土は一切思いつかなかった。
ポルトガルのヴェラス・ロレートという蠟燭専門店で買った蜂蜜の蠟燭とそっくりの香りが火種から漂う。
濃厚だが、あまり飲み物を必要としない不思議な優しさがある。味には特別優しさを感じないが。
変化云々より、凄さ一辺倒。凄さはわかるが纏まっていない。荒くれた美味しさというか、強烈に美味しい事は確かだし、翌日まで旨味が残るのはこの葉巻ぐらいなのだが。何故か軽みまでもある。ロブストにステーキソースを塗ったような。余計に味付けしたような。押しも引きも強い。
1700円の価値は余裕であるなぁ。
セクレトスは「まったくフルーティーではない質朴な赤ワインのタンニンの美味しさ」といった感じがあった。ヘニオスには苺ジャムを煮詰めたような甘さがある。セクレトスの方が素朴にチョコっぽかったような。ヘニオスは蔕を取っていない苺。
葉巻に求める魅力よりも食事に求める魅力に近い。
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