×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
|MGA NOV 10|4 x 48|puro-express|€97.50/12|重量:0(11.59g)|算出:+2|香味:+2|計4点|
揮発性の木、微かな枝豆、栗の殻と渋皮、この三つが目立つ。
重量過多でドローが悪いせいか、栗の中身は薄らともしなかった。もともと外皮っぽい味わいの葉巻であるとはいえ、トリニダッドは全体中身が軽いようなものだから、ドロー難となるとその軽さがまるで生きない。リミターダの水っぽさをも軽さに加えて、水も乾く。揮発性の木が出てしまうし、微かな枝豆(「汗」と同じなのだが、気持ち悪いので今日から枝豆と書くことにした)も美味しくない。それでも栗の皮が孤軍奮闘で濃厚に美味しさを増している、それ自体渋いのに。コイーバのマデューロに近いような皮ではないかと思う。醤油の染みっぽく湿っていて、ややナッツを焦がしたようで。間もなく訪れる最終盤でかろうじて花が咲く。
残1本
揮発性の木、微かな枝豆、栗の殻と渋皮、この三つが目立つ。
重量過多でドローが悪いせいか、栗の中身は薄らともしなかった。もともと外皮っぽい味わいの葉巻であるとはいえ、トリニダッドは全体中身が軽いようなものだから、ドロー難となるとその軽さがまるで生きない。リミターダの水っぽさをも軽さに加えて、水も乾く。揮発性の木が出てしまうし、微かな枝豆(「汗」と同じなのだが、気持ち悪いので今日から枝豆と書くことにした)も美味しくない。それでも栗の皮が孤軍奮闘で濃厚に美味しさを増している、それ自体渋いのに。コイーバのマデューロに近いような皮ではないかと思う。醤油の染みっぽく湿っていて、ややナッツを焦がしたようで。間もなく訪れる最終盤でかろうじて花が咲く。
残1本
PR
|PUB OCT 07|6.4 x 42|cigarOne|$202/12|重量:0(11.19g)|算出:+3|香味:+3|
前回8本目と書いているが、頭がおかしかったらしく、今回が8本目だった。前回から2年半以上経過している。何故かこの葉巻の存在を忘れていたのである。存在を忘れさせるような、異様な存在感の葉巻なのである。
ラッパーはハバナにしてはマデューロ寄りの斑で、葉脈に沿って緑掛っている。忘れていて箱を開け閉てしなかったからか、匂いは保たれている。嚔が出る。
物凄く葉巻の味わいが濃い。初心に戻されたかのように、いかにも葉巻を吸っているという心地がする。煙は柔らかく軽く……ますます柔らかく軽く、トリニダッド特有の滑らかな煙に、葉巻豆の香ばしさがつづく。柔らかさにバニラがほっそりロンズデール状に膨らみ、菊のような草が少々。甘味も少々。
草や甘味が消失する。なるほど、これだ、芯に味がない、初日と同じ、五味の消失、香りだけの葉巻となる。消失とともに金木犀が吹き出す。
不安定な金木犀。
粘土、黴の風味。複雑怪奇である。
白いようで黄色い麝香鹿の小水の雲。
〜後半、味が安定する。薄くもバランスよく、甘味も微かながらに復し、依然葉巻豆が香ばしい。今度は甘味が消えずに、金木犀が芬芬と重なる。
ただでさえ特別なトリニダッドに更に特別感を出そうとして変テコになったものだろう。滑らかさ軽やかさはいかにもトリニダッドだし、一方香りの濃さは桁外れで……終には脳髄に香の剣山が刺さる。
前回8本目と書いているが、頭がおかしかったらしく、今回が8本目だった。前回から2年半以上経過している。何故かこの葉巻の存在を忘れていたのである。存在を忘れさせるような、異様な存在感の葉巻なのである。
ラッパーはハバナにしてはマデューロ寄りの斑で、葉脈に沿って緑掛っている。忘れていて箱を開け閉てしなかったからか、匂いは保たれている。嚔が出る。
物凄く葉巻の味わいが濃い。初心に戻されたかのように、いかにも葉巻を吸っているという心地がする。煙は柔らかく軽く……ますます柔らかく軽く、トリニダッド特有の滑らかな煙に、葉巻豆の香ばしさがつづく。柔らかさにバニラがほっそりロンズデール状に膨らみ、菊のような草が少々。甘味も少々。
草や甘味が消失する。なるほど、これだ、芯に味がない、初日と同じ、五味の消失、香りだけの葉巻となる。消失とともに金木犀が吹き出す。
不安定な金木犀。
粘土、黴の風味。複雑怪奇である。
白いようで黄色い麝香鹿の小水の雲。
〜後半、味が安定する。薄くもバランスよく、甘味も微かながらに復し、依然葉巻豆が香ばしい。今度は甘味が消えずに、金木犀が芬芬と重なる。
ただでさえ特別なトリニダッドに更に特別感を出そうとして変テコになったものだろう。滑らかさ軽やかさはいかにもトリニダッドだし、一方香りの濃さは桁外れで……終には脳髄に香の剣山が刺さる。
