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|LAG FEB 11|170mm x 43|coh-hk|$197.20/25|重量:+1|算出:+4|香味:+3|
四本目。到着日早々の強烈な苦味は徐々に落ち着いて、深いコクに変わっている。そのぶん驚きに欠けるが、普通に美味しく、苦味から育ったコクと花の香が始終螺旋を描いて続く。塔に天井があるように、螺旋は天には昇らない。
「苦味から育ったコク」が898の特質なのか、898らしくはあってもパルタガスらしい芋はかなり翳って感じられる。
普通に美味しいので柄にもなくクールスモーキングした。あまり好みの物ではないのかもしれない。
良くも悪くも、到着日にはどうして個性が個性以上に感じられるのか、わからない。この調子だとシングル買いもダブル買いでなければという気がする。しかも一本はどうしても到着日に消さなければならない。
四本目。到着日早々の強烈な苦味は徐々に落ち着いて、深いコクに変わっている。そのぶん驚きに欠けるが、普通に美味しく、苦味から育ったコクと花の香が始終螺旋を描いて続く。塔に天井があるように、螺旋は天には昇らない。
「苦味から育ったコク」が898の特質なのか、898らしくはあってもパルタガスらしい芋はかなり翳って感じられる。
普通に美味しいので柄にもなくクールスモーキングした。あまり好みの物ではないのかもしれない。
良くも悪くも、到着日にはどうして個性が個性以上に感じられるのか、わからない。この調子だとシングル買いもダブル買いでなければという気がする。しかも一本はどうしても到着日に消さなければならない。
PR
|LAG FEB 11|170mm x 43|coh-hk|$197.20/25|重量:+1|算出:+6|香味:+4|
かなり独特で、珍しいほど苦い。ロバイナのファモソスよりも苦く、不機嫌な太々しいコクが黄色い芳香を塗り潰す筆圧を持っている。D4を一本買いしてこれに近い重圧を感じた事もあるが、この細みの不機嫌さの優しさはもっとわかりにくい。わかりやすく優しくはないが雑味も辛味も酸味も感じない。甘味もない。苦いが、どことなくまろやかで、穏やかで、ここにパルタガスらしい芋の風味をも感じるのだが、やはり画面は土よりも苦いカカオ色に塗り潰されている。ちょっと砂糖を入れてほしくなるほどである。曖昧ではないが、光の薄い絵である。醜い職人と、その職人の手になる美しい物とが一体化してしまったような、一瞬葉ではなく人を吸っている気になる。コクのある暗色で塗り潰された画面に花弁が厚い花が波のように押し寄せて明るい色を現したり暗く引いたりしている。この味で花が出てくるのが異様である。
898は熟成させると強くなると聞いていたから、若いうちは軽いのかと思ったが、香味は既に重々しい。呑み込んでみると味よりも軽いが、確かに手強い物の味がする。
到着日の一本目なので全身が尻尾である鰻の尻尾を掴むようなものだが、不敵な魅力に気圧される。重心が目眩がするほど低く、「マデューロ」なるものを簡単に尻目にかける。好き嫌いが割れそうではあるものの、一本試してみるのは面白い。たとえこれが嫌いでも誰もが五指に数えてしまうような。面白さにしてもインヘニオスを超えている。イメージがまるでそぐわないが、ゴーヤほどに苦い。
飲み物は白シメイとオルヴァルがあったが、当然苦味を掛けてオルヴァルを選んだ。オルヴァルの苦味が増し、オルヴァルの渋みが増しただけで、葉巻は表情を変えない。吸う前から、呑む前から頭痛だった為、二重三重の苦味に疲れてしまった。あまり良い想い出になりそうにないのに、+4は付けねばならず、また、鏡に映して−4にしても差支えない。アタリなのに−4になるのだったらそれは凄いが、これはハズレなのかもしれない(他の方の記述を調べると「甘味」と「スパイス」がよく出てくるのに、それが無かった。他はほぼ同じらしい)。葉巻のほうは根元まで平然として疲れを見せなかった。最後の最後には頭痛が治ってしまったのである。
モンテクリストNo.1(セルバンテス)より若干太くて長い(ダリア)。比較好きとしてはまったく同じサイズだったほうが嬉しいが。
かなり独特で、珍しいほど苦い。ロバイナのファモソスよりも苦く、不機嫌な太々しいコクが黄色い芳香を塗り潰す筆圧を持っている。D4を一本買いしてこれに近い重圧を感じた事もあるが、この細みの不機嫌さの優しさはもっとわかりにくい。わかりやすく優しくはないが雑味も辛味も酸味も感じない。甘味もない。苦いが、どことなくまろやかで、穏やかで、ここにパルタガスらしい芋の風味をも感じるのだが、やはり画面は土よりも苦いカカオ色に塗り潰されている。ちょっと砂糖を入れてほしくなるほどである。曖昧ではないが、光の薄い絵である。醜い職人と、その職人の手になる美しい物とが一体化してしまったような、一瞬葉ではなく人を吸っている気になる。コクのある暗色で塗り潰された画面に花弁が厚い花が波のように押し寄せて明るい色を現したり暗く引いたりしている。この味で花が出てくるのが異様である。
898は熟成させると強くなると聞いていたから、若いうちは軽いのかと思ったが、香味は既に重々しい。呑み込んでみると味よりも軽いが、確かに手強い物の味がする。
到着日の一本目なので全身が尻尾である鰻の尻尾を掴むようなものだが、不敵な魅力に気圧される。重心が目眩がするほど低く、「マデューロ」なるものを簡単に尻目にかける。好き嫌いが割れそうではあるものの、一本試してみるのは面白い。たとえこれが嫌いでも誰もが五指に数えてしまうような。面白さにしてもインヘニオスを超えている。イメージがまるでそぐわないが、ゴーヤほどに苦い。
