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  源氏物語「葉」
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|BRU SEP 10|6 2/5 x 42|coh-hk|$184.50/25|重量:未軽量|算出:+7|香味:+4|

 強くて辛く、僅かに苦いような深みがある。かわって幽かなカカオの風味と、草混じりのカスタードの甘味があり、全体を優しくしている。
 手っ取り早く言えば以上のようになってしまう。続けると、
 苦いようで苦くなく、辛いようで辛くなく、強いようで強くなく、幽かなカカオが見たことがない幽霊のように現前し、草混じりのカスタードの甘味が何処かをほっつき歩いていてたまに辛い。
 ロバイナの特質は前半に置かれ、中盤以降、どのハバナも同じような変化をするところの変化をする。金木犀が咲いたり、花が萎んで小学生の口臭(最近この香が「蕨」に似ていると知った)に落ち着いたり。

 廃止と聞いて箱で買って、なかなか当らなかった所為で当りを探してもう半分以上灰にしてしまったところで漸く当った。はじめから当っていればもっと大事に温存したのに、もう残り少ない。あんまり美味しいようだと更に一箱買わねばならないが、更に一箱買ったって不甲斐無いと思う。これが廃止になるのは嫌だけれど、1箱で1、2本しか当らない物が廃止になったところでどうという事もない。トリニダッドのロブストエクストラは本当に廃止なのかわからないが、一箱の半分は当るので痛切である。

 余計な事を書いていた。中盤の終盤にて、ダビドフクラシックもかくやと思われるほど優しげな、「濃厚な羽毛」という存在しない物への比喩をたどたどしく語らしめる恍惚感。若干ロバイナにありがちな木のエグミや酸味が邪魔をする、しかし「濃厚な羽毛」などというものはハバナでは得た事がない感覚である。たまたまだろう。たまたまだから、もう一箱買う必要はない。本当にない。私が富豪なら此処で三箱は追加注文しているけれど、別段ロバイナの特質ではないように思われ、残念ながら賢い消費者である私は最近ダビドフを買いたいと思う。
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|BRU SEP 10|6 2/5 x 42|coh-hk|$184.50/25|重量:−1+1=0(10.54g)|算出:+5|香味:+3|

 昨日のボリバーと同じく14本目。こちらは中敷が勝手にズレて箱の中の葉巻が散乱していた。要するに仮にも密閉されていなかったので少々不安である。というより、なんだか今日は不味いような気がする。こういう予感は50%ぐらいは当るのである。75%ぐらい悪い方に賭ければ50%ぐらい当る。25%ぐらい悪い方に賭ければ50%ぐらい当る。
 昨日に比べると嫌な刺激が強い。フルボディなのに軽いのが一番美味しいのであって、フルボディがフルボディのままであってはつまらない。
 乾いた醤油、軽い木、重い樹皮、花のような小便の染みた布、これはこんなものなのだが、これにもどことなく全体を覆う独特のカカオのような風味があるのはロバイナの特徴ではないか。カカオと一口に言っても産地によって色々あるらしいが、まさにそのようにロバイナ地域にしか生息しないカカオという感じである。乾いてさらさらなカカオ粉が嗅煙草のようにまろやかに感じられる。
 しかしちくちくとした嫌な刺激に草が搦みついて余計に嫌になる。不思議と不味さは何処にもないが、美味しくもない。
 やはり木のエグミも出てくる。この箱だけが悪いのか、最初期に一本買いしたロバイナは悉く当ったのに、なかなか重々しく重々しいものばかりで、あの風邪を引いた事に気付く瞬間のような気分が持続する。
 後半は甘いカスタードの模様が出て、今度はかえって茨がこれを引き締めて好感である。
 カスタードが隆盛して花と混じり、艶かしい香水のようになる。カスタードの香水なんて聞いた事がないが、これは美味しい。メンズ用なのか、辛味も利いている。一体にこんな男にはなかなか出会えたものではない。カスタードという代物が「樹皮とバナナ」にさえ変わるではないか。まるで古刹で呑気に食すバナナの雰囲気である。枯山水に水をやる馬鹿のような花の香がする。これは、馬鹿の小便といって良い。
 飲物は昨日に引き続いて紹興酒と桂花陳酒に加えて清酒を試したが、拭うにも加えるにも桂花陳酒が断然良い。
 変化の妙に美々しく翻弄されるのも束の間で、結局は風邪を引き、あるいは風邪で学校を休む甘美さを感じるのである。
|EMA OCT 07 (19444/20000)|5.5 x 50|coh-hk|$198/10|重量:+1(14.84g)|算出:+5|香味:+4|