|OUS OCT 09|6 x 50|cigarOne|$198/12|重量:+1(17.22g)|算出:+3|香味:+3|計7点|
この箱とももうお別れ。
葉の風味、突如猛烈ともなりそうな花、現に微かに猛烈となる花、杉。
煙の口蓋での豊満な膨らみ、舌の上を浮いて辷るような優しさ、軽さ、一切の雑味がない。
外交用ブランドだったと云う話は聞くけれど、そういえば、葉巻経験がない外賓でも持て余さない優しい味わいにした物なのかもしれない。薄いだけかというと、薄さの中にコイーバにしかないような風味も僅かにある。
2箱持っている。2011年の箱はどうやら2009年ほどの物ではないようだ。ラッパーの色味も2011年はやや暗く斑がある。外見の相違は二年間の熟成の差ではないだろう。
胡椒のような刺激が火花のように弾け始める。それは舌に点く。良くも悪くも。
文字通り風のような風味一辺倒で、甘味などほとんど感じない。しかも無風の風体である。
序盤は期待にも想い出にも満ちて最上(+5点)だったが、いずれ変化があまり面白くない、悪く変化するというのではなしに。重量過多で若干吸い込みが悪いのも燻りの起因であろうかと思う。燻る煙が燻って何が悪いのかよくわからないが、良くはない。ずっと丁寧で、落ち着いているものの、流石に最終三分間は刺激が増す。
箱終了。
この箱とももうお別れ。
葉の風味、突如猛烈ともなりそうな花、現に微かに猛烈となる花、杉。
煙の口蓋での豊満な膨らみ、舌の上を浮いて辷るような優しさ、軽さ、一切の雑味がない。
外交用ブランドだったと云う話は聞くけれど、そういえば、葉巻経験がない外賓でも持て余さない優しい味わいにした物なのかもしれない。薄いだけかというと、薄さの中にコイーバにしかないような風味も僅かにある。
2箱持っている。2011年の箱はどうやら2009年ほどの物ではないようだ。ラッパーの色味も2011年はやや暗く斑がある。外見の相違は二年間の熟成の差ではないだろう。
胡椒のような刺激が火花のように弾け始める。それは舌に点く。良くも悪くも。
文字通り風のような風味一辺倒で、甘味などほとんど感じない。しかも無風の風体である。
序盤は期待にも想い出にも満ちて最上(+5点)だったが、いずれ変化があまり面白くない、悪く変化するというのではなしに。重量過多で若干吸い込みが悪いのも燻りの起因であろうかと思う。燻る煙が燻って何が悪いのかよくわからないが、良くはない。ずっと丁寧で、落ち着いているものの、流石に最終三分間は刺激が増す。
箱終了。
|MGA NOV 10|4 x 48|puro-express|€97.50/12|重量:10.81g|算出:+6|香味:+4|
出だし好調。澄んだ空に、しっかりとした褐色の葉の味がする。この澄んだ空がいずれリミターダ特有の味の水っぽさに変わり、葉の味わいは良くも悪くも変化の妙味に塗り潰されていくと思うのである。
コレージ・ビッラ・トリプロ・マルトという高額ビール(兎に角泡が多くて吃驚)を呑んでいるのだが、互いに影響しない平行関係を構築している。これは只管葉巻に雑味がないという事かもしれない。
水の所為でこってりとしそうなカスタードが淡いものに感じられる。実際に冒頭の自然香はなくなり、自然な葉っぱなのにカスタードや花が薫っているという驚きに変わる。だが私は驚かず、冒頭が好き。
やはり水のリミターダが+5に届く事はなさそうである。レギュラー品なら届きえても。しかし不味いという事もほぼ絶対にない。
リミターダの特徴を「水」と言い切る人はベニスでこれを薫らせる場面を想像すると良さそう。水ばかりの都ゆえ、消えたはずの土属の風味も対照的に際やかになりそう。まったく硝子細工のような葉巻。……ここで終ればよいのだが、恥ずかしながらそうはならず。美しい言葉を用いればアックア・アルタが起こるのである。だが水の引きは思いのほか早く、作曲家マリピエロによる弦使いの壊れやすい綾に似た霧がオーケストラのように立ち籠める。ちょうどシロッコ(風)のようなシロップの甘味が水に薄まって吹いていた。するとどことなくアイスティーに似た。飲物を麦酒から冷たい冷酒に変えたからかもしれない。矢継ぎ早。
冷酒のパイナップル香と混ざってか、霧の中なのに花がけざやかに香る。飲物を変えると同時に葉巻が終盤に入ったのだろう。実に区切りある葉巻である。後はベニスに死すのみ。
死にそうでなかなか死なず、ますます生き生きとしたりする。呑気な砂浜の香さえ漂う。みながはしゃいでいる砂浜で孤独な者は一人死ぬのである。
