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|OUS OCT 09|6 x 50|cigarOne|$198/12|+5|+4|
三週間経ったので二本目。トリニダッドは十二本入りだし、だんだん消費ペースは落ちるはずなので三年はもつと思う。
初っぱなに滅茶苦茶美味しい葉巻らしい味がしたまま、それっきり。「やわらかいなぁ」「かろやかだなぁ」とは思うけれど、「おいしいなぁ」とは思えない。膨らみがまったくなくて、吸い込みは絶妙なのに煙の量が少ない。煙の量を増やす熟成方法でもあればなぁと虚無的に思いながら、柔らかさと軽やかさとに我慢して二十分も経つと、突然美味しさが膨らむ。と思ったら口から大量の煙が出た。初っぱなの香ばしさも再び感じられるようになった。柔らかさと軽やかさはそのまま、香ばしさが加味されて、膨らむ。「杉」もこなれていて煩くない。
「美味しい!」というよりも「使い道がある!」というような葉巻なのだろうか。使い道がありすぎる。いつ手に取っても美味しいだろうなと思わせる反面、そぐわない場面がなさそうな反面、「ここぞ」と言うときには相応しくないかもしれない。ここぞと言うときに何もなく、葉巻がここぞという場面を虚妄させるだけのものなら、どの葉巻にも増してこの葉巻がここぞという場面に相応しいのかもしれない。
ということはこの葉巻のみで肩透かしを喰らう事無く生涯を過ごせる事になる。これこそもっともデイリーに相応しくなり、他の葉巻が出てくる場面はなくなる。
言葉の綾だが、もし自分が大金持ちだったらこれだけでもよいような気は確かにしてくる。探求心を萎えさせる面白味が柔らかさにある。女房が作ってくれるインスタントラーメンのようでいて、そのラーメンが、と言うより女房が●ちゃんの社長令嬢だったとでもいうようななしくずしの満悦。喩えが悪いけれど。
やわらかさ以外何も考えたくない。弥勒菩薩の精巧な複製のような。一本目ほどの滑らかさは感じなかったが、かなりの当りらしい。最後には結構しみじみとして、箏曲を真面目に聴いていたからか、根元を越えて消しがたくなった。
三週間経ったので二本目。トリニダッドは十二本入りだし、だんだん消費ペースは落ちるはずなので三年はもつと思う。
初っぱなに滅茶苦茶美味しい葉巻らしい味がしたまま、それっきり。「やわらかいなぁ」「かろやかだなぁ」とは思うけれど、「おいしいなぁ」とは思えない。膨らみがまったくなくて、吸い込みは絶妙なのに煙の量が少ない。煙の量を増やす熟成方法でもあればなぁと虚無的に思いながら、柔らかさと軽やかさとに我慢して二十分も経つと、突然美味しさが膨らむ。と思ったら口から大量の煙が出た。初っぱなの香ばしさも再び感じられるようになった。柔らかさと軽やかさはそのまま、香ばしさが加味されて、膨らむ。「杉」もこなれていて煩くない。
「美味しい!」というよりも「使い道がある!」というような葉巻なのだろうか。使い道がありすぎる。いつ手に取っても美味しいだろうなと思わせる反面、そぐわない場面がなさそうな反面、「ここぞ」と言うときには相応しくないかもしれない。ここぞと言うときに何もなく、葉巻がここぞという場面を虚妄させるだけのものなら、どの葉巻にも増してこの葉巻がここぞという場面に相応しいのかもしれない。
ということはこの葉巻のみで肩透かしを喰らう事無く生涯を過ごせる事になる。これこそもっともデイリーに相応しくなり、他の葉巻が出てくる場面はなくなる。
言葉の綾だが、もし自分が大金持ちだったらこれだけでもよいような気は確かにしてくる。探求心を萎えさせる面白味が柔らかさにある。女房が作ってくれるインスタントラーメンのようでいて、そのラーメンが、と言うより女房が●ちゃんの社長令嬢だったとでもいうようななしくずしの満悦。喩えが悪いけれど。