飲み物は白シメイとオルヴァルがあったが、当然苦味を掛けてオルヴァルを選んだ。オルヴァルの苦味が増し、オルヴァルの渋みが増しただけで、葉巻は表情を変えない。吸う前から、呑む前から頭痛だった為、二重三重の苦味に疲れてしまった。あまり良い想い出になりそうにないのに、+4は付けねばならず、また、鏡に映して−4にしても差支えない。アタリなのに−4になるのだったらそれは凄いが、これはハズレなのかもしれない(他の方の記述を調べると「甘味」と「スパイス」がよく出てくるのに、それが無かった。他はほぼ同じらしい)。葉巻のほうは根元まで平然として疲れを見せなかった。最後の最後には頭痛が治ってしまったのである。
モンテクリストNo.1(セルバンテス)より若干太くて長い(ダリア)。比較好きとしてはまったく同じサイズだったほうが嬉しいが。
|POL ENE 11|7.2 x 57|cigarOne|$178/10|重量:+2|算出:+3|香味:+3|
蓋を開けたらそこはハバナ、という箱庭を期待したが、箱の中はスカスカで葉巻がコロコロしており、あまり香りも立たない。「みっちり」や「むわぁ」という凝縮の語感が微塵もない。一本取り出して嗅いでみると若さに因るのか便所臭いし、そうなのだが、着火するととても美味しいのである。クァバのサロモネスとD4のハイブリッドのような、まだ臍の部分3ミリしか進んでいないが、端から辛みもなく、そこはシガリロっぽさがあった方が嬉しいのだが、既に高級なのである。
小さめにカットして、吸い込みもなかなか良い。ハバナ葉特有の旨味と、ふわふわする体の軽さと、胡椒らしきスパイスが静かに燃えている。新製品なのでP2寄りかと思ったが、D4寄りで、純情タイプのパルタガスっぽく、笑ってしまうほど優しい。天の邪鬼なのでP2にあるような要らない特徴が欲しくなるほどである。キャラメルでもなく木でもなく土でもない、粉のハバナ葉の旨味に黄色い花が乗っている。旨味も甘味もなよやかだが、自然らしい味がして都会的ではない。プレシデンテのような激しさが欲しくなる。
静かなまま、最序盤から急な四十五度の角度を登りすぐに山を通過してしまう、こんな馬鹿な形、誰が考案したのだろう。誰であろうと真ん中に山がある方が恰好悪いが、中盤に山があった方が期待できる。さにあらず、実は序盤の山は思わせぶりなフェイクで、根本近くも案外太い。それに、リカットという手段を忘れてはいけない。
リカットするとルシタニアスの全盛を思わせる煙量と香味がいきなり出た。
はじめから思い切り良く切るべきかは難しい問題なのだが、いずれにしてもカットなど大した問題ではない。これを大した問題としないと愛煙家失格になるかもしれないが、兎に角美味しくなった。不完全燃焼の雑味が後を引き、少し酸味も出ているが、煙が膨らんだ。芋が綿飴のように爆発しそうである。そして飲物をペドロヒメネスに変えて甘味がまったく判らなくなった。ついでに雑味も酸味も消えて綿芋に落ち着いた。この綿芋がえも言われぬ黄色い花の香をそよ風に乗せているのである。
芋と芋とを掛けて飲物を芋焼酎に変えたら木になった。甘味は形を潜めたまま芋も形を潜めてしまった。木に花が咲いている。実に普通である。普通に美味しいが、早々芋焼酎は飲み干してしまいたい。パルタガスはやはりヴァイツェンビールが最良の友に違いない。だがそんな物を都合良く在庫している家などあるものか。
終に、酒に飽きて飲んだ麦茶が一番合った。最終盤の香ばしさにつきまとう辛味を清涼な麦が香ばしく洗い流してくれる。
熟成が期待できるタイプか考えると、D4と同じくはじめから完成されていて、そうでもないような。そんなものが熟成したらどんなに美味しいのだろう。
一度ルシタニアスで+5を出しているので、それがなかったらもっと美味しく感じたと思う。オーソドックスなパルタガスと言ってしまいたくなるが、比べる物が当りのルシタニアスや当りのD4なのである。それはそれで美味しいが、もっと激しく賑やかな味を想像していた。結局のところクァバのサロモネスと同じぐらい大人しい。好みによりけりというか、これは普通に美味しいだけであった。ルシタニアスとサロモネスとを聢と嗅ぎ分けるほど熟達せず、しかも形状にもあまり頓着しないものだから、このような不甲斐ない結果であった。誰が不甲斐ないのかわからない、実に煙たい結果であった。
しかし十中の当りを求めるなら、ルシタニアスを選ぶ。ルシタニアスは嘗て1/8の確率で当り、これは1/1の確率とは言えぬ安定なのである。ずっと気になっていた葉巻だったから、こんな結果になった。あんまり気にしすぎてはいけない。どんな空想かは兎も角、今回は私の空っぽな頭のほうが勝った。
蓋を開けたらそこはハバナ、という箱庭を期待したが、箱の中はスカスカで葉巻がコロコロしており、あまり香りも立たない。「みっちり」や「むわぁ」という凝縮の語感が微塵もない。一本取り出して嗅いでみると若さに因るのか便所臭いし、そうなのだが、着火するととても美味しいのである。クァバのサロモネスとD4のハイブリッドのような、まだ臍の部分3ミリしか進んでいないが、端から辛みもなく、そこはシガリロっぽさがあった方が嬉しいのだが、既に高級なのである。
小さめにカットして、吸い込みもなかなか良い。ハバナ葉特有の旨味と、ふわふわする体の軽さと、胡椒らしきスパイスが静かに燃えている。新製品なのでP2寄りかと思ったが、D4寄りで、純情タイプのパルタガスっぽく、笑ってしまうほど優しい。天の邪鬼なのでP2にあるような要らない特徴が欲しくなるほどである。キャラメルでもなく木でもなく土でもない、粉のハバナ葉の旨味に黄色い花が乗っている。旨味も甘味もなよやかだが、自然らしい味がして都会的ではない。プレシデンテのような激しさが欲しくなる。
静かなまま、最序盤から急な四十五度の角度を登りすぐに山を通過してしまう、こんな馬鹿な形、誰が考案したのだろう。誰であろうと真ん中に山がある方が恰好悪いが、中盤に山があった方が期待できる。さにあらず、実は序盤の山は思わせぶりなフェイクで、根本近くも案外太い。それに、リカットという手段を忘れてはいけない。