 丁度五年物。
 静かな荒野感。
 薄くとろけるような透明な甘味。
 ミルクチョコの香。
 ムスク(?)。
 非常に複雑な感じがして、特に荒野感が複雑さを高めているらしい。グロリアクバーナやラファエルゴンサレスやレイデルムンドに感じ、べガスロバイナにはあまり感じない荒さであり、その荒い風味が何故か丁寧である。前回もこのような事を書いている。そこに一本目のとろけるような甘味が戻ってきていて、なおもべガスロバイナの味を感じさせるので嘗てなく突出した要素が絡み合っている。普通というか慣例というか、突出していない要素がいくら絡み合っても「複雑」という言葉は出てこないと思う。わかりやすい複雑さなのである。
 2センチ進むと突如強くなる。刺激的で心地よい辛味が立ち、甘い草をちゅーっと吸っているような味の濃さ。甘さや草が色濃いのに、ハバナ葉らしい茶色い味がまったく隠されない。むしろ草が消える。
 中身の詰まった吸い込みのかたさも凝縮感に繋がっている。手頃な大きさで、なかなか燃え進まず、有り難い。
 何だろう、この品の良いフルボディは。凹凸が豊富なようでいて丸い。

 筆者は葉巻というものは五年で熟成のピーク頃となり後は枯れ始めるという根拠のない考えを持っており、それならばと思って着火したら、単に美味しさのピークを感じるばかりだった。唖然とするほどの美味に気圧される事はなかったが、一つも欠点がなく美味ばかりが押し寄せた。ブルックナーの交響曲七番のように、前半の二楽章で盛り上がり、後半の二楽章は悪くもない。

 赤ワインの古酒のような美味でもありながら、赤ワインの古酒は合わない。夜中でも紅茶が良い。思えば酔わせない類の葉巻でもあった。残三本。
|BRU SEP 10|6 2/5 x 42|coh-hk|$184.50/25|重量:−1(9.96g)|算出:+6|香味:+4|

 9.96gの軽量なのに吸い込みがぎりぎりである。同じ箱で今のところ最大3.6gも個体差がある。目分量でもこれほどずれないだろうに、葉巻好きというのは実に寛容だなと思う。ただのハバナ中毒に許すも許さぬもないか。安定感で阿諛しないのか、しえないのか未だに知らない。

 やっぱりこの葉巻には「揮発性の木」があるのだが、それでも不思議な美味しさ。チョコバニラのようなコクが、こっそりと官能を刺激しているらしい。
 変化も精妙で、チョコバニラと揮発性の木とのバランスが徐々に入れ替わってきて、ほとんど揮発しなくなり、吸い込みも楽に、煙量も増え、深々しい味なのに苦くない、おかしな膨らみがある。茶色い綿飴のような、空にあれば汚いものも、地上の雲である。地上をそのまま雲の上(天上)に変えてしまう逆説というか強引さが葉巻にはある。木が再び出てきてもハバナの土が豊富であまり目立たない。
 バニラというのはチョコを膨らます為だけにあるようで、非バニラに近い。それによってチョコもチョコらしくはないのである。
 コクに白い部分もあるというか(「白いコク」というのはロッテの板ガムを口に入れた瞬間のようなあれである)、なんだか軽快な感覚もあって、つい先日の「ロメオ風のラモンアロネス」を思い出す。白くて茶色いというか。この箱の一本目は沈没船のような荒い重厚さだったが、こちらは雲に乗るような単純な美味しさで、単純な方がどうも難しい。木犀が単独で咲かずに、茶色いコクに滲んでいるのは珍しい。色彩感覚を鍛えた画家が品評したら良い。
 木が煩くない時に、草が隠し味になって、草が必ず花を揺らしている。
 美味しい葉巻に特有の膨らむ類の味の出方で、後半でもライトボディを維持している。
 残7センチぐらいでコクが消えてバランスが著しく崩れて雑味が出る。少し持ち直しても、小便を我慢している人のような葉巻になってしまう。そして、同時に漏らしてしまう心地よさがある。実際、後ろめたさもなく、出しては呑み、出しては呑み、煙らしい永劫循環に加えて、残5センチでコクが復帰する。
|EMA OCT 07 (19444/20000)|5.5 x 50|coh-hk|$198/10|重量:0(12.33g)|算出:+1|香味:+2|

