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  源氏物語「葉」
++葉巻++シガー++レビュー++個人輸入++ブログ

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|EMA OCT 07 (19444/20000)|5.5 x 50|coh-hk|$198/10|重量:0|算出:+3|香味:+3|

 やはりとろける不思議な甘味がある。おそらくこの葉巻の美はこの甘味にしかない。
 本来なら嫌であるはずの「揮発性の木」が秘密に与しているらしい。ロバイナらしい土とチョコの混じった温かい味わいもあるが、脇役で、とろける甘味を抜群の相性を超える当然の相性をもって支えている。
 吸い込みはギリギリ許容範囲に収まる硬さ。レギュラー品ではクラシコスに一番近いと思う。吸い込みの硬さもあり、あまりパワフルではないが、序盤を過ぎると調子に乗ってくる。それでも穏やかに花が咲き、温かい味わいが少し膨らむぐらい。枯れてしまったのか、かなり優しいタイプで、優しいが、優しさを売り物にしていないらしく、優しさが中途半端である。
 終盤には辛味と苦味が微かに乗るものの、全てが丁度良くなる。
 とろける不思議な甘味は始終消えないが、序盤で一番目立っている。揮発性の木も同様。全て一本目と同じだと思う。美味しいが、もはや限界が見え始めた。こんなものをデイリーシガーにできるなら申し分ないけれど。

 シガーカッターを新調したため折角なので良い物を切りたく「とろける不思議な甘味」の検証を兼ねてみたが、結局「とろける不思議な甘味」でしかない。「不思議」というのは「悲しみ」と同じぐらい適当な方便だが。「適当な方便」というのも方便的に適当だけれど。要するに適切だと思っている。
 気になるシガーカッターが昔からあって、有名らしいのにレビューもあまり見つからず、自分で買ってしまうしかなかった。「関の刃」を大いに謳っているので切れ味に心配はなかったが(三島由紀夫の首を斬ったのも関の刃だ)、問題はリンゲージで、最近の太くなる傾向にそぐわず、50の仕様である。ベイーケ54をあてがってみたが、キャップ部分が微かに細いのでギリギリ切れそうというぐらい。54を54に切りたいというなら切れない。イムコロナの定価5250円の品物。
 ちなみに前代のカッター()の寿命は一年ぐらい(400本前後)だと思う。二年近く使ったけれど。約三倍の価格の物が三年もつかどうか。説明書には「構造上、研ぎ直しができません」と残念ながらしっかり書いてある。研ぎ直ししてくれそうな気がしていたが。メーカーが無理な事でもやってくれる人はきっと何処かにいるだろう。……半分も関係ないが、CDプレーヤーはメーカーや輸入代理店で修理してくれるのは十年までで、後は何処かのやってくれる人に頼むしかない。ティアック(エソテリック)は十年経つときっぱり打ち切りに処される。次に新品を買うとしたら永久的に直してくれるアキュフェーズ以外は怖くて買えない。
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|EMA OCT 07|5.5 x 50|coh-hk|$198/10|重量:0|算出:+3|香味:+3|

 昨夜の一本なのだが、とろける感触が忘れられず、今夜もう一本どうしてもとろけたいところを我慢して、フォンセカを燻らせながら回顧している。

 さすがに箱を開けると美しかった。一瞬茶色のバンドが黒地に見えたほどで、コイーバのエスキシトスなんかは箱を開けた直後に不穏な空気を感じたものだった。細部を虫眼鏡で覗くよりもパッと見の印象のほうが情報量が多い事は確か。
 はじめてのERなのに吸い込み難のものに当たる不幸。少しだが、吸い込みは少したりとも硬くてはいけない。
 カカオ混じりの土のコクに揮発性の木。この土のコクはロバイナ農場の精髄だと思わずにいられないが(ロバイナ農場の葉100%なのかわからないけれど)、煙の量が少ないまま火種だけが巨大化する悪寒がし、揮発性の木が最後までコクを負かして居残る気がする。
 このままでは不味いと思い、フィラーの中の一番太い葉脈をピンセットで抜こうとしたら三センチほど抜けて切れた。途中で切れた場合吸い込みが改善されないはずだが、やや改善された。着火後に抜くとかえって雑味が増して不味くなる危険もあるが、そうもならなかった。
 完璧なドローとは言えないが、美味しくなった。