リカットするとルシタニアスの全盛を思わせる煙量と香味がいきなり出た。
はじめから思い切り良く切るべきかは難しい問題なのだが、いずれにしてもカットなど大した問題ではない。これを大した問題としないと愛煙家失格になるかもしれないが、兎に角美味しくなった。不完全燃焼の雑味が後を引き、少し酸味も出ているが、煙が膨らんだ。芋が綿飴のように爆発しそうである。そして飲物をペドロヒメネスに変えて甘味がまったく判らなくなった。ついでに雑味も酸味も消えて綿芋に落ち着いた。この綿芋がえも言われぬ黄色い花の香をそよ風に乗せているのである。
芋と芋とを掛けて飲物を芋焼酎に変えたら木になった。甘味は形を潜めたまま芋も形を潜めてしまった。木に花が咲いている。実に普通である。普通に美味しいが、早々芋焼酎は飲み干してしまいたい。パルタガスはやはりヴァイツェンビールが最良の友に違いない。だがそんな物を都合良く在庫している家などあるものか。
終に、酒に飽きて飲んだ麦茶が一番合った。最終盤の香ばしさにつきまとう辛味を清涼な麦が香ばしく洗い流してくれる。
熟成が期待できるタイプか考えると、D4と同じくはじめから完成されていて、そうでもないような。そんなものが熟成したらどんなに美味しいのだろう。
一度ルシタニアスで+5を出しているので、それがなかったらもっと美味しく感じたと思う。オーソドックスなパルタガスと言ってしまいたくなるが、比べる物が当りのルシタニアスや当りのD4なのである。それはそれで美味しいが、もっと激しく賑やかな味を想像していた。結局のところクァバのサロモネスと同じぐらい大人しい。好みによりけりというか、これは普通に美味しいだけであった。ルシタニアスとサロモネスとを聢と嗅ぎ分けるほど熟達せず、しかも形状にもあまり頓着しないものだから、このような不甲斐ない結果であった。誰が不甲斐ないのかわからない、実に煙たい結果であった。
しかし十中の当りを求めるなら、ルシタニアスを選ぶ。ルシタニアスは嘗て1/8の確率で当り、これは1/1の確率とは言えぬ安定なのである。ずっと気になっていた葉巻だったから、こんな結果になった。あんまり気にしすぎてはいけない。どんな空想かは兎も角、今回は私の空っぽな頭のほうが勝った。
|5.1 x 44|cigarOne|$6|重量:0|算出:+5|香味:+3|
「香味+5」を出した時のルシタニアの序盤と終盤が閃いている。えも言われぬ中盤は無いものの。
喫感は強過ぎずに強く、味はパルタガスそのもののもったりした芋の濃厚さで、芋は甘く、葉の燻製が香ばしい。木の爽やかさと土の重さが難なく併存している。ほんの微かに辛いが、小さいサイズらしい小気味よい荒さに止まる。甘い花も咲くが、芋の旨味と油同士のように混じってしまう。
ペティコロナ‘エスペシアレス’だからか、各銘柄のペティコロナとは一線を画する味わいで、エスペシャルといってもたぶんサイズが少し大きいだけだと思うのだが、当りを引いたのか、デイリーシガー最有力候補となりそう。
ルシタニアスとプレシデンテの中間か、D4に比べると遥かに渋い。
終盤では芋が丸みを帯びてコロコロする。コロコロとしてえも言われぬ芳香を醸している。
到着後十日目だが、当たればいつだって美味しいらしい。ハズレを日付の所為に帰するのはもしかしたら業者の嘘の方便なのかもしれない。ひと月待てばもっと美味しくなったかもしれないけれど。
ともあれモンテやコイーバに疲れて飽きた頃にパルタガスの凄さがわかってくるらしい。最初の印象は不貞腐れた馬鹿親爺みたいだったが、今やパルタガスが一番好きといっても過言ではないような。不貞腐れた馬鹿親爺といっても言い過ぎではなかったのに。
「香味+5」を出した時のルシタニアの序盤と終盤が閃いている。えも言われぬ中盤は無いものの。
喫感は強過ぎずに強く、味はパルタガスそのもののもったりした芋の濃厚さで、芋は甘く、葉の燻製が香ばしい。木の爽やかさと土の重さが難なく併存している。ほんの微かに辛いが、小さいサイズらしい小気味よい荒さに止まる。甘い花も咲くが、芋の旨味と油同士のように混じってしまう。
ペティコロナ‘エスペシアレス’だからか、各銘柄のペティコロナとは一線を画する味わいで、エスペシャルといってもたぶんサイズが少し大きいだけだと思うのだが、当りを引いたのか、デイリーシガー最有力候補となりそう。
ルシタニアスとプレシデンテの中間か、D4に比べると遥かに渋い。
終盤では芋が丸みを帯びてコロコロする。コロコロとしてえも言われぬ芳香を醸している。
到着後十日目だが、当たればいつだって美味しいらしい。ハズレを日付の所為に帰するのはもしかしたら業者の嘘の方便なのかもしれない。ひと月待てばもっと美味しくなったかもしれないけれど。
ともあれモンテやコイーバに疲れて飽きた頃にパルタガスの凄さがわかってくるらしい。最初の印象は不貞腐れた馬鹿親爺みたいだったが、今やパルタガスが一番好きといっても過言ではないような。不貞腐れた馬鹿親爺といっても言い過ぎではなかったのに。
|GOT SEP 10|4 4/5 x 50|coh-hk|$62.90/10|重量:0|算出:+5|香味:+3|
昨日のトリニダッドが美味しくてついでにシグロ6を今日の昼に試してしまったのだが、なんだか最近コイーバの諄さに好感が持てない。パルタガスは諄過ぎず、トリニダッドとコイーバの中間のような規律がある。中央のカトリックでも中央のプロテスタントでもなく土臭い何処かの修道院といったふうの。何を言っているのかわからないが、修道院のイメージはベルギービールの影響だと思う。現在ヱビスビールを呑んでいるのだが、折角なのでトラピストを呑みたいし、それはきっと合うと思う。