 温かい葉の薫り。一口目に緊張させ、二口目で安心させる味であるが、初めからやや荒野感もあるか。
 ムスクがなんなのかはわからないが、ムスクというのはこれだろうというようなムスクの薫りがある。
 ロバイナではない。どちらかといえば最近燻らせたハズレのモンテクリストエスペシャルに似て、ただこれにはハズレた感じがなく、ムスクが贅沢である。荒野感も乾きすぎず、やや湿潤なコクがある。ムスクで香付けしたロバイナペーストを荒野で包みました、とでもいうような、一粒300円以上のチョコの説明文がよぎるが、残念ながらあまりチョコっぽくもない。
 初回の「とろける甘味」など影だになく、それでも、乾いているのに花が芬々と匂うのである。しかも非常に優しく濃く匂う。この匂いは段々甘くなってくる。この場合、荒野が全てを台無しにしている。荒野を期待していれば良かったかもしれないが、まさかロバイナにチョコを期待しても荒野を期待するわけにはいかない。
 甘味は嗅覚にはあるが、味覚はまるで甘くなく段々乾ききってくる。
 一体何がこの一本を荒野に変えたのか、思い当たる節はいくつかあるが、まるで不明。
 巻きはこの上なく良い。
 ムスクが白木の芯のような黄金に変わる。竹取物語を思い出す。白木の芯が黄色く輝いている。すると荒野感が漉したようにこなれてもくる。
 悪い葉巻ではない。でもロバイナではない。
 最終盤での減衰は早かった。
|BRU SEP 10|6 2/5 x 42|coh-hk|$184.50/25|重量:0(10.90g)|算出:−2|香味:0|

 火を点けると鼻の利く鴉が寄ってきて、ベランダが蠢く黒で満席になる。火を消すと散じる。火を点けると黒い鴉が寄ってくる。また散じる。雨なのに御苦労様。
|BRU SEP 10|6 2/5 x 42|coh-hk|$184.50/25|重量:+1(10.74g)|算出:+4|香味:+3|

 ほろほろしたカカオの味わいに、ハバナ葉のみの、かててくわえてロバイナのみの香ばしさが纏い付く。一言でいえば「ナッツ」だと思うが、それを「ロバイナ」というしかない。
 当りを感じる時にはいつも芳醇なライトボディである。「こんなに濃い物がこんなに軽い!」というか、重いモノを必要以上に軽く感じている気がする。シルキータッチだからなのだろうか。シルクよりも心太の方がシルキーだと思うが、心太の透明感はない。心太は冷えているので、もっと暖かく、「自家焙煎中」の珈琲豆屋の感じの香りがする。但しコーヒーの風味はない。ナッツやチョコが自家焙煎中であり、新鮮な旨味あふれる焙煎香を放つ。それなのに何処かに一本の心太が潜んでいるのである。
 8本目にして漸く求めていたクラシコスに落ち着いた。「揮発性の木」は微かに影を見せる程度だった。
|BRU SEP 10|6 2/5 x 42|coh-hk|$184.50/25|重量:+1(13.53)|算出:+4|香味:+3|