やわらかさ以外何も考えたくない。弥勒菩薩の精巧な複製のような。一本目ほどの滑らかさは感じなかったが、かなりの当りらしい。最後には結構しみじみとして、箏曲を真面目に聴いていたからか、根元を越えて消しがたくなった。
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|4 3/8 x 40|cigarOne|$9|+2|+2|
今回で二本目だが、思っていたよりずっとハバナハバナしていて強い。吸い込み絶妙煙量豊富でフルボディ、少し辛いぐらい。今日のようなお昼向けの葉巻だったのか、ハバナ革のような香ばしさを伴ったまま花や杉のエキスが燻されている。1センチほどで咽に違和感が兆す強さだが、2センチほど進むと嵐が去ったみたいにいきなり滑らかになる。辛味も嘘のように消えてしまう。本当は最初からこの滑らかさを発揮するのかもしれないが、序盤に嵐があった所為か滑らかさの有り難みがよくわかる。この滑らかさはトリニダッド以外ではきっと得られない。杉もあまり小煩くなく、木は秘めやかで、バターがかった旨味のある花の香味が続いている。革はそのまま大黒柱のようになっていて、葉巻を燻らせている実感が無くならない。
所々で最初の荒々しさの名残が出たり、味が抜け過ぎてシケモクっぽくなったりするが、多少外れても、昼食後の贅沢にぴったりな高級品という感じがする。
昨日シグロ1を久しぶりに試したのだが、やっぱりシグロ1は当たり外れが大きいし始終強いのでこちらの方が安心できるかもしれない。思っていた以上にハバナ感があるし、終盤はナッツの皮のような香ばしさも感じられる。昼食後らしくコーヒーにも合ってくれる。
ただ、そういうランチタイムというものが日本にはあまり存在しそうもない。使い道のない妄想的な葉巻になってしまう。私は夜長のような葉巻が一番好き。
今回で二本目だが、思っていたよりずっとハバナハバナしていて強い。吸い込み絶妙煙量豊富でフルボディ、少し辛いぐらい。今日のようなお昼向けの葉巻だったのか、ハバナ革のような香ばしさを伴ったまま花や杉のエキスが燻されている。1センチほどで咽に違和感が兆す強さだが、2センチほど進むと嵐が去ったみたいにいきなり滑らかになる。辛味も嘘のように消えてしまう。本当は最初からこの滑らかさを発揮するのかもしれないが、序盤に嵐があった所為か滑らかさの有り難みがよくわかる。この滑らかさはトリニダッド以外ではきっと得られない。杉もあまり小煩くなく、木は秘めやかで、バターがかった旨味のある花の香味が続いている。革はそのまま大黒柱のようになっていて、葉巻を燻らせている実感が無くならない。
所々で最初の荒々しさの名残が出たり、味が抜け過ぎてシケモクっぽくなったりするが、多少外れても、昼食後の贅沢にぴったりな高級品という感じがする。
昨日シグロ1を久しぶりに試したのだが、やっぱりシグロ1は当たり外れが大きいし始終強いのでこちらの方が安心できるかもしれない。思っていた以上にハバナ感があるし、終盤はナッツの皮のような香ばしさも感じられる。昼食後らしくコーヒーにも合ってくれる。
ただ、そういうランチタイムというものが日本にはあまり存在しそうもない。使い道のない妄想的な葉巻になってしまう。私は夜長のような葉巻が一番好き。
|OUS OCT 09|6 x 50|cigarOne|$198/12|+5|+4|
葉巻を物色しようと思い立ったばかりの頃から、最後の一本になるだろうと思っていた葉巻。最後ではないが、漸くありつけたと思うと感慨深い。
黄色っぽいラッパーが明るく赤みがかっている。心配していた通り、やっぱり「バター杉」の味わい。杉も木だが、更なる木と、木の染みのような染み臭い花。これだと美味しくても嫌いなはずなのだが、とんでもなくやわらかい。シグロ6の滑らかさに近いやわらかさがある。スケートリンクがミルクで出来ていて、その温かいような氷上で下手に遊んでいるような。もっとも「バター杉」だから下手なのであって、「バター杉」を上手に感じる人は達人のような気分に浸れるらしい。下手でも上手がわかってしまうほど柔らかい。