トラピストビールは七つとも呑んでいるが、どれが合うかはわからない。簡単に買えるシメイか、メンマ臭いオルヴァルか、紫の花のロシュフォールか、甘いウエストフレテレンか、元気なアヘルか、キメ細かいラ・トラッペか、トラピストらしからぬウエストマールか。白っぽい方が合うと思うのでシメイ白かオルヴァルを選びたい。
これで若いうちに十本消費し尽くした。今回の十本目は久しぶりに美味しく+3。一本目は+3で二本目は+4、他七本は+1程度だった。平均すれば1.7になるけれど、キューバ産の葉巻の事なので諦めは肝心であり、総じて+3にはなる。どこに若さがあるのか、はっきり言ってわからない。若くして十分ではあった。
優しい花(木犀ではない!)に土っぽい芳香、芋っぽい旨味、これは安くて美味しい。
昨日のトリニダッドが美味しくてついでにシグロ6を今日の昼に試してしまったのだが、なんだか最近コイーバの諄さに好感が持てない。パルタガスは諄過ぎず、トリニダッドとコイーバの中間のような規律がある。中央のカトリックでも中央のプロテスタントでもなく土臭い何処かの修道院といったふうの。何を言っているのかわからないが、修道院のイメージはベルギービールの影響だと思う。現在ヱビスビールを呑んでいるのだが、折角なのでトラピストを呑みたいし、それはきっと合うと思う。
トラピストビールは七つとも呑んでいるが、どれが合うかはわからない。簡単に買えるシメイか、メンマ臭いオルヴァルか、紫の花のロシュフォールか、甘いウエストフレテレンか、元気なアヘルか、キメ細かいラ・トラッペか、トラピストらしからぬウエストマールか。白っぽい方が合うと思うのでシメイ白かオルヴァルを選びたい。
これで若いうちに十本消費し尽くした。今回の十本目は久しぶりに美味しく+3。一本目は+3で二本目は+4、他七本は+1程度だった。平均すれば1.7になるけれど、キューバ産の葉巻の事なので諦めは肝心であり、総じて+3にはなる。どこに若さがあるのか、はっきり言ってわからない。若くして十分ではあった。
優しい花(木犀ではない!)に土っぽい芳香、芋っぽい旨味、これは安くて美味しい。
|UGA MAY 09|194mm x 49|Cigars of Cuba|$106/10|算出:+2|香味:+2|
先週のルシタニアスが忘れられず(+4から+5に修正)、もう一本試してみた。
先週は美味しすぎて美味しすぎて、残10センチで限界の美味しさに達し、この先どうなるのか皆目見当がつかず、結局パルタガスらしい荒さと美味しさが渾然一体となって嬉しくなったのだが。
今回は香味や変化は前回と似通ったものだったが、雑味が煩く香味も薄い。「枯淡」ではなく「雑な葉っぱ」に感じる。残10センチで漸く先週の残15センチに至ったという感じがして、それでもあのような強烈にねっとりとした、純情で深々とした、甘い芋の膨らみには至らない。
葉巻がいかに繊細とはいえ、ここ二日間程度の桃色日和で駄目になったとは考え難い。美味しい時もあるのだから保管が特別悪いわけではなさそうだし、むしろ体調や気分の方が大きな要因のようだが、結局先週は特別な大当たりを引いたのだとしか思えない。安定感に定評のあるオーパスⅩでも大体不味いのだから。最初のダビドフNo.2も大当たりを引いただけだったのかもしれない。
+5はまだ三回しか当たっていないが、宝くじよりは当たる。5万円が1回、1万円が2回という感じ。5万円の美味しさが忘れられずに買い続けて1万円を2回引いた。千五百円とか三千円はけっこう引くけれど。
先週のルシタニアスが美味しすぎて今週は色々高価なものに手を出してしまったが、しばらくおとなしくしよう。今回は終盤で不味さが増してニコチン酔いした。
先週のルシタニアスが忘れられず(+4から+5に修正)、もう一本試してみた。
先週は美味しすぎて美味しすぎて、残10センチで限界の美味しさに達し、この先どうなるのか皆目見当がつかず、結局パルタガスらしい荒さと美味しさが渾然一体となって嬉しくなったのだが。
今回は香味や変化は前回と似通ったものだったが、雑味が煩く香味も薄い。「枯淡」ではなく「雑な葉っぱ」に感じる。残10センチで漸く先週の残15センチに至ったという感じがして、それでもあのような強烈にねっとりとした、純情で深々とした、甘い芋の膨らみには至らない。
葉巻がいかに繊細とはいえ、ここ二日間程度の桃色日和で駄目になったとは考え難い。美味しい時もあるのだから保管が特別悪いわけではなさそうだし、むしろ体調や気分の方が大きな要因のようだが、結局先週は特別な大当たりを引いたのだとしか思えない。安定感に定評のあるオーパスⅩでも大体不味いのだから。最初のダビドフNo.2も大当たりを引いただけだったのかもしれない。
+5はまだ三回しか当たっていないが、宝くじよりは当たる。5万円が1回、1万円が2回という感じ。5万円の美味しさが忘れられずに買い続けて1万円を2回引いた。千五百円とか三千円はけっこう引くけれど。
先週のルシタニアスが美味しすぎて今週は色々高価なものに手を出してしまったが、しばらくおとなしくしよう。今回は終盤で不味さが増してニコチン酔いした。
|UGA MAY 09|194mm x 49|Cigars of Cuba|$106/10|重量:+1|算出:+8|香味:+5|
D4の後に蓋を開けると随分不揃いな葉巻に見える。D4ほど白くないが、ラッパーも白いものから斑のものまで色々。
これで5本目だけれど、とうとう吸い込み絶妙のものに当たった。
なるほど漸く本領を発揮してくれたのか、D4に似て、シャルトリューズ酒にシナモンを利かせて茶色くしたような(ベネディクティン酒のような?)、えも言われぬ芳香がある。それを至極優しい芋のヴェールで包んである。たったの熟成二年未満だが、ハバナっぽさもこなれて枯れていて濃すぎない。枯れたような雑味がかえって芳香の新鮮さを際立たせている。D4にはたぶんこの枯淡味は無い。
