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  源氏物語「葉」
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 芳醇な乾き。かなり辛いが、雑味ではない。いかにもハバナだといった感じの乾きが花に収束してきて、花を少し散らし始める。香りをそっと置いてくるというような調和がある。パンチ特有のまろやかなスパイスは控え目で、直接の甘さがほんのりとあり、そこに茶色く塗り潰した緑や、茶色く塗り潰した苺が姿を失っている。木でも革でも土でもない、栗の渋皮のような茶色。この渋皮がハバナっぽくて芳醇で乾いている。
 一度灰を落とすとパンチらしいスパイスが清々しく薫ってくる。一瞬清々しいが、まろやかなスパイスというか、温度感のあるスパイスというか、アイロンの匂いを伴うというか。そういうスパイシーではないスパイスの旨味に窓辺から入ってくる金木犀の香りが重なっている。渋皮は相変わらず渋皮のまま。パンチに違いないのだが、モンテクリストとグロリアクバーナとパンチを足して割った感じ。日曜の午後の疲労感に似たつまらないような感触がある。そういうホワイトシチューの旨味で回復しようとして回復しえない、頭痛を治さない甘さがある。なんとも不思議な渋皮だった。
 最終盤に入ると渋皮が少し赤土っぽくなるかな。ならないような気もする。他の香味に紛れていてわからない。辛味が収まって、なにか薄気味悪くするするとしている。薄気味悪さが残5センチで強烈なシケモクに変化して終了。

 ロイヤルセレクションは終売らしいけれど、なるほど複雑で魅力が纏まっていない一本だった。
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