実は吸い込みがかなり悪いのだが、なんとか美味しさはわかる。
終盤までヘッドをほじくり回していたら吸い込みは改善された。煙量が増えつつ柔らかさになめらかさまで加わって、「大変だ」と思っているとスパイスが出てきて若干引き締める。花が爽やかさを帯びる。
紙巻煙草でも高価なもの(ダビドフマグナムとかナットシャーマンの黒とか)はニコチンの量を間違えるほど軽く感じるけれど、これも弱いのではなく高価な滑らかさなのだと思う。ただ、真空パックで届いて、真空パックを開けた直後に吸っているので気圧によってそうなるのかもしれない。シグロⅥを滑らかに感じた時も開封から間もなくだった。もしそうなのだったら、全部低気圧で保管したくなる。この高級感は、酒でいえば『カミュ・エクストラ』がそうだったし、『パルタガス・セリー5』もそうだったような。
「トリニダッドの味」といえばそうらしいのだが、それよりもシグロ六を強く連想させる。コイーバらしい味まで感じられてしまうが、違いが頼もしい。不満はあるが+4にせざるをえない。
滑らかさは同等だがやさしさが加わっているぶん、シグロ6から引いたものを足せるような。エスプレンディドスのような諄さやバランスの崩れた甘さはあまりない。香味はうっすらとして丁度十分で、甘さも香りに乗っている。ただ問題は「杉と木とバター」なのである。ややコイーバふうに岩味がかってしまうのが絶妙なのだけれど。最終盤では草と粘土が出てきて、依然優しい。
葉巻を物色しようと思い立ったばかりの頃から、最後の一本になるだろうと思っていた葉巻。最後ではないが、漸くありつけたと思うと感慨深い。
黄色っぽいラッパーが明るく赤みがかっている。心配していた通り、やっぱり「バター杉」の味わい。杉も木だが、更なる木と、木の染みのような染み臭い花。これだと美味しくても嫌いなはずなのだが、とんでもなくやわらかい。シグロ6の滑らかさに近いやわらかさがある。スケートリンクがミルクで出来ていて、その温かいような氷上で下手に遊んでいるような。もっとも「バター杉」だから下手なのであって、「バター杉」を上手に感じる人は達人のような気分に浸れるらしい。下手でも上手がわかってしまうほど柔らかい。
実は吸い込みがかなり悪いのだが、なんとか美味しさはわかる。
終盤までヘッドをほじくり回していたら吸い込みは改善された。煙量が増えつつ柔らかさになめらかさまで加わって、「大変だ」と思っているとスパイスが出てきて若干引き締める。花が爽やかさを帯びる。
紙巻煙草でも高価なもの(ダビドフマグナムとかナットシャーマンの黒とか)はニコチンの量を間違えるほど軽く感じるけれど、これも弱いのではなく高価な滑らかさなのだと思う。ただ、真空パックで届いて、真空パックを開けた直後に吸っているので気圧によってそうなるのかもしれない。シグロⅥを滑らかに感じた時も開封から間もなくだった。もしそうなのだったら、全部低気圧で保管したくなる。この高級感は、酒でいえば『カミュ・エクストラ』がそうだったし、『パルタガス・セリー5』もそうだったような。
「トリニダッドの味」といえばそうらしいのだが、それよりもシグロ六を強く連想させる。コイーバらしい味まで感じられてしまうが、違いが頼もしい。不満はあるが+4にせざるをえない。
滑らかさは同等だがやさしさが加わっているぶん、シグロ6から引いたものを足せるような。エスプレンディドスのような諄さやバランスの崩れた甘さはあまりない。香味はうっすらとして丁度十分で、甘さも香りに乗っている。ただ問題は「杉と木とバター」なのである。ややコイーバふうに岩味がかってしまうのが絶妙なのだけれど。最終盤では草と粘土が出てきて、依然優しい。
5 1/4 x 44|cigarOne|$11|0|+1|