 意外にレギュラー品と変わらない香味である。ERは底上げの価格で、高みの価格ではないのか。ハズレが一本も無いならそれはそれで価値があるとは思うけれど。
 でもやっぱり、どことなくとろけるように旨いなぁ。普通のロバイナなのに、味覚では表せない脳に直接浸透する恍惚成分が仕込まれているらしい。吸い込みさえ良ければとんでもなくとろけたかもしれない。
 「ロバイナのコク」は凄く、薄くても凄い。揮発性の木などとっくの昔に草の中の一片になってしまった。飲物を黒ビール(グリーンフラッシュ社のダブルスタウト)に変えたからかもしれない。
 チョコで燻製した木粉を衣に天麩羅した草。というと草が主役のようだが、衣が主役である。衣が全然油っぽくない。そういえばバターなどの油けをまったく感じない、衣なのに。クリーミーでもなく、栗や芋もない。草も木も結局土に還るのだと思う。こんな普通の環状世界で大丈夫なのかと疑うが、何故かとろける。そういう幻灯のような土の味がする。甘さなどは始終忘れていて最終盤で甘さが乗って来て漸く甘さを思い出したのだが、甘さが要らないほどの不思議なコクなのである。味のあるフィナーレのほうがむしろ凡庸で、木犀などもフィナーレまでは一輪たりとも咲かない。
 四年で枯れ始めている気がしなくもなく、今が頃合いなのかもしれない。
 結局根本まで雑味も出ないので、フィナーレこそ美味しいともいえるし、兎に角優良品らしい。ただ全体的に力を隠したように静かだった。静けさを憎めるはずもない。

 こういうものを二万箱も作ればレギュラー品の質が落ちるのは当然だと思うけれど、そうならないような進化をキューバ側が一人でしているのなら実に有り難い。
 レギュラーのベガスロバイナを磨き抜いただけの物といってしまったらそれはそうで、これこそを求めていたのか、更に特殊な香味が欲しいのか、よくわからない。よくわからないとろけ具合が不思議な美味しさなのである。久しぶりに根本を捨てるのを惜しんだが、どことなく物足りないのは吸い込みの所為か、到着日の一本目だし、我家に落ち着いてどうなるか怪しいものではある。しかしこのとろける怪しさが+5を突き抜ける妖しい化物を秘めているような。
 どうしてだろう、普通のさらっとしたコクと香ばしさしか感じないのに。麻薬でも混入しているらしい。期待が麻薬化した可能性もある。そんなに脳天気ではないつもりだけれど。
|7 2/5 x 49|cigarOne|$19|+3|+3|

 チョコのようなコクを伴いながらも明らかに葉っぱの良い味がする。そこに気の利いた草と、時々にして定期的に風船ガムを内側へ膨らますような、不思議な、爽やかで温かい旨味が膨らむ。爽やかで温かい、というのをなんといったらいいのかわからない、ミントの蒸気のような、それでいて米や芋の旨味のような独特さがある。それでダブルコロナらしい穏やかさがずっと続く。ベガスロバイナの味だし、単調ながらバランスが良く、まったくもって美味しいので、ダブルコロナが好きか嫌いかという篩になりそう。
 序盤や中盤といった変化はほぼ感じないが、さすがに終盤に近づくとわかりやすい変化をはじめる。それでいて穏やかに変わるのが素晴らしいといえば素晴らしい。ロバイナらしいコクはそのままに葉巻らしく木犀が加わるだけなのだが、ロバイナのコクと木犀とのブレンドはかなり美味しいらしく、穏やかさにも合う。それでもこのブランドは小さい三本の方が好き。
 木犀汁が染みた感じになって濃厚になり、木が出てきて、煙の量も増える。それでもロバイナらしいコクは消えない。
 吸い込みも絶妙なのでほぼ文句のつけようがない。しかしダブルコロナならたぶんパンチを選ぶなぁ。木犀が出ると木を感じ易くなるのだが、パンチにはそういう感じ易さがない気がする。花が咲くのに木が無いのは嬉しい。木から花が咲くのは当たり前だからね。
|6.1 x 52|cigarOne|$?|+?|+3|

