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  源氏物語「葉」
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|BME JUL 11|7 1/2 x 38|coh-hk|$215.90/25|重量:( 9.35g)|算出:+6|香味:+4|

 初期に一本買いした一本の想い出には及ばず、粘り着くキャラメルのような葉の強さが感じられないが、微かに青緑ではあり、終盤に至って見事に変化する。植物化した小学生の口臭が近づいてきたと思うと、徐々に花が咲き始め、最後には「これが花なのだな」と思う。今まで偽物の花を嗅いでいたのだ。
 口はまったく甘くないが、鼻が見事に甘い。鼻が沙羅双樹になってぽたりと顔から落ちてしまいそうである。これで序盤が見事なキャラメルだったらと思うと別の箱に異様な期待を寄せてしまう。
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|GKI NOV 04|4.9 x 50|coh-hk|($98/5→$0)|重量:+0(13.12g)|算出:+5|香味:+4|

 コイーバ、モンテ、オヨー、ロメオ、パルタガスのロブストがそれぞれ1本、計5本入っている特別仕様のボックスで、八年も前の物なのに各所で売れ残っているらしく、これも400ドル以上購入しての特典で貰った物である。
 蓋を開けると細長い加湿器が付いていて黴びているが、ハバノスの計らいか販売店の計らいか、一本一本がビニールに包まれているため黴の浸食はない。
 モンテを最後にとっておくような気がしたが、正月二日だったので一番にモンテを取り出した。とりわけモンテクリストのレギュラーラインにはロブストが無いためにこれは貴重なのである。
 空吸いすると薬箱の味。吸い込みは難すぎる。
 着火して一口半でモンテの芳香が整う。三口目ではやモンテの当り、No.1に枯淡の濃い風味を足したような、加えてロブストの利をこれでもかと活かしたような複雑さが出る。土がNo.シリーズらしい強さを持ち、また八年物の淡さが羽毛の感触を醸し出して、モンテのERという存在しないものの感触に似ている。味が濃いようであまり濃くないのは吸い込みの難さの所為もあるかもしれないが、老齢と上質上品さの賜物のよう。クラシックタイプのモンテクリストで当ると、この独特の青緑はコイーバ独特の岩とともに双璧感となって現れる。
 不思議な青緑、時々何処からともなく垂れてくる甘さ、土・キャラメル、ハッカ・ニッキ、枯葉・藁、他に床屋などが嫌味なく隠滅す。焼き立て珈琲豆の焼き立ての部分の香味がするのは葉が燃えている温かさからか、珈琲の味はしないが、珈琲の後味のようなべっ甲飴が感じられる事もある。
 終盤は若干吸い込みも改善されて花も咲くやと思わせる。実際にはっきりと咲いたのは二口ぐらいであった。
 甘さの奥にカスタードを秘めていた事を明かすのは平凡なカスタードにして最良の演出だった。もっともこのカスタードも一口現れてまた奥に引っ込んでしまったのである。
 久しぶりに「佳いハバナシガー」を吸い込んだ気がする。枯れ過ぎかもしれないし、吸い込みも悪かったが、問答無用の美味しさ。
|GUT JUN 12|6.1 x 52|coh-hk|$102/10|重量:+1(14.64g)|算出:+4|香味:+3|

 今まで一本買いを一回したのみであったが、後回しにするにせよ、一度は箱で買ってみたい銘柄である。
 蓋を開けると赤さが目立つ赤茶色。ハバナとしては茶色が黒い方だと思う。蓋を開けると粒ぞろいの感に打たれ、巻きも全体的に美しいと思った。蓋を開けた時の印象で大体味も決まるのである。
 若々しい酸味が立ち、煙草感も若々しく強く、しかしこれらが本当に実の若さに因るものなのかはわからない。五分も経つとモンテクリストらしい蒼い芳香も放ってくる。
 杏仁豆腐状の浮遊感。ミルキーな杏仁ではなく淡白な杏仁で、ミルクのぶんが煙草の強さに代わっている、甘さがないわけではないが、明らかにビターテイスト。だが甘さも花も段々強くなりココナッツまで実ってくる。なのに辛さはさほど衰えない。(なるほど杏仁がココナッツと花に分かれるのである。)ミルクの風味までもが濃く凝縮されたようになってくるが、細く堅く凝縮されていて煙草の煙に覆われている。
 これほど強面のものは久しぶりだ。
 しばらく経って気付いたが、トルペドだから味が細いのだった。
 その後は特別新たな香味が加わったりせず、ごく一般的な変化を遂げつつ終了。というか割と葉巻が疲れるのが早く、リカットしても持ち直さなかった。吸い込みも序盤の方が素直で、吸っているうちに吸い口の葉が膨張したらしい。最終盤は持ち直して金木犀が咲く。
 というか最終盤が更に長々しく、長々しくも美味しい。
 ハバナ感(ナッツ等)は弱いが、「これが煙草の王である葉巻だ」と押し付けられる感じで心地よくも強く個性的で好感が持てるのであった。今日のこれに比べると他の葉巻は御丁寧になよなよしたものばかりだ。
 2012年の質が良いのか、モンテの顔であるNo.2だけは衰えさせないのか。初めて箱で買った(しかも吝嗇くさい十本)のだし、その箱の一本での判断では拙速すぎるが、この箱は良い気がする。
|SUA JUN 01|235㎜ x 47|COC|($125/5)|重量:+2(20.77g)|算出:−3|香味:0|