これでトリニダッドは三種目だけれど、玄人にしか美味く解釈できない味なのか、解釈どころか美味しく感じないのだからしょうがない。三種とも似通った味だったのでハズレではなさそうで、1001で購入した旧トリニダッドが思わせぶりだっただけに一番美味しいような気がした。気がしただけだけれど。
ロブストエクストラが残っているのだが、これで美味しくなかったらトリニダッドを吸う資格無しということになる。くさや的な美味しさでなければ美味しいものはたぶん素人でも美味しいはずで、そうすると嗅覚か味覚の何処かが壊れてしまったのかもしれない。なんだか美味しく感じるはずである香味を感じている気もするし。美味しいと思えば美味しいような。でもクァバに似ている。クァバをスパイシーにして平凡にした感じ。水臭くてバターで黄ばんだクリームシチューのような。そもそもスパイスなんて美味しい葉巻に必要であるはずがない(ロッキーパテルは例外かもしれない)。
葉巻の味がしないので本当はこちらが超凡なのかもしれない。でもその超凡が水臭くて美味しくない。そもそも超えて葉巻らしさ以外の何処へ行くのかわからない。なにもわからない。頭が悪くなったような気にさせる葉巻だなぁ。そもそも他の方々がこれは不味いと言ってくれれば済む問題だけれど。
今度最高得点を出したダビドフのナンバー2を試してみて美味しく感じなかったら壊れているということにしよう。壊れていたら三年ぐらいはトリニダッドから遠離ろう。優しそうな味わいだけれど少しイガイガしているし煙も少ないので葉巻が壊れているのかもしれない。三種とも壊れていたという落ちも口惜しいけれど。
これでトリニダッドは三種目だけれど、玄人にしか美味く解釈できない味なのか、解釈どころか美味しく感じないのだからしょうがない。三種とも似通った味だったのでハズレではなさそうで、1001で購入した旧トリニダッドが思わせぶりだっただけに一番美味しいような気がした。気がしただけだけれど。
ロブストエクストラが残っているのだが、これで美味しくなかったらトリニダッドを吸う資格無しということになる。くさや的な美味しさでなければ美味しいものはたぶん素人でも美味しいはずで、そうすると嗅覚か味覚の何処かが壊れてしまったのかもしれない。なんだか美味しく感じるはずである香味を感じている気もするし。美味しいと思えば美味しいような。でもクァバに似ている。クァバをスパイシーにして平凡にした感じ。水臭くてバターで黄ばんだクリームシチューのような。そもそもスパイスなんて美味しい葉巻に必要であるはずがない(ロッキーパテルは例外かもしれない)。
葉巻の味がしないので本当はこちらが超凡なのかもしれない。でもその超凡が水臭くて美味しくない。そもそも超えて葉巻らしさ以外の何処へ行くのかわからない。なにもわからない。頭が悪くなったような気にさせる葉巻だなぁ。そもそも他の方々がこれは不味いと言ってくれれば済む問題だけれど。
今度最高得点を出したダビドフのナンバー2を試してみて美味しく感じなかったら壊れているということにしよう。壊れていたら三年ぐらいはトリニダッドから遠離ろう。優しそうな味わいだけれど少しイガイガしているし煙も少ないので葉巻が壊れているのかもしれない。三種とも壊れていたという落ちも口惜しいけれど。
4 3/8 x 40|cigarOne|$9|−2|0|
ミツバチのような香りがする。蜂蜜でもなく虫でもなく、ミツバチというのはきっとこんな香りがするのだろう。
火を点けてみるとダビドフを黄色くして辛くした感じ。旨味もない。段々スパイシーになってくるが灰味も強まり味気ない。私はトリニダッドが嫌いなのかもしれない。フンダドーレスはたまたまハズレを引いただけだと思っていたけれど、そうではないのかもしれない。それでもフンダドレスの方がずっと美味しかった。このレイジェスこそハズレなのか。味気ない時のダビドフの方が雑味がないぶんまだ好ましい。