シナモンを思わせるスパイスは、このボックスの空いたスペースにオーパスⅩのダブルコロナを三本入れていたからか、それに近い風味にも感じられてしまうが、たぶんそれほど影響は無いと思う。
筆者がパルタガスっぽい(芋っぽい、荒っぽい)というときには最近は主にプレシデンテを指しているらしく、D4とルシタニアスはパルタガスにしてはパルタガスらしくない。こういうものを味わうとまた地味で強烈なプレジデンテに立ち戻りたくなりもする。そんな立ち位置だからか最初は「強くて地味なパルタガス」という印象だったけれど、結局最大限におもしろく長年オツキアイしたいものだとわかる。
中盤もややすぎると、芋っぽいコクが輪郭を増して、同時に華やいでくる。木でも土でも革でもなく、枯れた葉はそのまま、かなりコク深い。香りにもコクにも葉巻の最大限というものを感じる。飲み物を紅茶からビールに替えたからだろうか。夕方前から遠野麦酒ヴァイツェンビールを飲みながら葉巻を吹かして遠野物語ではなく坂口安吾を読んでいる。読もうと思ったが美味しすぎて一頁も進まない。ヴァイツェンは昔から葉巻に合うと思っていたけれど、確かに葉巻は芋が膨らんで美味しくなって、ヴァイツェンの小麦は芋に消されがちになった。ルシタニアスとヴァイツェンは少し似ているところがあるかもしれない。
そのうち雑味が消えて、気圧の高い旨味はそのまま、ここぞとばかり甘い木犀が咲く。しかもまだ10センチも残っているのである。まるでロブストのような変化で此処まで来てしまうと後はどうでもよくなって、落ち着きなく煙りにまみれるのみ。(後期:葉巻の方も吸う人を反映してか落ち着いたり荒れたりを繰り返していた。要するにパルタガスっぽくなった。残三センチぐらいまでは完全に美味しい。)
なんとも完璧な一本で、この葉巻が昨年末の私のような初心者に酷評されたまま終わるはずがなかった。
D4の後に蓋を開けると随分不揃いな葉巻に見える。D4ほど白くないが、ラッパーも白いものから斑のものまで色々。
これで5本目だけれど、とうとう吸い込み絶妙のものに当たった。
なるほど漸く本領を発揮してくれたのか、D4に似て、シャルトリューズ酒にシナモンを利かせて茶色くしたような(ベネディクティン酒のような?)、えも言われぬ芳香がある。それを至極優しい芋のヴェールで包んである。たったの熟成二年未満だが、ハバナっぽさもこなれて枯れていて濃すぎない。枯れたような雑味がかえって芳香の新鮮さを際立たせている。D4にはたぶんこの枯淡味は無い。
シナモンを思わせるスパイスは、このボックスの空いたスペースにオーパスⅩのダブルコロナを三本入れていたからか、それに近い風味にも感じられてしまうが、たぶんそれほど影響は無いと思う。
筆者がパルタガスっぽい(芋っぽい、荒っぽい)というときには最近は主にプレシデンテを指しているらしく、D4とルシタニアスはパルタガスにしてはパルタガスらしくない。こういうものを味わうとまた地味で強烈なプレジデンテに立ち戻りたくなりもする。そんな立ち位置だからか最初は「強くて地味なパルタガス」という印象だったけれど、結局最大限におもしろく長年オツキアイしたいものだとわかる。
中盤もややすぎると、芋っぽいコクが輪郭を増して、同時に華やいでくる。木でも土でも革でもなく、枯れた葉はそのまま、かなりコク深い。香りにもコクにも葉巻の最大限というものを感じる。飲み物を紅茶からビールに替えたからだろうか。夕方前から遠野麦酒ヴァイツェンビールを飲みながら葉巻を吹かして遠野物語ではなく坂口安吾を読んでいる。読もうと思ったが美味しすぎて一頁も進まない。ヴァイツェンは昔から葉巻に合うと思っていたけれど、確かに葉巻は芋が膨らんで美味しくなって、ヴァイツェンの小麦は芋に消されがちになった。ルシタニアスとヴァイツェンは少し似ているところがあるかもしれない。
そのうち雑味が消えて、気圧の高い旨味はそのまま、ここぞとばかり甘い木犀が咲く。しかもまだ10センチも残っているのである。まるでロブストのような変化で此処まで来てしまうと後はどうでもよくなって、落ち着きなく煙りにまみれるのみ。(後期:葉巻の方も吸う人を反映してか落ち着いたり荒れたりを繰り返していた。要するにパルタガスっぽくなった。残三センチぐらいまでは完全に美味しい。)
なんとも完璧な一本で、この葉巻が昨年末の私のような初心者に酷評されたまま終わるはずがなかった。
|GOT SEP 10|4 4/5 x 50|coh-hk|$62.90/10|重量:0|算出:+7|香味:+4|
ハバナ品質のはずが何故かダビドフ品質。二本目は外れると思っていたのに、味は随分違うものの一口目から大当たり確実で、スパイスの出方などがダビドフそっくり。見慣れたのか到着日にはラッパーがもっと白かったと思うのだが、我家へ来て変色したのかもしれない。シグロ6風からダビドフ風にたったの5日で変化していて、どちらが美味しいかといわれれば今回の二本目の方が美味しい。
ハバナの茶色い香気はさすがにこちらが強いし、パルタガスらしい辛味が出ているのだが、辛味は収まり、旨味だけになって、調子の良い時のモンテクリストのような濃い色気もある。クリーム感は前回よりかなり落ちているものの、代わりに前回無かった胡椒のようなスパイス(けっしてエキゾチックなスパイスではない)が出て、まったく別物の美味しさ。木犀の出方もスパイスともどもダビドフNo.2の終盤の濃密さにそっくりで、羽毛の感触こそないものの、甘さも似ている。
この葉巻に熟成や休息が必要なのだろうか。熟成させなくても既に飛び抜けて美味しい。
ルシタニアスがあまり美味しく感じられなかったので評判と自分の味覚の乖離を疑ったものだが、D4では評判納得の美味しさを感じられる。
そういえば吸い込みも抜群だった。今頃(最終盤)気付いたけれど。土か木か革かといわれてもまったく覚えていない。だからたぶん革だと思う。美味しさしか憶えていないのだが、暗い果実だといわれればそうだったようにも感じる。