 COCでAサイズ5本組みで買ったもの。送られてきた物は裸だったが、A5本入りの空箱(1本入りキャビネ×5)に移してビニールに包んでおいた為か、まだ濃厚なりし日の匂いを立てている。しかし嚔を誘発するほどではない。
 Aでドローが悪い場合、絶望しかありません。修正方法も墨田区の工場にでも行くしかないような。長くて細い注射針を刺してもらうのです。ですが着火するとそう悪すぎはせず、なんだか許せちゃうような、チョイ悪というもっとも唾棄すべき状態なのでありました。大体根元の方が詰まっている事が多いので、回復に期待も持てません。
 白ワインの後味を必要以上に苦くするような葉巻の味わいで、ボディも弱い為、マイナスとマイナスが重なり、淡さを美化する事もできませんし、
 これにてヴィンテージモノのモンテAの二本を終ってしまいました。先日同じAサイズのサンチョスのAサイズのサインチョスのAサイズの醍醐味を吸引したばかりなのに、それでAサイズばかりを買う算段だってつかせぬではなかったのに、結局は希望的な葉巻でありそれだけにもっとも絶望しやすい葉巻でもあったのです。微かな淡さにパンチ・クラシコスとの近似がありますし、ERでAが出れば良さそうです。
 なんてむしゃくしゃする文章を書く女だろう!
 人を食べログ女にするような葉巻なのです。しかも男のように一人でレストランに行くような女。
 気の合う男と女のように巧くいかないもの、それが葉巻です。こうしてとうとう凡庸を極めたのである。
 まったく目茶苦茶です、目茶苦茶なのに滅茶苦茶ではないドストエフスキーでも読むしかありますまい。
 それにしてもむかつくのはこの葉巻じゃないかしらではないかですわでどす。結局最初から最後までまったく同じでした。まったく、こんなに長いのに此処まで安定しているものは見た事がありませんわだ。こんなにゼロに近いものがあるかしら。こんなに長いのに、まるで空気のように終った。少し美味しいような、少し吸い込み難くて息苦しい空気だった。
 残7センチのところで、漸くピンセットで図太い葉脈を一本抜く事ができた。フィラーの葉脈に比べればラッパーの葉脈なんてどうでもいいのです。抜いたあと、少しモンテクリストの味がした。
 モンテクリストの味か否かどころではずっとなかったのである。小粋な辛味も加わり、まるでホイタスを吸っているような気分になった。フィラーの葉脈一本でここまで違うとは。Aは手練が巻くはずなのに、もっとちゃんと巻いてもらいたい。手練というのはキューバにあってはお調子者にすぎぬのでしょうか。
 11年経っても健在という事はわかった。11歳なんて、わしに比べれば大した歳じゃないがね。蝉ほどではないが、儚い葉巻じゃ。毎年繰り返す悠久でもあるまい。
 なんだか色々な意味で複雑でどうでも良くなってしまう。葉巻というのは美味しすぎる時にのみ目茶苦茶になるというよりは、少し不味い時に目茶苦茶になるようである。つまり美味しい葉巻はあまり煙たくはないのである。もう何がなんだかわからない。癇癪も中途半端に終る。
|BME JUL 11|7 1/2 x 38|coh-hk|$215.90/25|重量:( ??g)|算出:+6|香味:+4|

