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  源氏物語「葉」
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|XAN JUN 05|7.6 x 49|シガーオンライン|¥1429|重量:+2(19.32g)|算出:+3|香味:+3|

巻き固し、だけど悪くなし。
七年の長きに、枯れた趣、いとわろし、の反対。
納屋の懐かしきに今日もまたサンルイレイは納屋っ照る。
幽かな蜂蜜の甘さが白い甘味に木の揮発と競ってる。
照るハ太陽、夜っ照ル。南半球よルッテル。
花咲くは中頃、がらり変わって咲くはいとおかし。あたまおかし。いとわろし。
太陽くるる。テルッテル。
淡き味、香ばしき。渋き味、薄し。
枯木なる水々しい花咲く。緑色の茎っぽき。
常に余韻のごとき蕭々。
本体なき煙、焚火からも遠し。
冷房器具を止め、熱帯夜に遊ぶ。遊んで転ぶ。葉に転ぶ。
小枝ぽきぽき。葉に転ぶは夏夜。朧な霧もなし。
夏に秋、秋に冬、冬に春、秋に夏は夏に夏。
最中の衣剥がし、アイスなし。
椅子の脚の如キ堅キ乾キ棒状の、淡き趣の塊。
木椅子の部品を外して趣くが如し熟れた風体。
椅子にて眠る。火事起こる。火事起こらない。アイスなし。
ほの見えるほの字型、葉にホ・色ハニほ、葉火付剥炎ッホ。
ハニは蜂蜜、ホは衣。夜風暑くも、アイスなし。夜にアイスなし。南半球夜昼し。
昼しあたま、もやしなし、ナツメヤシもなし。
湿度にうだって喉乾き、乾いて雑味すずし、いとよろし。夜風なし。

なんだこれ これなんだこれ サンラリル 太陽狂う サンルイレイ
ラリルレハニホ サンルイレイ
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|5 3/5 x 46|cigarOne|$53/5|重量:0|算出:+5|香味:+3|

 ミントなど出現するわけがないが、どことなくミントが香り、しかもミントが甘く、甘さが緑白色をしている。葉が辛くて乾ききっているのに、ミントがしっとりとして甘い。午後三時の物憂い疲れと午前十時の爽やかな期待の活力とが入り交じる十二時半、太陽が中天にかかって方位磁針が微睡む。かりそめの昼食時で旨味やコクというものはない。自分が時計や磁石になってしまったような、魚が水の記憶を得るような香味である。要するに今を生きていない。
 中盤からその光景のままに花が咲く。

 美味しい葉巻というよりも気になる葉巻で、過去が美味しいのだから厭きない。というのも美味しい葉巻だからだが。……香味以上の何ものかをくすぐる。しかも母親が幼児をあやすように健康にくすぐる。
 この葉巻は、寝かせるというより、自分が寝ているようなものだ。そんなものを寝かせるとどうなるのか、五十本入りを買って余生とすべきかとも思う。
 終盤では落葉が荒い豆のように雑味を伴いつつ香ばしく香る。香香という名の中国人のように。
 アメリカの枯れたカントリーミュージックよりも幽かに若草を残すイギリスのトラッドフォークに近い。思うのは日本の田舎だが、日本のひね媚びたフォークとはやっぱり違う。もっとも葉巻は音楽ほど寂しくはなく、懐かしさが爽やかに蘇るばかりである。
 ふとダビドフ2008に通じる幽かな瞬間もあった。
5 3/5 x 46|cigarOne|$9|+4|+3|

 雨の日の翌日に落葉拾いにいっているような、冷気に湿った葉の匂いと晴天が感じられる。今日の曇天と混同しているのかもしれない。乾きそうな風情はあるが、乾ききった荒野に置き去りにされる事は無く、フランスパンに甘いミントを添えたような爽やかな旨味がある。キューバに一年ぐらい住めば修正されるはずだが、日本で吸う葉巻の景色はこんなものなのだろう。こういう滅茶苦茶な景色を修正する気にさせないのが煙の良い所なのか。吸い込みも絶妙で煙の量も至極多い。
 思い出せないが、ラッパーの感じに落葉拾いで出会うなにかのような懐かしい風合いがある。落葉拾いには行った事がないので、何か別の所だと思う。夏休みの祖父の家とか、そういう所。場所どころか季節も滅茶苦茶。朝から外で遊んでいて、朝飯の知らせが来るのである。
 こういう自然くさい味はキューバ物でしか感じられない。セリーAはとくにそうらしく、辛味が微かにあったりして際どいところもあるけれど、それも自然の荒さだと思えばなんでもない。花も乾いた木材から貧しい養分を吸って咲く。ラムネ菓子の甘さはあるがカカオなどは香らず、レヒオスよりもずっと質実。革か木か土の感じが非常に美味しく感じられる瞬間が幾度もある。
 終盤では熱を帯びて花がやや洋酒臭いような感じになる。
4 4/5 x 48|cigarOne|$9|+2|+2|

 サンルイレイを小馬鹿にしていたようなところもあるけれど、1001でわくわくしながら買っていた頃を思い出し、余計に懐かしい味が感じられる。当時の期待が時を隔てて結実したのか。1001での失敗をいつのまにかサンルイレイが象徴していた、勝手な話だけれど。1001にも良いものはあるはずだが、狙うのが難しい。
 はじめから濃いハバナの香りが立つ。密度か湿度が高い。強いぐらいだが、湿った穏やかさを感じる。腑に落ちる旨味があるかなと思うと、一瞬、チョコと塩が感じられる。塩が後味のように続くのだが、味覚がおかしくなったのかもしれない。塩味が出るといつも舌がおかしくなったのか葉巻に因るものなのか判然としなくなる。
 煙は肌理の細かい粉で、枯葉から花が咲いている。レイデルムンドやグロリアクバーナに湿気を与えて疲れを取り除いたような感じ。旨味に湿って、チョコや蜜がほのめいているらしい。
 ずっと辛さが続いているので熟成不足かもしれない。ちょっと脳髄に直接作用するような緑草もある。穏やかさよりも実際は刺激的なのかもしれない。ゆっくり吸うと緑がややバターがかった黄色になり、浮遊感を増す。スパイスはないが、黄や緑がスパイシーであるような不思議さがある。塩の旨味でスパイスが落ち着いているのか。砂糖もミルクもないが、チョコはビターチョコではなくミルクチョコ。ミルクチョコの甘さではなくミルクチョコの香り。甘味が香りっぽくて甘さをほぼ感じない。
 至福ではないからか、デイリーに適しそう。基本を押さえた上で荒くて複雑で飽きさせないというか。継ぎ接ぎだらけのおいしさというか、個性的な没個性というか。そういうものはデイリーに適している。どうでもよい日常に適している。
 終盤、旨味に焦茶色が立ち、一瞬コイーバを靴屋で吸っているような気分になった。コイーバっぽさは一瞬でボリバーになる。最後には温めた靴から花が大量の煙とともに咲く。煙の量がとんでもなく増したので、粉っぽい旨味もうっすらとしていながら凄い。無味な粉が大量の香を焚き付けられている。鞣革が摩擦熱を発して、その熱で蒸気が乾燥したがっているよう。蒸気と煙を見紛う葉巻らしい景色で、葉巻の醍醐味は完全にある。おもちゃ箱に詰め込むように葉を詰め込んで、丸ごと土っぽい薫製にして統一してしまう。なのに堅実な感じだった。

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