芋っぽいと思っていたのだが、パルタガスはただの芋娘ではないらしい。最終盤は高品質のままパワフルになり、つまり良くも悪くもダビドフの最終盤の三倍ぐらいになる。この頃にはダビドフNo.2ではなくダビドフミレニアムの方に似ている。薄荷のような白い旨味が加わって。
ダビドフダビドフというのもおかしいが、本当に似ているのだから仕方がない。
ミディアム強かフル弱ぐらいあったはずだが、むしろ軽くて濃いような密度の味わいで、まったく酔いもなかった。
ただ今回の一本の方が前回の一本よりも飽きやすそう。また同じ店で買ってみてまた到着日だけクリーミーだったらわかり易いのだが、もう一度買う以前にもう八本ある。次回はクリーミーなモノだといいのだけれど。
飲み物は新進の『七田 純米吟醸 無濾過 生 2011』という久しぶりの大当たり清酒で、葉巻に火を点けた途端飲み物の美点は完全に消えてしまったが、この繊巧な飲み物に葉巻を増幅する特殊な効能があったのかもしれない。
ハバナ品質のはずが何故かダビドフ品質。二本目は外れると思っていたのに、味は随分違うものの一口目から大当たり確実で、スパイスの出方などがダビドフそっくり。見慣れたのか到着日にはラッパーがもっと白かったと思うのだが、我家へ来て変色したのかもしれない。シグロ6風からダビドフ風にたったの5日で変化していて、どちらが美味しいかといわれれば今回の二本目の方が美味しい。
ハバナの茶色い香気はさすがにこちらが強いし、パルタガスらしい辛味が出ているのだが、辛味は収まり、旨味だけになって、調子の良い時のモンテクリストのような濃い色気もある。クリーム感は前回よりかなり落ちているものの、代わりに前回無かった胡椒のようなスパイス(けっしてエキゾチックなスパイスではない)が出て、まったく別物の美味しさ。木犀の出方もスパイスともどもダビドフNo.2の終盤の濃密さにそっくりで、羽毛の感触こそないものの、甘さも似ている。
この葉巻に熟成や休息が必要なのだろうか。熟成させなくても既に飛び抜けて美味しい。
ルシタニアスがあまり美味しく感じられなかったので評判と自分の味覚の乖離を疑ったものだが、D4では評判納得の美味しさを感じられる。
そういえば吸い込みも抜群だった。今頃(最終盤)気付いたけれど。土か木か革かといわれてもまったく覚えていない。だからたぶん革だと思う。美味しさしか憶えていないのだが、暗い果実だといわれればそうだったようにも感じる。
芋っぽいと思っていたのだが、パルタガスはただの芋娘ではないらしい。最終盤は高品質のままパワフルになり、つまり良くも悪くもダビドフの最終盤の三倍ぐらいになる。この頃にはダビドフNo.2ではなくダビドフミレニアムの方に似ている。薄荷のような白い旨味が加わって。
ダビドフダビドフというのもおかしいが、本当に似ているのだから仕方がない。
ミディアム強かフル弱ぐらいあったはずだが、むしろ軽くて濃いような密度の味わいで、まったく酔いもなかった。
ただ今回の一本の方が前回の一本よりも飽きやすそう。また同じ店で買ってみてまた到着日だけクリーミーだったらわかり易いのだが、もう一度買う以前にもう八本ある。次回はクリーミーなモノだといいのだけれど。
飲み物は新進の『七田 純米吟醸 無濾過 生 2011』という久しぶりの大当たり清酒で、葉巻に火を点けた途端飲み物の美点は完全に消えてしまったが、この繊巧な飲み物に葉巻を増幅する特殊な効能があったのかもしれない。
|GOT SEP 10|4 4/5 x 50|coh-hk|$62.90/10|重量:0|算出:+5|香味:+3|
甘くて明るい色のラッパーの所為もあるかもしれないけれど、箱を開けると非常に美しい巻きの物がずらりと並んでとんでもなく美味しそう。
手に取ってみても巻きは良く、やや硬めのみっちりしたドロー。パルタガスで巻きが緩いと辛味が大変な事になりそうなので、少し硬い方がいい。熟成させた時に丁度良くなる仕掛けかもしれない。
若いからか、同じく若い状態で吸ってしまったシグロ6に近い香味がある。ロブストらしい落ち着きというべきものかもしれない。パルタガスらしいどっしりとした土の旨味も白っぽくなっていて、バターナッツペーストのようなクリーミーな柔らかい芳香に、仄かなのにはっきりとした甘味と、同じくペーストされた桃色の花と、草なのかスパイスなのか木なのかよくわからない=知らないリキュールのような=特殊な芳香がある。モンテクリストの青緑色を琥珀色にしたかのようなリキュール。葉巻と同系色なだけに剥がし難く落ち着いている。色とりどりの白っぽい色彩なのにデカい尻で腰を据えた葉巻の味があり、抜群の安定感で飲み物もあまり選びそうにない。ミディアムの洋酒ならどちらも羽が生えそう。
若いから春っぽく白っぽいのか、明るいパステルのようなポカポカした春が好きな人なら若い内を美味しく感じるかもしれない。
気軽に2ヶ月で消費してしまおうと思って買ったのだが、勿体無い気がする。記念日なんかよりも日曜毎にしつこく手に取るような高信頼型の素朴な葉巻だと思っていたけれど、思っていた以上に嬉しい美点が沢山ありそうで。
安いウイスキーの後味のように木っぽいイガイガしさも立っているのに終始クリーミーでもある。D4がこれほどクリーミーだとはまったく思っていなかった。リキュールは後退して、花が濃く穏やかになってくる。最終盤になっても焦らせなかった。
ジェラールがどれほど美味しいものか興味は勿論あるけれど、とりあえずcoh-hkは安さをいぶかしみすぎる必要のない良い店だと思う。発送の明後日に届くし。香港の風土か、そんなものを嗅ぎ取れる嗅覚は持っていないのに、なんとなく全体的に味わいが温かいような気はする。
甘くて明るい色のラッパーの所為もあるかもしれないけれど、箱を開けると非常に美しい巻きの物がずらりと並んでとんでもなく美味しそう。