 出だしはファミリアール、クラシコス、ファモソスに比べて突出した点がなさそう。なんともロバイナっぽいのだが、香味よりもトルペドという形に拠り所があるような。ドンアレハンドロも香味は中庸で大きさに拠り所がありそうだし、前者三つは三つ子のようなもので後者二つは父母らしい。ファミリアールという葉巻があるからファミリーのようになってしまうのだと思う。
 ファミリアールの「ハーブ」とクラシコの「チョコ」とファモソスの「朝鮮人参」が全てそつなく程よく感じられるという以外に「ロバイナっぽさ」というものが家族を支えていそうだが、1インチも進まないうちに突然吃驚するほど香味が吹き出てきて調和をかき乱す。三種に花とバターとを混ぜて煙量を最大限まで増幅したような膨らみ。恐るべし母。凄みはユニコスの方が凄いが、それでもこれ一本では三種の可愛らしい香味に太刀打ちできない。
 トルペドのわりに吸い込みがスカスカ気味なので、それで荒れ狂っているのかもしれない。緩さもトルペドなのであまり気にならないけれど。
 ファモソスほどの苦味はなく、朝鮮人参というよりも柔らかい土。この土がハバナらしさを保っている。土とチョコが一体になっていてかなりコク深い。柔らかさはしつこい粘性と紙一重だが、なんだか軽やかさもあり、中盤ではほんの少しスパイスが利く。するとチョコが甘味を残しつつ後退して木とハーブに代わる。ゆっくり吸うとかなり木が濃く黄味がかる。
 ユニコスの特徴は「花」にあるのか、柔らかみに平行して麗しさの濃い花が凝縮されつつ満開になる。それが出しゃばらずに絶妙の間合いを計って出ては逃げる。ほとんど音楽のような。変化についていけないというかついていきたくない気もするが、単一の特徴を重んじている三兄弟が物足りなく思えてしまう。それでもクラシコスの凛々しいチョコ味が一番好みではある。
 終盤はスカスカな所為か少し気持ち悪くなって頭痛までした。コクが薄まってバターチョコ状の空気の中で萎垂れた風情の木犀が咲いていた。残5センチで死臭が出はじめ、粘土っぽくなり、不安な滑らかさが感じられ、残4センチでまごうかたなき死臭。
 どこを切ってもスカスカな所為か死が早いが、このブランド、外れた事が無いといってもまだ四本目だけれど、外れる気がしない。ドンアレハンドロも正月前後に試すつもり。
|5 x 48|cigarOne|$10|+4|+3|

 切口から夏の蒸れた土と干し草の香り。巻きが綺麗で、弾力があって吸い込み良好。こんなに良い吸い込み加減は今までになく、火を点けずにしばらく楽しんでしまう。

 一口目でフルボディだとわかる強烈な強さ。
 アメリカ市場モノに似ている感じがするが、ただツンとしたところがなく、棘がすべてまるい旨味になっている。穀物とパクチーを搗いて餅にしたような独特のコク。しかしパクチーとも餅米とも違う、「不思議な芋」のような味わいといった方が良いかもしれない。雑味が無いのでそういうものがありありとしている。花とバターを擂鉢で擂ったような芳香。非キューバモノにありそうな強烈な個性だが、キューバっぽい落ち着きもある。キューバが落ち着いているかわからないが、これのキューバっぽさは落ち着いている。粉っぽく小麦粉をそのまま口に含んだようなキメ細かさで、ココア5% 土90% という具合。その土が本当に土を食っているような味なのである。土といえば草であり、草の香りというより土に還った草の味がする、これが5%。そういえば朝鮮人参とか、そういうものに近い。後半、その朝鮮人参をそのままに、花とバターを混ぜた感じがモンテクリストに似てくる。筆者にはモンテクリストが基本としてあるからか、どの銘柄もモンテクリストに似てしまうのだけれど。

