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  源氏物語「葉」
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|TEB SEP 07|6.8 x 43|coh-hk|$193.50/25|重量:0(13.32g)|算出:+6|香味:+4|

 下段に着手(つまり14本目)。大体こういうものは下段の方が美味しそうである。中敷を取った途端に蒸したような葉の香が馥郁というにはあまりにもむんむんと匂う。吸い込みに難があるものが多かったので真ん中辺りから一番太く見えるものを選ぶ。
 着火するとほどなくして、上段ではまったく感じなかった「フルボディの土」がやっと出てきた。しかも過激さはなく柔らかい。苦味もパルタガスの898ほどではないし、かなり強いがどことなく浮遊する吸いやすさがある。花なども完全に土煙に巻かれている。この味で花が咲いているのも凄いし、花に負けない土も凄い。どうも当然らしく花と土は相性が良い。
 この土の柔らかさには木の軽さが紛れているのかもしれない。木のエグミも他の雑味も綺麗に無いのが、土をより不思議な土に仕立て上げている。カスタード入りの柔らかいパンケーキになりかねないところを、土臭く押さえている。立ちのぼりそうな土を気圧で押さえているようなふうで、その気圧の正体は口腔であり、口の中で土煙が膨らむ圧力を口を閉じると感じるのである。
 味を同系色で塗り替えかねないかもしれないが、紹興酒は合う。砂糖を入れるとより合うが、酒を新たに注ぐ度に砂糖が溶けていない状態に戻るため、葉巻から甘味が一切感じられない状態にもなる。
 土を更に上塗りするように金木犀が香りはじめてきたので、待ってましたとばかりに桂花陳酒に変える。すると一口、口(酒)なのか鼻(煙)なのか外(まだ咲いている)なのか、三弦を一時に弾かれ、一体何処のどれが木犀なのかわからないと云う非常に夢幻の心地になった。だがそれはほんの二口で終った。実際金木犀が匂ったのは葉巻だけかららしく、葉巻のそれが二口で終ったのである。外の木犀は枯れ、金木犀漬けの酒からはいうほど金木犀らしい金木犀は匂って来ない。中国の木犀と日本の木犀は違うのであろうか。
 桂花陳酒は安い酒だが、安全に合わせるには桂花陳酒の方が簡単である。なにより三弦というのは認識の誤解であれ夢幻の心地がしたのである。葉巻だけでもそうなったかもしれないが、酒からも微かには金木犀を謳う歌が聞こえる。別種の花が離れたり同種の花となって寄り添ったりしている。ともあれ洋酒のように度数も高くなく、清酒のように無色でなく、珈琲紅茶は夜長に相応しからず、ワインほど繊細でない簡明な深さの色が合い、中国酒というのは思いのほか思った通り葉巻に用いやすい良酒である。ボリバーが美味しかったから余計にそうであるのかもしれない。
 終盤では少し茨が伸びてくる。これまで緑色など影だに無く黄色と茶色のみだった。
 花はなかなか萎れず、土は収まり革となる。何の文学でもない煙。

 当りは到着日の一、二本目と今日の三本あるが、「フルボディの土」というボリバーの謳い文句が歌ったのはこれが初めてだった。今日は中敷による密閉の奏功で、中敷を開け閉てしているうちに残十一本も不味くなってしまうのだろうか。
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|TEB SEP 07|6.8 x 43|coh-hk|$193.50/25|重量:0(13.43g)|算出:−4|香味:−2|

 これで8本目だが、美味しかったのは初日の二本のみ。全てに於いて巻きがきつく、木のえぐみを添えた酸味が五月蝿い。巻きがきついからか、最悪のコーヒーにそっくりの嫌な酸味と嫌な苦みも感じるのである。ほとんどその嫌な感じに支配されている。浅煎りし挽いたのち常温で1年間放置した豆で淹れたコーヒーである。滓以外の何物でもない。これなら温かく稼働するコピー機の紙の匂いを嗅いでいた方がまだ良い。ここまで酷評しておきながら、私は良い所を探す。すると健やかなコクが新緑のように芽生えているではないか。だが結局この芽が生育するはずもなかったのである。私はこういう葉巻をギロチンカッターで切ったとき、なんで首ではなかったのかと本当に思う。(ちなみに、本当以上の嘘はない)
 初日の二本が美味しかったのはどういう訳なのだろう。本当に不思議。
|TEB SEP 07|6.8 x 43|coh-hk|$193.50/25|重量:+1|算出:+6|香味:+4|