手に取ってみても巻きは良く、やや硬めのみっちりしたドロー。パルタガスで巻きが緩いと辛味が大変な事になりそうなので、少し硬い方がいい。熟成させた時に丁度良くなる仕掛けかもしれない。
若いからか、同じく若い状態で吸ってしまったシグロ6に近い香味がある。ロブストらしい落ち着きというべきものかもしれない。パルタガスらしいどっしりとした土の旨味も白っぽくなっていて、バターナッツペーストのようなクリーミーな柔らかい芳香に、仄かなのにはっきりとした甘味と、同じくペーストされた桃色の花と、草なのかスパイスなのか木なのかよくわからない=知らないリキュールのような=特殊な芳香がある。モンテクリストの青緑色を琥珀色にしたかのようなリキュール。葉巻と同系色なだけに剥がし難く落ち着いている。色とりどりの白っぽい色彩なのにデカい尻で腰を据えた葉巻の味があり、抜群の安定感で飲み物もあまり選びそうにない。ミディアムの洋酒ならどちらも羽が生えそう。
若いから春っぽく白っぽいのか、明るいパステルのようなポカポカした春が好きな人なら若い内を美味しく感じるかもしれない。
気軽に2ヶ月で消費してしまおうと思って買ったのだが、勿体無い気がする。記念日なんかよりも日曜毎にしつこく手に取るような高信頼型の素朴な葉巻だと思っていたけれど、思っていた以上に嬉しい美点が沢山ありそうで。
安いウイスキーの後味のように木っぽいイガイガしさも立っているのに終始クリーミーでもある。D4がこれほどクリーミーだとはまったく思っていなかった。リキュールは後退して、花が濃く穏やかになってくる。最終盤になっても焦らせなかった。
ジェラールがどれほど美味しいものか興味は勿論あるけれど、とりあえずcoh-hkは安さをいぶかしみすぎる必要のない良い店だと思う。発送の明後日に届くし。香港の風土か、そんなものを嗅ぎ取れる嗅覚は持っていないのに、なんとなく全体的に味わいが温かいような気はする。
|UGA MAY 09|7 1/4 x 49|Cigars of Cuba|$106/10|+2|+2|
一本目
到着日に着火。
端から甘い。ハバナらしい香りはあまり強くない。「杉」と何処かに書かれていたので心配していたら、本当に杉っぽい。パルタガス特有の芋はほの見える程度。杉を過敏に毛嫌いしなければなかなか美味しいような。
ややカリッとした感じの甘皮がぼうっと土のようにふやけてくる。けっこう優しい仕方でずっと花が咲いている。土も優しく去り、結局杉がぽつねんと立っている。と思うと春の土煙が立つ。
着火前は土が蜂蜜で湿っているような香りだったが、着火すると軽くなって、重さの面影がおもしろい。優しいのに何故かパルタガスの強烈さを忘れさせないところがある。ショートが大好物という人には至極優しいだろうけれど。
最序盤でも感じたのだったが再びモンテを彷彿させる香味がくる。
それからなんだか海の味。海といっても塩味はまったく無いが、「塩」と書いた途端に塩味になった。サンルイレイの時にも書いたけれど、「塩」というのは実際には感じていなくて、念じれば何でも塩味になってしまうような胡散臭さがある。塩について考えているとカカオふうのコクがくる。草は無いなと思っているとそこに微風ほどの草。塩のお陰か、念じたことが何でも実現する葉巻らしい。試しにダビドフを念じてみたら、本当に下駄箱や松茸になった。
そういえばバターだけが無い。念じてもバターだけは出ず、粘土になった。粘土は最終盤に出るはずのものなのだが、まだロブストサイズぐらい残っている。微かにいがらっぽくなって、長い病院生活が始まるような気配だったが、甘くない粘土から甘い木星がずっと咲いていた。
パルタガスのルシタニアスという名前だけで気が引けてしまうけれど、ダブルコロナとしては高価ではないし、高価な味もしない。
カカオが復帰して、花は少しなりを潜め、辛味が少し出て、薄い葉っぱの味になり、秋ももう終わりだなぁと切に思う。長い最終盤というか最初から最終盤だったかのような、何だか痛切な葉巻で、何も無かった一年を一人大晦日に振返るのに最適っぽい。何かあったのだったら、何もなかったことにしてしまいそう。
二本目
葉巻の要素が全部あるかのように複雑だがおとなしく、これといった爆発も奥床しさも感じられなかった。それがこの葉巻の良さなのかわからないけれど、平穏無事に終わるのが寂しい。香木の薫りなどはほぼしないのに、坊主向けの葉巻という感じ。
三本目
到着して三週間しか経っていないけれど、三週間目は私には美味しい区切りなので早くも三本目。十本入りだと三本ぐらい吸ってしまわなければ勿体無さが感じられないというのもある。こういうせこい経験は役に立つとは思う。そもそも寝かせるという行為からしてせこいのだから、五十本買って五年で無くしてしまうのが最良だと思いながら早くも三本目を吸うのである。
着火せずに吸っているとハチミツ。土なのかカカオなのか、重いのか軽いのか、強いのか弱いのか、濃いのか薄いのか、草か草も生えないのか、蜂蜜を残すのか残さないのか、美味しいのか不味いのか、微妙に揺れ動く乙女のようないじらしい感じがある。
土と木の中間であり、土とカカオの中間であり、カカオと草の中間であり、草と木の中間に花が咲く。回りくどい感じがある。私にはこういう感じのものがあまり良く理解できないらしい。変化もするけれど、なんかモンテとパルタガスとロバイナを足して割ったような感じを薄めたような感じ。順序を逆にして、ルシタニアスからすべてが生まれたというふうに感じられれば美味しいのかもしれない。集大成的なものが嫌いなだけかもしれない。私がまだ集大成に及ばないといったって、謙遜というのはたいてい嘘くさい。まあ趣味は変わるさ。