 昨日のホイタスの影響で今日もモンテクリストを試す。Aの予定だったが、時間がない。昨日の今日なのに、私にとって葉巻は時間を惜しむ程度の物らしい。葉巻とはそういうものらしい。葉巻への愛なんて、その程度のものらしい。愛への期待なんて、これほどらしい。そうでない人がいて漸く葉巻は最低限の読み物になるような。だが誰が葉巻に対してそういう若さで居続けられるだろう。葉巻の奥は、きっと浅いのである。限りなく浅い奥。……こうして実に凡庸な文章を書く準備を整えた。
 今日も密で良い。煙量は多くないが、煙の味が濃い。さすがに昨日のような抜群の辛味はないものの、少しはピリ辛で、兎に角甘い。空気が綿菓子と化したかのように煙が舌に触れて溶ける。その甘味の香が濃い。葉っぱ感を塗り潰すほどの花と甘味だが、葉っぱも負けじと濃い。あまりの密度に、ともするとキャラメル色に見えかねないが、ナッツ感は薄い。カスタードのクリーム色でもなく、草の緑色でもなく、それらは幽かにあるし、ハバナ葉系統の味ではあるのだが、やっぱり違う。結局、茶と緑青の混じった大理石の鱗粉が混ぜられているのである。
 シケモクになりがちな時に、強烈な辛味と強烈な木犀を発した。

 結局は時間を磨り減らして吸っているのだが、私の場合はただ逃げている気がしてならない。書かなければならない文章から逃げて、強制的に息抜きをした文章を書いている。書かなければならない文章というのは『蓄音機の説明書』であり、昔は寝る間を惜しんで音楽を聴いていた。今では音楽も煙に似ているが、説明書によると、蓄音機は煙よりも煙たいものなのです。
 こうして今日は葉巻に惹かれた理由を書いた。なんだか面倒臭くて嘘くさいがね。ともあれ二日連続で当った。ホイタス以上に絶望的な箱だったので嬉しい。
|SEP FEB 11|4 1/2 x 26|coh-hk|$101.15/25|重量:−2( ??g)|算出:+9|香味:+5|

 鼻に刺さる強烈に小気味好い辛味を心地よく鼻で転がしていると(葉巻がそのようにしろと誘ったのである)、強烈に甘い木犀パンケーキが来る。どんどん減ってしまうが、最初の1センチで+5である(これが終局まで衰えない)。油断して計量もしていない。赤ワインも着火前からグラスに注がずにラッパ呑みしていた。
 なにかに似ているなと思ったら、ダビドフ・エスキシトスのアタリに似ている。終盤、「草」のように「モンテクリスト」が来る。ダビドフ・エスキシトスと違って、まったく大物を思わせず(大物に飽きたからかもしれない)、小柄な物ならではの威力に興じる。辛い。
 葉巻さえ美味しければ飲物に相性なんて無いのだな。
 ホイタスの全部がこんなに美味しかったらみんな葉巻を吸っている(と思う)。自分勝手な美味しさを超えている(と思う)。
 残念な箱だと思っていたと思うし、もう15本ぐらいなのだが、「ハズレの箱」も「ハズレの多い箱」でしかなさそう。
 20分で終ってしまい、美味しすぎて言葉少なになる。
|TUR JUN 08|6 2/5 x 42|cigarOne|$215/25|重量:−1(9.63g)|算出:+6|香味:+4|

 緑色の深い海を覗くようなおどろおどろしい美味しさ。モンテクリスト(No.1)というものはやっぱり他の銘柄とは根本的に違う。海に存在する気の遠くなる溺れるような深さがフルボディへの怖れに変わるとかえって軽くなる。だが濃い。白味までもが濃い。辛みが出ても濃さに掻き消されている。それが「濃いのに強くはない」という全音音階のようなまどろみに収まっている。鼻を突く胡蝶蘭の気高い香が濃さと鬩ぎ合う。恐ろしいのに海女のように軽い。中型遊覧船のすぐ脇で海女が潜っているのである。スクリューに巻き込まれてしまわないか。
 全く以てこの美味しさが何なのかわからない。緑色の海を覗くようなおどろおどろしい美味しさ、という一文で限界だった。中盤でスパイシーになったのは憶えている。茶色い葉巻がこうも深緑だという事に禁じえない驚きを禁じる次第である。かくしてよちよちと遠浅の海岸で泳ぐのだった。けっして青い海ではない。
 この箱はモンテ・エスペシャルの2011年の箱とは次元が違う。久しぶりに葉巻が葉っぱの最高峰だと疑わなかった。「深い深い」といったって大抵その言葉自体が浅さを満載しているものだが。一言でいえば何だって「何がなんだかわからない」ものなのかと思ってしまう。浅いものも不可解であれば簡単に深くなる。もっとも簡単なものがもっとも不可解らしい。
 濃厚ながら、葉巻の不甲斐無さを払拭する一服の清涼剤だった。後半は落ちるが、落ち過ぎはせず、前半のみで後半を挽回するほどの物。全く時空が歪んでいる。
 後半の後半になるとあの口臭のような甘くて刺激的な香草が伸びる。それが金木犀に燻されている。
 木か革か土かというのもまったくモンテ風で、もはやまったく木や土や革を感じない。
 全体に雑味の暗雲を覆うほどの分厚い暗雲が支配している。雨は降らず、雨の降る間際の暗雲こそが美に気付かせるのだとしたら、これほど美味しい暗雲はない。全く以て緑色の海と同じ話だが。