ベニス(及びトーマス・マン『ベニスに死す』)を思いついたからか、これは+5に限りなく近づいた。この世にベニスがなければこの葉巻はどうなってしまうのだろう。死んだつもりが杉の助け舟がぽっかり浮かぶのだろうか。
出だし好調。澄んだ空に、しっかりとした褐色の葉の味がする。この澄んだ空がいずれリミターダ特有の味の水っぽさに変わり、葉の味わいは良くも悪くも変化の妙味に塗り潰されていくと思うのである。
コレージ・ビッラ・トリプロ・マルトという高額ビール(兎に角泡が多くて吃驚)を呑んでいるのだが、互いに影響しない平行関係を構築している。これは只管葉巻に雑味がないという事かもしれない。
水の所為でこってりとしそうなカスタードが淡いものに感じられる。実際に冒頭の自然香はなくなり、自然な葉っぱなのにカスタードや花が薫っているという驚きに変わる。だが私は驚かず、冒頭が好き。
やはり水のリミターダが+5に届く事はなさそうである。レギュラー品なら届きえても。しかし不味いという事もほぼ絶対にない。
リミターダの特徴を「水」と言い切る人はベニスでこれを薫らせる場面を想像すると良さそう。水ばかりの都ゆえ、消えたはずの土属の風味も対照的に際やかになりそう。まったく硝子細工のような葉巻。……ここで終ればよいのだが、恥ずかしながらそうはならず。美しい言葉を用いればアックア・アルタが起こるのである。だが水の引きは思いのほか早く、作曲家マリピエロによる弦使いの壊れやすい綾に似た霧がオーケストラのように立ち籠める。ちょうどシロッコ(風)のようなシロップの甘味が水に薄まって吹いていた。するとどことなくアイスティーに似た。飲物を麦酒から冷たい冷酒に変えたからかもしれない。矢継ぎ早。
冷酒のパイナップル香と混ざってか、霧の中なのに花がけざやかに香る。飲物を変えると同時に葉巻が終盤に入ったのだろう。実に区切りある葉巻である。後はベニスに死すのみ。
死にそうでなかなか死なず、ますます生き生きとしたりする。呑気な砂浜の香さえ漂う。みながはしゃいでいる砂浜で孤独な者は一人死ぬのである。
ベニス(及びトーマス・マン『ベニスに死す』)を思いついたからか、これは+5に限りなく近づいた。この世にベニスがなければこの葉巻はどうなってしまうのだろう。死んだつもりが杉の助け舟がぽっかり浮かぶのだろうか。
|MSE JUN 11|6 x 50|coh-hk|$171.90/12|重量:+1(16.66g)|算出:+3|香味:+3|
特に書き足す事がなく、大体いつも同じように美味しい、高信頼型の葉巻で、ともあれ久しぶりに大物に着火した。
出だしはクリーニング屋に始まったが、3分で落ち着く。ナッツ感が他のどの銘柄よりも美味しい。このナッツ感はやはりコイーバに似ているが岩味までは行かず、とりわけ瑪瑙などは出現せず、杉の爽やかさにナッツが香ばしく映えている。それがしばらくすると何故か緑豆もやしになってしまう……「緑豆もやし」だの「小学生の口臭」だのの言葉の差こそあれこういう風味は多くの葉巻で出るので、これが嫌なら葉巻全体の根源的な欠陥、要するに私は葉巻嫌いなのだが。……清酒のように米を削るというわけにはいくまい。
後半は甘い花が咲いてくる。この葉巻にしてはけっこう大仰に咲き誇り、大仰に甘い。でもこれぐらいでは驚かなくなっている。驚きは必要だが、この手の驚きには慣れていて、特別らしい言葉が出ない。勿論言葉なんかよりは美味しいのである。それで葉巻を語らない言葉(要するに純粋な読書)よりも美味しいかというとそうではない。つまらない書物のような、ありきたりな展開なのである。全く、小一時間葉巻を吸って一読書の体験を得られるかというと、書物の内容を忘れてしまう限りに於いては得られる葉巻だが、全く、葉巻の内容を憶えてしまったのだ。
なので飲物との相性の検査をした。
この葉巻はワインよりも清酒(但し香り高い吟醸酒)が、ウイスキー(クライヌリッシュ14年)よりも華やかなブランデー(マーテル・ノブレジ)が合う。香が喧嘩しそうで喧嘩せず、西風と東風がそれぞれ勝手に吹いて、竜巻にもならないのである。散漫に擦れ違う香と香が心地よい。ワインやウイスキーでコクを足そうなどと考えてはいけない。それぞれの勝手な香こそがそれぞれの香を勝手に引き立てる。清酒よりもワインのほうが香り高いじゃないか、などと考えるには及ばない。ワインは葉巻もワインも殺しやすく、ただ葉巻で疲れる咽を潤すにはアルコール濃度が適当だというぐらいである。又、土臭い葉巻なら土臭いピートの効いた煙っぽいウイスキーが良いのかもしれないが、この葉巻は特別にブランデーだけが葉巻の土臭さを際立ててくれる。そうでもしなければこの葉巻は心地よく土の香を放ってくれない。他の葉巻はけっしてこのような相性ではない為、飲物がこの葉巻の資質を語るように思えてならない。勿論、水しか飲まないという人でも美味しい葉っぱであるに違いない。