 頭蓋骨でも届いたかね。郵便局員の朝は早すぎるのだが、何にしろ小包が届くのは吉兆である。
 梱包を解くと五年も古びていると思い、若々しいインメンサスを知らない為、老人を見る思いがした。寝惚けながら計算すれば実は四年強であり、半年にどれほどの違いがあるのかわからないまま、美味しそうなイメージも湧いた。
 蓋を開けるとずらりと巻きが美しく均一で、レギュラー品では見たことのない美々しさ。これはどういう仕業であろうか。今思えば美味しさが確証された箱であるらしかった。
 こんな前置きはどうでもよいと思われるであろう。だが私には判断がつきかねる。
 一服目から非常に染み臭くまろやかな木香が垂れたのである。昇らずに垂れて、香りは木だが、感触は土である。
 ボリバーは靴屋、つまり革なのである。木でも土でもなく、靴屋の裏手で、葉の熟れた旨味が初っぱなから炙り出されて燻る。
 実際のところわからないが、一本目にして熟成のピーク感が脂の無いカルビのように犇めいている。かといって動物的なのでもない。
 フルボディだが、荒さや辛味がほとんど出ないのであまり強く感じない。落ち着き払った焦茶色の靴屋の重厚な雰囲気と非常に甘く蒸した花の香り。ココナッツと金木犀の間の子のような。それも革こそが口内で漂うまでに挽かれ、白くてまろやかな糖蜜を帯びた花粉に変わる。
 煙の感触がこれまでの煙と違う。空気に溶ける絹糸の重量をもった煙である。
 変化は静かで、のろい季節の春草が萌し、花が草いきれに紛れる。それは別の花である。変化はしないともいえる。一時的に草が差し、引いただけで、元の調子に戻る。あるいは糸が途中で千切れるが、磁石を裂く天の川のようにまた繋がる。
 残六センチほどで繋がらなくなり、味も薄まって、不味くはならないが、咽に心地好い怨みが出てきたところで終わる。終わったようでなかなか終わらない。
 パルタガスの芋も無いしロバイナのカカオも無くモンテクリストの芳香も無い。あるいは全てがあるのだが、革の朧に霞んで、やはり靴屋で休息しているという非常識にして当然の素朴な感覚なのである。それにしては独特の蚕が憩っているのだが。

 清酒は清酒の苦味が増すようで相性が悪いかもしれない。
 好みか否かといったら、これは今のところ一番の好みだった。今日二本試したが、さすがに一本目の方が美味しく感じたものの、ダビドフに始まりボリバーに終わる気がしてならない。二本とも巻きが硬かったのがほんの少しつらい。
|6.9 x 47|cigarOne|$16|−3|0|

 終始普通だった。ややボリバーっぽく、やや辛いだけ。
 チャーチルってどのブランドももっとも凡庸な部分を巻いているように思える。奥床しいのかもしれないけれど、チャーチルはみな同一ブランドの総合味を薄めたような味がして、ブラインドでもっとも銘柄を当て難そう。中でもとくにボリバーは普通だった。もっと短く細く濃くなければ土の素朴さが立たないのかもしれない。あるいは普通さが凄いのかもしれない。
 チャーチル嫌いとはどういうことなのか、まだわからない。

 現在16ドルだが、買った時は15ドルだったような。
 BOLIVAR coronas gigantesとはまったく関係ないけれど、モンテクリストEL2008は越年した途端およそ1.5倍の価格になって、シングル買いもできなくなった。もう1本吸ってみて美味しかったらもう1箱買うか2本ぐらい買って補充しようかと思っていたが、その「もう1本」をおいそれと試せなくなってしまった。今まで4本吸っているのだが、口径の煩わしさもあって、もたついた印象しかない。
|6 2/5 x 42|cigarOne|$10|+4|+3|