ミツバチのような香りがする。蜂蜜でもなく虫でもなく、ミツバチというのはきっとこんな香りがするのだろう。
火を点けてみるとダビドフを黄色くして辛くした感じ。旨味もない。段々スパイシーになってくるが灰味も強まり味気ない。私はトリニダッドが嫌いなのかもしれない。フンダドーレスはたまたまハズレを引いただけだと思っていたけれど、そうではないのかもしれない。それでもフンダドレスの方がずっと美味しかった。このレイジェスこそハズレなのか。味気ない時のダビドフの方が雑味がないぶんまだ好ましい。
7 1/2 x 40|1001|$14.75|+1|+2|
いまさら旧トリニダッド。香りがほとんど無い。カットしてみると吸い込みが少し悪い。
あまり期待していなかったが、やはり。やはりがやはりと思わせるのではないだろう。昔時の面影はありそうなものの、香味が抜け落ち、古人形のような臭さが廃墟のように感じられる。トリニダッド特有の香味があるにしてもおそらくそれが極端に薄れ、かえって1001特有の味わいがある。美味しい物にも店特有の味わいが付いているのかもしれないが、たぶん不味ければこその店特有の味わいなのだろう。香味が抜け落ちたからか、薄いだけあって、少しモンテクリストのオープンシリーズに似ている。オープンシリーズに失礼だが、こちらのトリニダッドが特別不味いわけではない。面影でも十分+1以上に比する。旧バンドの方が良いという噂を聞いた事があるけれど、これだったら新バンドの方が良いに決まっているし、しかし新バンドだったら面影さえ消えてしまったのかもしれない。誰か旧バンドを精妙に熟成させたモノを一本下さいということです。
序盤の古人形臭は序盤を過ぎて無くなっている。着火口がすこし緑がかっていたのでそれかもしれない。序盤以降は、微かだが、これこそ1001特有の、豚のいなくなった豚小屋のような風情がある。
面影は、柔軟剤で和らげた真綿に胡椒をまぶした染みた木の味わいがある。ハチャメチャな文章でもわかってもらえると思う。ハチャメチャこそまっとうな葉巻であって、ワインにリコリスを求めるような真似は本当はあまりしたくない。
最終盤、花の精髄のような桃色や薄黄色や水色が過る。嬉しいことに、これは不味いはずなのだが、始終とんでもなく美味しい物の面影が変化しめくるめいている。面影なのに想い出ではない。走馬灯なのに。走馬灯が死ではなく復活の象徴であるのは葉巻や花ならではだろうね。花も象徴となってしまってはやり切れないはずだが。
7 1/2 x 40|cigarOne|$21|+1|+2|
凡庸な始まり方をする。湿度50%のような朗らかさで、響宴前の静けさ、またはあまり静寂ではなくガチャガチャと準備が進んでいるような気もする。1センチを越えた辺りで少しスパイスが振舞われた。出ばなを挫くようなありきたりの前菜。さっきからずっと木とも何とも言えないような柔らかい芳香が漏れてきているが、響宴から弾かれて納屋に居るような気もする。
1度目の灰を落とす頃、バターキャラメル状のものが姿を整えつつある。娘などではなくUFOのように。少し焦げ目もついて、キャラメルほどの質量もないのでマドレーヌかもしれない。スパイシーなマドレーヌ。ただ、これならマドレーヌを吸っていた方がずっと美味しい。これはこの後に食べることもできないのに既にマドレーヌに負けている。前回の旧トリニダッドの思わせぶりな不味さもないが、美味しさもない。思わせぶりなら残念にもなるのだが、これは絶望で、期待しすぎたのがいけなかったのかと考えさせるのである。煙が考えさせるなんて、確かに昔から煙こそが考えさせるのかもしれないが、むしろ煙は思考を捨てさせるのではなかったのか。
金木犀をバターとシナモンで煮詰める鍋の香りがしているではないか。それなのに何が不満なのかわからない。金木犀は少しシャンプーのようでもあり、これなら風呂に浸かっていた方が良い。雑味は悉く無いといえば言い過ぎながら、それにちかいものもあり、柔らかいのにミディアム以上の強さはあるようだった。味はバターを思わせるぐらいだから柔らかくもしつこい。