(ちなみに、本当にどうでも良い事なので括弧の中で叫んでいるのだが、マーテルノブレジは若干ウイスキーに近い感じが無くはないブランデーで、アラン・ローワンツリーに似ている。というのもその直前に開封したアランはピートの煙が約2秒後に出てくるという不思議な遅延の妙技のある酒で、要するに口に入れた瞬間はスコッチっぽくないのである。当のアランは遅延があまりにも面白い為、葉巻と併せずに単体で愉しみたい。他、モンバッチョラム・10年ソーテルヌフィニッシュを試し、合う合わないといったら合うのだが、もはや相性を超えて意味不明に戯れていた。ソーテルヌフィニッシュの樽の所為なのか、酒自体、美味しい不味いというよりも色々いわしめる要素がありすぎる。)
相性ばかりに気を取られて結局葉巻の味がよくわからなかった。水がおすすめという落ちなのか。
特に書き足す事がなく、大体いつも同じように美味しい、高信頼型の葉巻で、ともあれ久しぶりに大物に着火した。
出だしはクリーニング屋に始まったが、3分で落ち着く。ナッツ感が他のどの銘柄よりも美味しい。このナッツ感はやはりコイーバに似ているが岩味までは行かず、とりわけ瑪瑙などは出現せず、杉の爽やかさにナッツが香ばしく映えている。それがしばらくすると何故か緑豆もやしになってしまう……「緑豆もやし」だの「小学生の口臭」だのの言葉の差こそあれこういう風味は多くの葉巻で出るので、これが嫌なら葉巻全体の根源的な欠陥、要するに私は葉巻嫌いなのだが。……清酒のように米を削るというわけにはいくまい。
後半は甘い花が咲いてくる。この葉巻にしてはけっこう大仰に咲き誇り、大仰に甘い。でもこれぐらいでは驚かなくなっている。驚きは必要だが、この手の驚きには慣れていて、特別らしい言葉が出ない。勿論言葉なんかよりは美味しいのである。それで葉巻を語らない言葉(要するに純粋な読書)よりも美味しいかというとそうではない。つまらない書物のような、ありきたりな展開なのである。全く、小一時間葉巻を吸って一読書の体験を得られるかというと、書物の内容を忘れてしまう限りに於いては得られる葉巻だが、全く、葉巻の内容を憶えてしまったのだ。
なので飲物との相性の検査をした。
この葉巻はワインよりも清酒(但し香り高い吟醸酒)が、ウイスキー(クライヌリッシュ14年)よりも華やかなブランデー(マーテル・ノブレジ)が合う。香が喧嘩しそうで喧嘩せず、西風と東風がそれぞれ勝手に吹いて、竜巻にもならないのである。散漫に擦れ違う香と香が心地よい。ワインやウイスキーでコクを足そうなどと考えてはいけない。それぞれの勝手な香こそがそれぞれの香を勝手に引き立てる。清酒よりもワインのほうが香り高いじゃないか、などと考えるには及ばない。ワインは葉巻もワインも殺しやすく、ただ葉巻で疲れる咽を潤すにはアルコール濃度が適当だというぐらいである。又、土臭い葉巻なら土臭いピートの効いた煙っぽいウイスキーが良いのかもしれないが、この葉巻は特別にブランデーだけが葉巻の土臭さを際立ててくれる。そうでもしなければこの葉巻は心地よく土の香を放ってくれない。他の葉巻はけっしてこのような相性ではない為、飲物がこの葉巻の資質を語るように思えてならない。勿論、水しか飲まないという人でも美味しい葉っぱであるに違いない。
(ちなみに、本当にどうでも良い事なので括弧の中で叫んでいるのだが、マーテルノブレジは若干ウイスキーに近い感じが無くはないブランデーで、アラン・ローワンツリーに似ている。というのもその直前に開封したアランはピートの煙が約2秒後に出てくるという不思議な遅延の妙技のある酒で、要するに口に入れた瞬間はスコッチっぽくないのである。当のアランは遅延があまりにも面白い為、葉巻と併せずに単体で愉しみたい。他、モンバッチョラム・10年ソーテルヌフィニッシュを試し、合う合わないといったら合うのだが、もはや相性を超えて意味不明に戯れていた。ソーテルヌフィニッシュの樽の所為なのか、酒自体、美味しい不味いというよりも色々いわしめる要素がありすぎる。)
相性ばかりに気を取られて結局葉巻の味がよくわからなかった。水がおすすめという落ちなのか。
|PUB OCT 07|6.4 x 42|cigarOne|$202/12|重量:+1(12.43g)|算出:+1|香味:+2|
12.43gだが、ダブルリングなので少し多めになっている。ELのリングのみを計量してみたら0.10gだった。そもそもリングを外して計量すれば良い話だが、なかなかそうはいかない。