 すぅーと静かに香味が入ってくる。一口目からかなりの美味。はじめから花のような土のような木で、キメ細かく、すぐに甘味と草が出てくる。なぜかパイプのようにそそっと吸いそそっと燻らせてしまう。微かに木から揮発系のエグ味が出そうになっているのが難点だが、滑らかさや膨らむような穏やかさは絶妙。甘味と花が濃い。
 基調は木だと思うのだが、滑らかさが土を感じさせるのかもしれない。重いものをひたすら軽く仕上げたような高級な滑らかさ。
 次第にエグ味が失せて木も弱まり、ふんだんに花を染み込ませた土が靄のように地面を覆う。晴れのような感じもしないが曇ってもいない。あまり天気が関係ないようなコクで、時々香草のような緑が薫って靄に塞がれた目に艶やかに映える。土は乾いていず、湿ったままきめ細かく纏まりをもって舞っている。

 どうしてこれほどのものを+3にして+4や+5にしないのか自分でもよくわからない。ボリバー好きは土好きだと思うのだが、にしてはけっこう木っぽいし、ボリバーの限界が見えたというか、コイーバやモンテのようにもう一枚上澄みが欲しいというのが正直なところ。土をどう磨いてもコイーバやモンテほどのものにはならないというか。素朴なものが欲しい時にはもってこいだけれど、素朴というには花が濃い。完成度では+5に思えるのだが。
 評判と違ってボディが軽やかだったので、完全に私好みではあるけれど、ふつうはもっと重いものなのかもしれない。終盤は最初にそそっと吸っていたのが嘘みたいに温かく膨らみ、革も感じられる。
|4 4/5 x 50|cigarOne|$9|0|+1|

 なんなのだろう、ボリバーが苦手なのか。基本的なハバナっぽさが充実しているのに何か物足りない。ボリバーにしてはロイヤルコロナは軽いからというのでもないらしく、十分ボリバーらしき重心の低さがあるし。レイデルムンドの疲れとも違う。土が重いというか、重いにしては物足りない。焦茶色一色の靴屋というか、それにしては程よくスパイスやバターも利いているし。土に棘が刺さったというか。茶色味はたっぷりで嫌みも無く美味しいのだが、美味しく感じられない。葉巻から恍惚成分を根こそぎ抜き取った渋さのような。古びて客も居ない昭和の純喫茶というか。苦いだけの珈琲というか。そういえば珈琲にも似ている。乾いて染みになっただけの珈琲。ハズレを掴まされたのかボリバーが苦手なのかわからない。
|5.6 x 44|cigarOne|$9|+2|+2|

 薄く脆そうなラッパーでみっちりと巻いてある。みっちり吸い込みが悪いのでボディも煙の量も弱い。フロボディだという噂だけれど。
 本領を発揮できていないに違いないが、ハーブの効いた麦の味わいがする。土を温めて食べているような素朴な感じ。有難いほど真面目なハバナっぽさに、なんとも絶妙なハーブが爽やかに瑞々しく食欲をそそる。染みた木の味わいも出ているので吸い込みさえ良ければ花も沢山咲きそう。モンテクリストに染みが似ているような。
|5.5 x 52|cigarOne|$12|−5|−3|

 こんなに荒々しいラッパーは見た事がない。バインダーとの間に隙間でもあるのではないだろうか、触った感じもそんな風でパリパリしている。乾燥もしているようだ。という事で随分寝かせていたのだが、少ししっとりはしたものの相変わらずパリパリ感はある。こういうものなのだろうか。
 最初ドローは良かったが、1センチほど進むと急激に悪くなった。吸口を揉むと直るのだが、二口目でまた悪くなる。シケモクに近い味が出ている。久々に不味い。美味しさの片鱗も見せない徹底した不味さ。
 あんまり酷いので吸口を再カットして1センチほどに広げたらこれだけで味がまともになった。まだ苦くて辛くてどちらかといえば不味いが、甘さと木香がなくはない。バターは薄らとしていてかえって諄くなくて良いし、方法を用いれば金木犀も咲く。
 渋さ辛さイガイガしさで判別不能だがフルボディだと思う。美味しさはライトになっているけれど渋さ辛さイガイガしさでフルになっている。渋さ辛さイガイガしさが本来は美味しいフルを構成するのだろう。案の定ラッパーに浮き島が出来た。
 終盤は火がやけに消えやすいし、相変わらず不味さの方が強い。しかもまた不味さが段々増している。たぶん巻いた人が悪いのだ。ラッパーだけ燃え残っていたので着火し直したらまた幾分か復活したし。それでもまたすぐ耐えられないほどの不味さになったので捨てた。

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