草は生えていたが、たぶん、葉巻なのに葉巻の味が足りないのである。他のトリニダッドを試してみてからまた試してみよう。こういうものは絶望とはいわない。
いまさら旧トリニダッド。香りがほとんど無い。カットしてみると吸い込みが少し悪い。
あまり期待していなかったが、やはり。やはりがやはりと思わせるのではないだろう。昔時の面影はありそうなものの、香味が抜け落ち、古人形のような臭さが廃墟のように感じられる。トリニダッド特有の香味があるにしてもおそらくそれが極端に薄れ、かえって1001特有の味わいがある。美味しい物にも店特有の味わいが付いているのかもしれないが、たぶん不味ければこその店特有の味わいなのだろう。香味が抜け落ちたからか、薄いだけあって、少しモンテクリストのオープンシリーズに似ている。オープンシリーズに失礼だが、こちらのトリニダッドが特別不味いわけではない。面影でも十分+1以上に比する。旧バンドの方が良いという噂を聞いた事があるけれど、これだったら新バンドの方が良いに決まっているし、しかし新バンドだったら面影さえ消えてしまったのかもしれない。誰か旧バンドを精妙に熟成させたモノを一本下さいということです。
序盤の古人形臭は序盤を過ぎて無くなっている。着火口がすこし緑がかっていたのでそれかもしれない。序盤以降は、微かだが、これこそ1001特有の、豚のいなくなった豚小屋のような風情がある。
面影は、柔軟剤で和らげた真綿に胡椒をまぶした染みた木の味わいがある。ハチャメチャな文章でもわかってもらえると思う。ハチャメチャこそまっとうな葉巻であって、ワインにリコリスを求めるような真似は本当はあまりしたくない。
最終盤、花の精髄のような桃色や薄黄色や水色が過る。嬉しいことに、これは不味いはずなのだが、始終とんでもなく美味しい物の面影が変化しめくるめいている。面影なのに想い出ではない。走馬灯なのに。走馬灯が死ではなく復活の象徴であるのは葉巻や花ならではだろうね。花も象徴となってしまってはやり切れないはずだが。
7 1/2 x 40|cigarOne|$21|+1|+2|
凡庸な始まり方をする。湿度50%のような朗らかさで、響宴前の静けさ、またはあまり静寂ではなくガチャガチャと準備が進んでいるような気もする。1センチを越えた辺りで少しスパイスが振舞われた。出ばなを挫くようなありきたりの前菜。さっきからずっと木とも何とも言えないような柔らかい芳香が漏れてきているが、響宴から弾かれて納屋に居るような気もする。
1度目の灰を落とす頃、バターキャラメル状のものが姿を整えつつある。娘などではなくUFOのように。少し焦げ目もついて、キャラメルほどの質量もないのでマドレーヌかもしれない。スパイシーなマドレーヌ。ただ、これならマドレーヌを吸っていた方がずっと美味しい。これはこの後に食べることもできないのに既にマドレーヌに負けている。前回の旧トリニダッドの思わせぶりな不味さもないが、美味しさもない。思わせぶりなら残念にもなるのだが、これは絶望で、期待しすぎたのがいけなかったのかと考えさせるのである。煙が考えさせるなんて、確かに昔から煙こそが考えさせるのかもしれないが、むしろ煙は思考を捨てさせるのではなかったのか。
金木犀をバターとシナモンで煮詰める鍋の香りがしているではないか。それなのに何が不満なのかわからない。金木犀は少しシャンプーのようでもあり、これなら風呂に浸かっていた方が良い。雑味は悉く無いといえば言い過ぎながら、それにちかいものもあり、柔らかいのにミディアム以上の強さはあるようだった。味はバターを思わせるぐらいだから柔らかくもしつこい。
草は生えていたが、たぶん、葉巻なのに葉巻の味が足りないのである。他のトリニダッドを試してみてからまた試してみよう。こういうものは絶望とはいわない。
銘
囹
月