前回2011年8月15日に「これでもう五本目なのだった。」とあり、今日で八本目だから、1年5ヶ月で三本消費している。
やはりトリニダッドの杉の味なのだが、なんか違う。豆々しき味があり、それが本体から離れているような、不思議な平行感がある。本体がカスタードの甘さを帯び始めると目立たなくなって、消えかかる飛行機雲といった感じになる。片目が地上に、片目が上空にあったらどんなにヘンテコだろう。しかもその飛行機は豆々しき味を運ぶのであり、つまり飛行機の中に畑があるのである。すると飛行機の畑に草が生える。その草からすぐに花が咲くのはまるで雑草のよう。
飛行機は兎も角、この葉巻を評して「雑草」とはなかなか言い得て妙だと思う。「雑草の花」も同じく。それで不味いわけではなくおもしろい。
おもしろいからか、実に丁寧にちびちび吸い進めたくなるような慎重さに必然的に陥る。巻きの密度もあるのか、軽いのにちびちび吸ってしまう。
ペティコロナ全般と同じリンゲージとは思えないほど細く感じる。それで「豆っぽい」というよりも「豆々しい」のである(語感だが)。
ところが、慎重になるのは、どことなく嫌な予感がするからなのかもしれない。不味いからなのかもしれない。雑草といったりしても雑味がするのではないのに。またしかし雑草が予感に通じるとしたら、予感が外れるとしても、雑草は既に雑味ではないのか。されどあくまでも雲の上の飛行機雲の事なのである。
中身の品質(まさにトリニダッド印)は良い。中身の杉がどんな美味しさを帯びても、雲の上には雑草がある。
高いワインが灯油っぽかったりするように、ガソリンのような奥深い味わいがしたりもする。ガソリンから揮発を連想する(「揮発性の木」といえば悪い葉巻の代表のような言葉だ)が、この木はあまり揮発しない。
EL特有の水っぽさもなくはないが、あまりにヘンテコである為か基本的なカスタードの風味等が美味しいお陰か水っぽさも飛行機雲のように消えかかっている。それでもこのとらえどころのなさは吸う人を水のような気分にさせるかもしれない。煙も水も大差なく、水に巻かれるという事もあるのだろう。
12.43gだが、ダブルリングなので少し多めになっている。ELのリングのみを計量してみたら0.10gだった。そもそもリングを外して計量すれば良い話だが、なかなかそうはいかない。
前回2011年8月15日に「これでもう五本目なのだった。」とあり、今日で八本目だから、1年5ヶ月で三本消費している。
やはりトリニダッドの杉の味なのだが、なんか違う。豆々しき味があり、それが本体から離れているような、不思議な平行感がある。本体がカスタードの甘さを帯び始めると目立たなくなって、消えかかる飛行機雲といった感じになる。片目が地上に、片目が上空にあったらどんなにヘンテコだろう。しかもその飛行機は豆々しき味を運ぶのであり、つまり飛行機の中に畑があるのである。すると飛行機の畑に草が生える。その草からすぐに花が咲くのはまるで雑草のよう。
飛行機は兎も角、この葉巻を評して「雑草」とはなかなか言い得て妙だと思う。「雑草の花」も同じく。それで不味いわけではなくおもしろい。
おもしろいからか、実に丁寧にちびちび吸い進めたくなるような慎重さに必然的に陥る。巻きの密度もあるのか、軽いのにちびちび吸ってしまう。
ペティコロナ全般と同じリンゲージとは思えないほど細く感じる。それで「豆っぽい」というよりも「豆々しい」のである(語感だが)。
ところが、慎重になるのは、どことなく嫌な予感がするからなのかもしれない。不味いからなのかもしれない。雑草といったりしても雑味がするのではないのに。またしかし雑草が予感に通じるとしたら、予感が外れるとしても、雑草は既に雑味ではないのか。されどあくまでも雲の上の飛行機雲の事なのである。
中身の品質(まさにトリニダッド印)は良い。中身の杉がどんな美味しさを帯びても、雲の上には雑草がある。
高いワインが灯油っぽかったりするように、ガソリンのような奥深い味わいがしたりもする。ガソリンから揮発を連想する(「揮発性の木」といえば悪い葉巻の代表のような言葉だ)が、この木はあまり揮発しない。
EL特有の水っぽさもなくはないが、あまりにヘンテコである為か基本的なカスタードの風味等が美味しいお陰か水っぽさも飛行機雲のように消えかかっている。それでもこのとらえどころのなさは吸う人を水のような気分にさせるかもしれない。煙も水も大差なく、水に巻かれるという事もあるのだろう。
|MSE JUN 11|6 x 50|coh-hk|$171.90/12|重量:+1(15.05g)|算出:+5|香味:+4|
09年の残った一本は後生大事にとっておき、新しい箱に着手しました。(結論から申し上げて、変わらぬ味です!)