こんなふうに思いながら吸っているとモンテとパルタガスとロバイナどころかアップマンやらパンチやらポンチやら他の色々な葉巻も当然現れてきて、只管長いエンドロールを見ているような気分になる。エンドロールに集大成がある特殊な映画らしい。大団円はない。つまらなさが味わい深いような。でなければ「ポンチ」なんていわないよ。
結論
三本ともほぼ同じ味だった。ただ変化の順番が随分違うような。
好き嫌いはともかく、三本とも年末に相応しい気が切にした。大掃除のような雑味も時々ある。最終盤に派手なフィナーレが訪れるのでもなく、甘い花が土臭い落ち着きの中に咲いて、最終盤を平凡に迎える。この最終盤は葉巻としては常軌を逸した大らかさだが、来年も平凡な一年になりそうな。かといってこれ以上越年に相応しい葉巻もない。
一年半前の製造で、これはこれでこそ既に完成している気がするのだが、十年ぐらいは当たり前の葉巻だというし、来年になったら既に年末に相応しくなくなっているかもしれない。
大きさに因って美味しさを不当に過小評価している気もするし、かえって夏至辺りに吸った方が美味しく感じるのかもしれない。
一本目
到着日に着火。
端から甘い。ハバナらしい香りはあまり強くない。「杉」と何処かに書かれていたので心配していたら、本当に杉っぽい。パルタガス特有の芋はほの見える程度。杉を過敏に毛嫌いしなければなかなか美味しいような。
ややカリッとした感じの甘皮がぼうっと土のようにふやけてくる。けっこう優しい仕方でずっと花が咲いている。土も優しく去り、結局杉がぽつねんと立っている。と思うと春の土煙が立つ。
着火前は土が蜂蜜で湿っているような香りだったが、着火すると軽くなって、重さの面影がおもしろい。優しいのに何故かパルタガスの強烈さを忘れさせないところがある。ショートが大好物という人には至極優しいだろうけれど。
最序盤でも感じたのだったが再びモンテを彷彿させる香味がくる。
それからなんだか海の味。海といっても塩味はまったく無いが、「塩」と書いた途端に塩味になった。サンルイレイの時にも書いたけれど、「塩」というのは実際には感じていなくて、念じれば何でも塩味になってしまうような胡散臭さがある。塩について考えているとカカオふうのコクがくる。草は無いなと思っているとそこに微風ほどの草。塩のお陰か、念じたことが何でも実現する葉巻らしい。試しにダビドフを念じてみたら、本当に下駄箱や松茸になった。
そういえばバターだけが無い。念じてもバターだけは出ず、粘土になった。粘土は最終盤に出るはずのものなのだが、まだロブストサイズぐらい残っている。微かにいがらっぽくなって、長い病院生活が始まるような気配だったが、甘くない粘土から甘い木星がずっと咲いていた。
パルタガスのルシタニアスという名前だけで気が引けてしまうけれど、ダブルコロナとしては高価ではないし、高価な味もしない。
カカオが復帰して、花は少しなりを潜め、辛味が少し出て、薄い葉っぱの味になり、秋ももう終わりだなぁと切に思う。長い最終盤というか最初から最終盤だったかのような、何だか痛切な葉巻で、何も無かった一年を一人大晦日に振返るのに最適っぽい。何かあったのだったら、何もなかったことにしてしまいそう。
二本目
葉巻の要素が全部あるかのように複雑だがおとなしく、これといった爆発も奥床しさも感じられなかった。それがこの葉巻の良さなのかわからないけれど、平穏無事に終わるのが寂しい。香木の薫りなどはほぼしないのに、坊主向けの葉巻という感じ。
三本目
到着して三週間しか経っていないけれど、三週間目は私には美味しい区切りなので早くも三本目。十本入りだと三本ぐらい吸ってしまわなければ勿体無さが感じられないというのもある。こういうせこい経験は役に立つとは思う。そもそも寝かせるという行為からしてせこいのだから、五十本買って五年で無くしてしまうのが最良だと思いながら早くも三本目を吸うのである。
着火せずに吸っているとハチミツ。土なのかカカオなのか、重いのか軽いのか、強いのか弱いのか、濃いのか薄いのか、草か草も生えないのか、蜂蜜を残すのか残さないのか、美味しいのか不味いのか、微妙に揺れ動く乙女のようないじらしい感じがある。
土と木の中間であり、土とカカオの中間であり、カカオと草の中間であり、草と木の中間に花が咲く。回りくどい感じがある。私にはこういう感じのものがあまり良く理解できないらしい。変化もするけれど、なんかモンテとパルタガスとロバイナを足して割ったような感じを薄めたような感じ。順序を逆にして、ルシタニアスからすべてが生まれたというふうに感じられれば美味しいのかもしれない。集大成的なものが嫌いなだけかもしれない。私がまだ集大成に及ばないといったって、謙遜というのはたいてい嘘くさい。まあ趣味は変わるさ。
こんなふうに思いながら吸っているとモンテとパルタガスとロバイナどころかアップマンやらパンチやらポンチやら他の色々な葉巻も当然現れてきて、只管長いエンドロールを見ているような気分になる。エンドロールに集大成がある特殊な映画らしい。大団円はない。つまらなさが味わい深いような。でなければ「ポンチ」なんていわないよ。
結論
三本ともほぼ同じ味だった。ただ変化の順番が随分違うような。
好き嫌いはともかく、三本とも年末に相応しい気が切にした。大掃除のような雑味も時々ある。最終盤に派手なフィナーレが訪れるのでもなく、甘い花が土臭い落ち着きの中に咲いて、最終盤を平凡に迎える。この最終盤は葉巻としては常軌を逸した大らかさだが、来年も平凡な一年になりそうな。かといってこれ以上越年に相応しい葉巻もない。
一年半前の製造で、これはこれでこそ既に完成している気がするのだが、十年ぐらいは当たり前の葉巻だというし、来年になったら既に年末に相応しくなくなっているかもしれない。
大きさに因って美味しさを不当に過小評価している気もするし、かえって夏至辺りに吸った方が美味しく感じるのかもしれない。
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