 ロンズデールにして13.53gの重量過多、前回のダリア13.93g以上の固さだけれど、最近パイプを真面目に喫んでいるので、パイプと同じ扱いをすれば固さも災難には感じない。葉巻工場は『ドロー測定器』で測定するより単純な『重量計』で測定した方が早いのではないかと思うけれど、パイプの経験はこんな助言など捨ててしまうほど葉巻に於いて実に寛容で小さい。
 固く詰っているだけに味も濃い気がするし、スプーン一杯の煙を啜る感じがクールといえばクールである。一体に三時間も持ちそうなこそばゆさがある。
 こうやってちょろちょろやっていると、葉には、ハバナ葉らしさの内にも、熟成バージニアのような熟成感と甘味とを感じてしまう。チョコで湿らせたような、塩昆布から塩を抜いたような、湿った旨味である。熟れを感じながらも、やはりこの葉巻はベガスロバイナらしく揮発性の樹が出易い。「揮発性の樹」は一体に褒め言葉ではない。ベガスロバイナを美味しく感じる時にはこの揮発性が収まり、もっとホコホコとしてくるのである。地下鉄から地上に出た際の銀座の歩行者天国の足音を思い出した。
 なにはともあれ何でこんなに巻きが窮屈なのだろう。真面目にパイプをやっていなかったら、吃驚して二つ折りしてしまうところである。多少ストレスは残るものの、お固いキューバシガーをやる人は絶対にパイプに馴れておいた方が良いらしい。

 葉巻では紙巻の消費量は減らなかったが、パイプ煙草を買い込んでからは紙巻の量が減った。
 葉巻の直後に紙巻を吸っても多少紙臭いぐらいで特別不味くなかったが、パイプ煙草の直後に紙巻を吸うと紙臭いというより葉自体を不味く感じる。

 思惑どおり、パイプを噛む時には煙に巻かれはせず、別の事に集中できている。パイプの事を考えるのも、葉巻の時なのである。
 パイプがつまらないかというとそうではなく、音楽とか煙とか風邪とかが備える神的な惹起をうまい具合に引き離している物だと思う。煙にして煙の対極である。
 何事に集中したいのかといえば、パイプと葉巻の中間の事に集中したかった。何故というに、其処にノーベル文学賞と一億円が見えるからである。取ろうと思って取れるなら、取らない手はない。これこそ半ば煙たい事なのである。

 結局二時間で了。遅いからといって火種が凹む事も無く、固ければ固いほど火種は凸に成り易い。根っからのクールスモーカーなら三時間に伸ばせたのかもしれない。しかしその三時間はノーベル賞からかけ離れた三時間なのである。つまり1時間得して、1時間損した。パイプは長ければ長いほどノーベル賞に近いのであるが。


 だがまだ四センチ残っている。ナッツが目立ってきて、これまで香らなかった花も咲いた。最終盤に至って極上である。最終盤に特有の雑味もあまり乗らず、まるでモンテクリストの序盤のような色濃くクッキリとした爽やかさ。ただ火種の近さが熱い。固いモノ特有の出来事なのかもしれない。
 最後の葉巻らしい美味しさがパイプを根絶やしにしそうだが、残二センチを切り刻んでパイプに詰めてみたのである。今までは切り刻まずにそのまま煙突のようにパイプに嵌めただけだったが。
 これが、恐ろしいほど辛く、火が点きにくく、不味い。
|BRU SEP 10|6 2/5 x 42|coh-hk|$184.50/25|重量:+1|算出:+4|香味:+3|

 人気がなさそうな葉巻なので古物が届くと思っていたが、新しかった。これこそ五年物が欲しかったが、仕方なし。
 昔試した時はもっとラッパーが柔和な色だったような。昨日のインメンサスと並べてみるとかなりの褐色である。クラシコスとファミリアールを並べた時はファミリアールの方がずっと褐色だったから、いまやファミリアールはほとんど黒に近いのかもしれない。

