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  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

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 黒褐色の分厚いラッパーによるものか、カット時の感触が独特で、ざらざらと切れる。表面は塩を乾かしたような干物っぽい艶がある。アネホはどれも同様。
 緑褐色の、懐かしさと新鮮さとが渾然とした奇妙なブレンド。何かに似ているのに、その緑色らしきものが何なのかわからないでいたら、突然シナモンが吹き出してきた。するとすぐにオパスⅩに似ていたのだとわかる。当たり前の結論なのだが、正体がわかってからは安心してしまった。美味しいものに似ていて良かったというか。気付いてしまうと、オーパスⅩと同じハチミツシナモントーストが感じられ、それにやや草寄りの焦げ目をつけた感じ。のみ込んでみるとフルではないが、転がしているとフルに感じるので安心はしてもこわごわと扱ってしまう。刺すような苦い感じが無くなればかなり美味しいかもしれない。黒褐色なので醤油味とか言いたくなるし、本当にそんな味がする気もするが、錯覚だと思う。もっとふんわりとして、しかも風船に針を刺す意地悪さがある。笹の葉で口腔が傷つけられてしまうような。パンダじゃあるまいし。
 ハチミツシナモントーストがだんだん湿気を帯びてきて、味が濃さを増し、染みた木の味わいに近くなる。ただ染みは小便の染みではなくハチミツの染みである。
 ところが小便とハチミツが逆転する。そして木犀が咲きそうになる。矢継ぎ早に木犀から粘土臭が染み出てくる。こういう劇的な一刹那があって、後は既出の素材がバランスを変え立場を変えゆっくりとめくるめいている。甘味は強弱があっても安定していて、味気なさを感じる暇はない。棘は少し丸くなってきているが、咽が弱ってきたのか、ボディはフルに変わっている。
 終盤、香る程度にバターが乗ってきて、より美味しそうな香りになるがしつこさはない。
 残7センチほどで火種が凹みがちになって終了。即刻再点火したら雑味を伴いつつも以前よりも大きく膨らむほど美味しさは続いていた。これ以上吸ったら気持ち悪くなりそうなので今度こそ終了にした。
 全体的に美味しさを秘め過ぎたようなところがあって、秘密好きには良いかもしれないけれど、葉巻に奥床しさを求めるのは難しい。醤油を焦がしたようなものが柵となって、格子の向こうで美味しいものが煮炊きされているような。鍋の上ではなく鍋の下の焚火。なのに、オーパスⅩを経験してから吸った方が美味しいかもしれないと思わせる。それでいてオーパスⅩよりもこちらの方が強い。なかなか小難しい葉巻だと思った。焚火好きには良いのか。灰は白っぽく、亀裂が少なかった。

 これ以前に書いたアネホのレビューはあてにならない。「ハチミツシナモントースト」なんて一言も書かれていないし。黒褐色のラッパーに味覚が呑み込まれていたのだと思う。このダブルコロナだけがオーパスⅩに似ているのかもしれないが、たぶんそんなことはないだろう。半年以上寝かせた甲斐があったのかもしれない。半年でも最長記録なのだった。+2にしたけれど、+2の中では断トツ美味しい。
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