 ベガスロバイナをこれまで3種類試したところ、全部味が大幅に違う。どれもとんでもなく個性的。なのに似通った上質さがある。視た事は無いが、Ⅴレンジャーとかそういうイメージ。もっともどの色も茶色で塗り潰されている。バトルフィーバーは視ていたが、視ていた事だけしか覚えていない。

 強烈な味わいなのに雑味が無いのがなんだか不思議だった。煙の中でもっとも食べ物に近いというか。煙草らしい辛味は序盤と終盤にある。あまり好みではないにしても一年に一回は吸うべきだと思わせる存在感がある。
|6 2/5 x 42|cigarOne|$14|+5|+4|

 極端に美味しかったがシングル買いなのでボックスコード不明。

 辛目で、極細い草の芯の回りに柔軟で膨らみのあるコクが巻き付いている、はじめから凄く美味しい。コクが膨らんで仄かに甘い。ココアが煙と化したよう。草が太くなったり細くなったり、草が太くなると甘味が増すのか。ココアの膨らみはずっとある。2センチしか進んでいないのに、箱買いが決定的になってしまった。
 細いからか美味しすぎるからか減りが速い。ココアがバターに変わりそうになるが、あくまでもココア。少し落ち着いて枯れたハバナを感じるようになるとココアにナッツを散らしたようになる。シガーワンの説明文そのままだけれど。
 紙巻きのように吸い込んでみるとフルボディだが、そういう事をしなければ軽やかでさえある。
 塩素がふと香る事がある、夏のプールのような爽やかさで。
 ガラリと味が変わる瞬間こそ無いが、中盤になると花が咲いてくる。そういう香りが出てもココアの粉っぽいコクを失わない。コクがあるのに基調が草だからかまったくしつこさがない。しかも草っぽくない。シガーワンの説明文そのままだけれど、こうして草とコクが混じるとハチミツになるのかな。いわれてみれば確かにハチミツのような気もする。
 終盤では薄らとチョコの茶色に黄味が差す。この辺りで軽やかさに反して少し気持ち悪くなってしまう(フルボディが本性を現す)のだが、それでこそ堪能したというもので、豊満な和食の締めにサイコロステーキが出てきてしまった感じがした。

 ロンズデールというのはいいサイズだなぁ。心配するほど長くなく、邪魔なほど太くなく、物足りなくもない。なにより味が整っていると感じられる。深夜の勉強に欠かせなくなりそう。
 雑味の無さも特筆もの。欠点が一つだけあって、灰をいつの間にか無視していると、なんと灰が極めて落ちやすく、ぽろりとテーブルや絨毯を汚してしまう。

 コイーバは別物だし、モンテクリストには種類の豊富さで負けるがかえって良くもあり、大好きな銘柄になりそう。
 ドンアレハンドロとユニコスは未購入なのだが早速買ってみたい。ファモソスは購入済。
 リラダンの『未来のイヴ』でエディソンと好青年が吹かしているのはこの味ではないかな。
|5 1/2 x 42|cigarOne|$10|+4|+3|

 クラシコスとファモソスに比べて焦茶が目立つラッパー。キューバシガー全般がどれもこれも薄茶色いなかでちょっと精悍な印象。湿った感じはなく渇いた紙のような質感で、パドロンに似ているが、こちらの方が荒削り。香りはほとんどしないぐらい薄く、僅かにシナモンのよう。
 煙はやや甘いハーブの香り。香りが基調で、味わいにハバナっぽさが薄らと感じられる。土も木も乾いているがハーブが瑞々しい。非常に繊細な感じ。はっきりとした繊細さというか。少し進むと大量のハーブに大量のスパイス。脂っこさやしつこさがまったくないのに、あまやかで物足りなさもない。四角いビリガーなどをも思い出してしまうが、断然こちらの方が美味しい。ビリガーを思い出すようなどことなく懐かしい感じも美味しいのである。
 微かにバターが出てくるが、オリーブオイルと化し、アルコールに溶け込んで水で薄められてしまう。諄い味が出てきても完全防御されている。
 久しぶりに感心してしまった。はっきりとしたハーブはありがちだがこれほどよくできたものは他に知らないので重宝しそう。ボディはこの香味にして軽すぎも強すぎもしない絶妙なミディアムだった。サラダランチを食べたくなるような。

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