この葉巻は初め薄口で分かり難いものですが、ひとたび分かるというか、一度気に入ると、何物にも代え難い淡白さを帯びてきます。まるで喉黒の刺身(白身)のようだと申しておきましょう。平目が可哀想になるほどです。
先ず葉の香味が若干コイーバに似た醗酵の味、香がし、シグロ6(喉グロと掛けた訳ではございません)ともなるとそれを巧くカフェオレのミルクのマイルドさで纏めていますが、ロブストエクストラはそれ以上に優しい感じがするのに、ミルク成分を感じ難く、ずっと杉っぽいです。印象を色に喩えても、コイーバが優しいカフェオレ色なのに対し、こちらは薄らと透明な黄色です。他にも平凡な葉巻のようにケーキなどが出てきますが、消えよと思えば消えてくれ、基本というかこの葉巻ならではの美質は醗酵葉の香味と杉、この二つの高貴はずっと消えません。もう余計な変化など永遠に要らないと思えるほどなのです。
変化する度に平凡な葉巻に似てしまう。ですが基本を残して変化がスッと消えてくれるのです。まさに忍者のような葉巻と申せましょう。そうです、私の祖父は忍者でした。ですから死に際に咲く金木犀だけは血しぶきのように許せましょう。あなただって人間宜しく血しぶきが大好きでしょう。いやもっともこの金木犀にしても中盤で現れて消えたりするのですが。変わり身の術というのでしょうか。しかもどこにも手裏剣に因る創痍は感じられないのです!
また忘れてはならなりませんが、忍者と掛けて日本酒と解く、その心はどちらも「に」で始まるという不束な事でございまして、この葉巻が唯一日本酒に合う葉巻だという事なのです。日本酒も葉巻も、より一層高め合い美味しくなるという、実に幾重にも不思議な美味しさのある組み合わせです。
明日も、喉黒を釣って帰った釣果ある人のように、シグロ6ではなくこの喉黒をクーラーボックスから一匹取り出してしまいそうになること請け合いなのであります。喉黒を杉で燻したらと思うと爽やかな涎が出て参ります。今味わっている最中であるにもかかわらず、明日の涎が出て参るのでございます。ですが今宵は対岸の火事のような終盤の最終盤が眠らせてくれるでしょう。
09年の残った一本は後生大事にとっておき、新しい箱に着手しました。(結論から申し上げて、変わらぬ味です!)
この葉巻は初め薄口で分かり難いものですが、ひとたび分かるというか、一度気に入ると、何物にも代え難い淡白さを帯びてきます。まるで喉黒の刺身(白身)のようだと申しておきましょう。平目が可哀想になるほどです。
先ず葉の香味が若干コイーバに似た醗酵の味、香がし、シグロ6(喉グロと掛けた訳ではございません)ともなるとそれを巧くカフェオレのミルクのマイルドさで纏めていますが、ロブストエクストラはそれ以上に優しい感じがするのに、ミルク成分を感じ難く、ずっと杉っぽいです。印象を色に喩えても、コイーバが優しいカフェオレ色なのに対し、こちらは薄らと透明な黄色です。他にも平凡な葉巻のようにケーキなどが出てきますが、消えよと思えば消えてくれ、基本というかこの葉巻ならではの美質は醗酵葉の香味と杉、この二つの高貴はずっと消えません。もう余計な変化など永遠に要らないと思えるほどなのです。
変化する度に平凡な葉巻に似てしまう。ですが基本を残して変化がスッと消えてくれるのです。まさに忍者のような葉巻と申せましょう。そうです、私の祖父は忍者でした。ですから死に際に咲く金木犀だけは血しぶきのように許せましょう。あなただって人間宜しく血しぶきが大好きでしょう。いやもっともこの金木犀にしても中盤で現れて消えたりするのですが。変わり身の術というのでしょうか。しかもどこにも手裏剣に因る創痍は感じられないのです!