 三ヶ月前のこの物より3gも軽くてスカスカだが、軽さなりの良さがあった気がする。とりわけ序盤は海としかいえない。
|BME JUL 11|7 1/2 x 38|coh-hk|$215.90/25|重量:0( 12.68g)|算出:−5|香味:−3|

 ハズレ。まずもって埃の詰まった掃除機のように吸い込みが悪い。ラギート1で12.68gは完全に没らしい。ダイソンのサイクロン葉巻に想いを馳せるが、しかも次には味が悪い。熟成不足以前の不味い箱を手に入れた気がする。あるいは長期熟成型だと思い込んで、しばらく封印しなければならない。モの味もしないのである。
 それにしても葉巻というものにはスノッブさの欠片もない。スノッビーがハズレを許すはずもなく、ハズレと巧く付き合うような人間は極めて貧乏で、ハズレをポンポン捨てるぐらいでなければ大らかな機械とはいえない。
 こんな猿の陽根のようなビトラでは串刺しも難しい。陽根なら元から尿道が開いているが、どちらかといえば巻いた人の勃起した尿道に串刺ししたい。不味い葉巻というものは発想まで下品にするようだ。下品にするというか、したくない事をさせるのである。
|BME JUL 11|7 1/2 x 38|coh-hk|$215.90/25|重量:−1( 9.80g)|算出:+2|香味:+2|

 到着後一ヶ月、荒野感は消えていないが、やや豆に近づいている。重心は低くないが、ある種のモンテクリストらしいシャンプーの芳香が漂う。洗剤臭くはなく、むしろ美人が風呂に入っているらしきあの感覚だが、湯気の湿り気などは感じられない。それが花と入り交じり、なおかつ甘味と入り交じって杏仁豆腐やココナッツミルクのようなデザートの感覚もある。芳香が鼻から脳髄を通って顱頂から抜ける感覚は青緑色である。
 本当に味が変わってしまったのか、昔の濃密な土緑色のキャラメルという感じはよみがえらないが、これはこれで美味しい。
 終盤はハーシュになるが(どうして英語を雑えねばならないのか、しかし「ハーシュ」に該当する日本語は思いつかない。グラッシー(硝子かも)だのナッテー(渾名か)だのウッドィ(鈴木かも)だのアーシー(地球!)だのスパイシー(普通か)だのポプリー(これはなかなか良い)だのムーディー(これは葉巻の記述で読んだ事がない)だのというのはこそばゆさ以外の何ものでもない)、白い旨味なども生まれ全体に生き生きとしてきて美味しかった。「ハーシュ」については、「ハーシュノイズ」と言われる音を聞けば瞭然なのだが、キメ細かく柔らかいシャンパンの泡のようでもありただの雑味のようでもあるものである。
 変梃な経験値がものを言っているだけでこの葉巻は昔からこのような葉巻だったのかもしれない。
|SEP FEB 11|4 1/2 x 26|coh-hk|$101.15/25|重量:−2( 2.55g)|算出:+7|香味:+4|

 挽きたての豆の太く濃い香ばしさに極細の甘味と旨味、このサイズの美徳を完全に備えている。細さは終盤で八角に近づきつつ膨らんでいく。膨らみきって弾ける事なく終わる。ニジンスキーの跳躍の原理か、天空に消えるようで、お昼にぴったり。就寝前なら最終盤は凋んでしまわねばならない。

 前回のエスペシャルの話だと一番難しい年頃のはずだが。久しぶりに晴れた昼だから良かったのか、細いから一週間で十分だったのか、掴みきれないほどの色々な要因が重畳作用するにしても、結局のところ単純に当り外れの方が大きいのではないかと改めて思う。

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