 香味は穏やかで、インメンサスと比べると明らかだが、少し埃っぽい。この埃は、ダビドフでは松茸に、コイーバではおそらく炭に至る芳香である。
 埃がけっこうな煙草っぽさに変化し、強い感じがしてくる。ロバイナらしいカカオも膨らんでいるので、紙巻煙草のジョーカーとか、ああいうものを思い出す。それでもとにかくコクが穏やかで、高密度ではなく、過疎でもなく、どこかほっこりしている。花はとっくの昔に咲いている。重要にして脇役の花。花がここまで確実な脇役に回るのも珍しい。
 荒くもなく、渋くもなく、辛くもなく、特別苦くもないが、何かそのような峻厳な物を片手に持っているという充足がある。そのような何かとは何なのか……煙草っぽさというより、煙っぽさなのだと思う。唖然とするほど単純な煙……そのような煙が煙の中に50%ほどブレンドされている。
 ハバナらしさが薄いようでもあり、濃いようでもあり、ハバナの中でも異質のハバナっぽさを感じる。ロバイナに比べると他のハバナが全部同じハバナに思えなくもない。とはいえこのクラシコスは昔試したものと随分印象が違っている。若いし、到着日だし、よくわからないが、何故かこれで気に入っている。

 昨日と今日で一二を争うお気に入り銘柄を手に入れたらしい。クラシコスとインメンサスのどちらかをもう一箱買うとしたらどちらを選ぶべきか、難しい。サイズはダリアよりもこちらの方が落ち着くけれど。間もなくどちらも購入できなくなりそうだ。

 中盤、何もない畑で誰かが草を燃している、暗雲垂れ込めた光景がよぎったりもする。そういえばこの煙はパドロン・ファミリーリザーブに80%ほど含まれている成分である。思えばあのときも事前の酒で頭痛が響いていたような(そうではなかったかもしれない)。ロバイナはバンドもハバナとは思えないほど剥がしやすい。他人のそら似もどこか意味深である。
 最終盤には苦味が襲ってくる。パルタガスの荒さは高音だが、これは低音が荒い。昼間の長閑さが既に不吉な影を孕んでいたか、終わりは不穏の静かな迫力で、夜の嵐の船室に飛ばされる。波は空高いが雨が降っていないのである。あまりの揺れに花瓶が棚から落ちて花が咲いている。その硝子の破片が唯一の高音である。

 心臓が止まりそうになったので4センチほど残したが、まだまだ先のある味だった。船が揺れて心臓が止まりそうになったのか、はたまた心臓が止まりそうになって船が揺れたのか、どちらが先かわからないが、心臓の悪い人間は葉巻を燻らせるべきでない。
|EMA OCT 07 (19444/20000)|5.5 x 50|coh-hk|$198/10|重量:0|算出:+7|香味:+5|

 おそらくロバイナの葉はハバナでもっともカカオに近い。その甘味のないコク深い葉が、調理前の完成した食材のように燃えている。出でがちである「揮発性の木」も出ず、高音域が欠落している。
 その主役に草花が加わり、あの筆舌を尽くした「不思議な甘味」に整えられていく。静かで上品だが、静かさが濃く感じさせる。 
 みっちり巻かれているものの通りが良く、煙も豊富。灰も落ちにくい。花の香りはかなり甘く吹くことがある。
 四本目にしてレヒオナルの上端を味わい得た気がする。過去三本も不味くなかったが、枯れているかとは思っていたところ、枯れているのではなく静かなだけである。
 静かだが、葉の葉らしい香ばしさとコクが根っからの濃さなので、葉巻を燻らせている気分になりきれる。煙を超える粘性などは出ないが、旨味の欠落を感じない。完璧なバランスというものだが、羽の生えたバランスではなく、三つ目が二つ目に落ち着き、やっと人間になれたという味わいである。
 一貫して雑味が無くロバイナっぽいので、腹も立たずに次第に飽きて、もっとスモールサイズで良かった気がしなくもない。しかししつこく根本まで惜しませる淡さがある。ドラキュラのように最後の一滴まで人間の血を吸わせるらしい。
 粉挽きの葉のコクが無ければ、お菓子っぽくもある。

 葉巻全体がなかなか当たらない事実が嫌というほどわかってきたので、一年前頃から採点が甘くなり、今やますます甘くなり、1点余計に加算している気がするが、兎に角+5。

 正月はDavidoff grand cru No.5がハズレて、Davidoff millennium petit coronasがハズレた。どうしようもない。ダビドフよりもレヒオナルの方がアタリ易いのかもしれない。

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