また忘れてはならなりませんが、忍者と掛けて日本酒と解く、その心はどちらも「に」で始まるという不束な事でございまして、この葉巻が唯一日本酒に合う葉巻だという事なのです。日本酒も葉巻も、より一層高め合い美味しくなるという、実に幾重にも不思議な美味しさのある組み合わせです。
明日も、喉黒を釣って帰った釣果ある人のように、シグロ6ではなくこの喉黒をクーラーボックスから一匹取り出してしまいそうになること請け合いなのであります。喉黒を杉で燻したらと思うと爽やかな涎が出て参ります。今味わっている最中であるにもかかわらず、明日の涎が出て参るのでございます。ですが今宵は対岸の火事のような終盤の最終盤が眠らせてくれるでしょう。
|MGA NOV 10|4 x 48|puro-express|€97.50/12|重量:--(--g)|算出:+2|香味:+2|
存在感が薄くも真ん中辺りまで吸い馴れた葉巻のように変哲なく美味しかった。が、これもまたELらしく(?)味がストンと抜ける様なところがある。ストンと落ちるとセメダインのような揮発臭がするのも共通している。
吸い馴れていない葉巻なのに吸い馴れているというところはなんだか凄いかもしれない。
トリニダッドの普通のものに比べると焦がしたような香味が加わっている、これは毎回感じる(これで5本目)。どうしてもこのオマケのような付帯味はトリニダッドでは邪魔に感じる。清廉なトリニダッドだからこそ無駄なオマケに感じられてしまうのだろう。それでかえって吸い馴れて変哲が無くなってしまうようである。
トリニダッドEL2007の奇矯の魅力もなさそう。
存在感が薄くも真ん中辺りまで吸い馴れた葉巻のように変哲なく美味しかった。が、これもまたELらしく(?)味がストンと抜ける様なところがある。ストンと落ちるとセメダインのような揮発臭がするのも共通している。
吸い馴れていない葉巻なのに吸い馴れているというところはなんだか凄いかもしれない。
トリニダッドの普通のものに比べると焦がしたような香味が加わっている、これは毎回感じる(これで5本目)。どうしてもこのオマケのような付帯味はトリニダッドでは邪魔に感じる。清廉なトリニダッドだからこそ無駄なオマケに感じられてしまうのだろう。それでかえって吸い馴れて変哲が無くなってしまうようである。
トリニダッドEL2007の奇矯の魅力もなさそう。
|OUS OCT 09|6 x 50|cigarOne|$198/12|重量:+1(14.34g)|算出:+1|香味:+2|
夕日に映えたかのように赤みがかったライトカラーラッパ。夕日といってもまだ赤らみはじめたばかりでラッパが燦々と明るく鳴っている。この箱の、残二本のうちのこの一本はこのように赤いがもう一本はこれほど赤くない。思えば今日夕焼が綺麗だった為に赤い方を選んだのかもしれない。ビルの隙間で肥大化した夕焼、林の木立を黒い影絵に変える夕焼、これらの反対側は満月が昇っていた。まったく別の二カ所で夕焼を鑑賞した。ところが夕焼の事はすっかり忘れていた。
今ではトリニダッドのロブストエクストラが一番の高信頼型の葉巻になっている。味気なく感じるきらいがあるかもしれないが、この当たり障りのない薄味を穿き馴れた靴のようだと思えばこの煙がよく馴染む。もっともその靴が地上を浮き始めるのである。あるいは濃厚化して地に着く事が浮く事にもなる。
鋸で切り出したばかりの杉の鮮度があるのにそれがまろやか。樹皮のナッツの殻のような香ばしさには焦茶色はもちろん茶色味もほとんど見えず、香ばしいにもかかわらず滑らかなペースト状の白いものである。これまた滑らかな黄色い花が添えられ、そこに緑草がバジリコの風をしっかりと纏い、その緑が粘土と小学生以下の人間の吐息と山椒を噛んだ瞬間の感覚などを混ぜたような感覚、要するによくわからない感覚に至ったりする。なるほど、もうあれから五ヶ月も経つ、前回より断然不味い。
最序盤を過ぎると急下降して再浮上しなかった。不味くて吸えないというほどではないけれど、紙巻程度になった。私は紙巻は根元まで吸うたちで、これも根元まで吸った、悪いというほど悪くない。
夕日に映えたかのように赤みがかったライトカラーラッパ。夕日といってもまだ赤らみはじめたばかりでラッパが燦々と明るく鳴っている。この箱の、残二本のうちのこの一本はこのように赤いがもう一本はこれほど赤くない。思えば今日夕焼が綺麗だった為に赤い方を選んだのかもしれない。ビルの隙間で肥大化した夕焼、林の木立を黒い影絵に変える夕焼、これらの反対側は満月が昇っていた。まったく別の二カ所で夕焼を鑑賞した。ところが夕焼の事はすっかり忘れていた。
今ではトリニダッドのロブストエクストラが一番の高信頼型の葉巻になっている。味気なく感じるきらいがあるかもしれないが、この当たり障りのない薄味を穿き馴れた靴のようだと思えばこの煙がよく馴染む。もっともその靴が地上を浮き始めるのである。あるいは濃厚化して地に着く事が浮く事にもなる。
鋸で切り出したばかりの杉の鮮度があるのにそれがまろやか。樹皮のナッツの殻のような香ばしさには焦茶色はもちろん茶色味もほとんど見えず、香ばしいにもかかわらず滑らかなペースト状の白いものである。これまた滑らかな黄色い花が添えられ、そこに緑草がバジリコの風をしっかりと纏い、その緑が粘土と小学生以下の人間の吐息と山椒を噛んだ瞬間の感覚などを混ぜたような感覚、要するによくわからない感覚に至ったりする。なるほど、もうあれから五ヶ月も経つ、前回より断然不味い。
最序盤を過ぎると急下降して再浮上しなかった。不味くて吸えないというほどではないけれど、紙巻程度になった。私は紙巻は根元まで吸うたちで、これも根元まで吸った、悪いというほど悪くない。
|MGA NOV 10|4 x 48|puro-express|€97.50/12|重量:−1(9.55g)|算出:+6|香味:+4|
最近荒野に取り憑かれていたから、これに荒野感がまったくないというだけで非常に美味しく感じる。赤ワインを邪魔しない。昨日のべガスロバイナの荒野は赤ワインを邪魔した。というかトリニダッドはどんな飲物をも邪魔しないらしい、このリミターダに於いても。
木の小便臭さが褐色になるほど濃いところが違うが、杉が滑らかなバターの芳香を放ち、基本的にロブストエクストラに準じる。褐色感も酸味なくキレを増すばかりで、そういう嫌味のない優しい味だが、何だろう、あれの薫りがするが、あれが何なのか思い出せない。佃煮の中の山椒の粒を噛んだ時のような、だがもっと緑っぽいけざやかな色なのである(。それが特徴的に始終ずっと続く)。
この葉巻の欠点は短さであり、よしそれを傑出とするなら、24本は必要だと思う。手軽に手に取ってしまいそうな短さだから、特別な強者でなくても一週間で無くしてしまうだろう。
あんまり美味しいからか、短かさの所為で不要と思ったからか、灰を落とす行為を忘れてポロリとやってしまい、雑巾掛けする羽目になった。
非常に美味しいのに、傑作ではないような。何故だろう。欠点がないというだけでは傑作にはならない。どんなに論理を駆使した文章も川端康成の文章には及ばないという感覚に近い。『水晶幻想』だけは大失敗だと思うのだが。
案の定、特別な変化もなく最終盤に突入して美味が衰える。消火するまで、雑味が加わってまで、根元まで美味しいが、物足りなさが残る。
私は酷評が好きではない、どうしてもっとこう美味しそうに書けないのか不審に思う。
モンテクリスト2010はどうなのだろう。モンテクリスト2008で嫌になったが、トリニダッド2010とパルタガス2010がこれだけ美味しいとなるとモンテクリスト2010も気になる。2010が全て同傾向のリミターダならば、たとえ傑作でなくてもそれなりに楽しめるはず。全て皮だけを変えて中身を同ブランドの特徴的な高品質物と変えていないならば。何処をどう弄ったのかわからないが、バインダーをも変えているような変化率である。
それにしても安く買った。今では40%増の価格になっている。あの投げ売りは何だったのだろう。
ロブストエクストラが廃止というのは本当なのだろうか。あれを廃止にするとは思えないのだが。
最近荒野に取り憑かれていたから、これに荒野感がまったくないというだけで非常に美味しく感じる。赤ワインを邪魔しない。昨日のべガスロバイナの荒野は赤ワインを邪魔した。というかトリニダッドはどんな飲物をも邪魔しないらしい、このリミターダに於いても。
木の小便臭さが褐色になるほど濃いところが違うが、杉が滑らかなバターの芳香を放ち、基本的にロブストエクストラに準じる。褐色感も酸味なくキレを増すばかりで、そういう嫌味のない優しい味だが、何だろう、あれの薫りがするが、あれが何なのか思い出せない。佃煮の中の山椒の粒を噛んだ時のような、だがもっと緑っぽいけざやかな色なのである(。それが特徴的に始終ずっと続く)。
この葉巻の欠点は短さであり、よしそれを傑出とするなら、24本は必要だと思う。手軽に手に取ってしまいそうな短さだから、特別な強者でなくても一週間で無くしてしまうだろう。
あんまり美味しいからか、短かさの所為で不要と思ったからか、灰を落とす行為を忘れてポロリとやってしまい、雑巾掛けする羽目になった。
非常に美味しいのに、傑作ではないような。何故だろう。欠点がないというだけでは傑作にはならない。どんなに論理を駆使した文章も川端康成の文章には及ばないという感覚に近い。『水晶幻想』だけは大失敗だと思うのだが。
案の定、特別な変化もなく最終盤に突入して美味が衰える。消火するまで、雑味が加わってまで、根元まで美味しいが、物足りなさが残る。
私は酷評が好きではない、どうしてもっとこう美味しそうに書けないのか不審に思う。
モンテクリスト2010はどうなのだろう。モンテクリスト2008で嫌になったが、トリニダッド2010とパルタガス2010がこれだけ美味しいとなるとモンテクリスト2010も気になる。2010が全て同傾向のリミターダならば、たとえ傑作でなくてもそれなりに楽しめるはず。全て皮だけを変えて中身を同ブランドの特徴的な高品質物と変えていないならば。何処をどう弄ったのかわからないが、バインダーをも変えているような変化率である。
それにしても安く買った。今では40%増の価格になっている。あの投げ売りは何だったのだろう。
ロブストエクストラが廃止というのは本当なのだろうか。あれを廃止にするとは思えないのだが。
銘
囹
月